登山者情報018号

【1980年05月03日/稜線/井上邦彦調査】

下界ではブナの新芽が一斉に芽吹き始め水芭蕉が眼に染みる季節になりました。いよいよ本格的な春の訪れです。しかし稜線ではこの2日に30cmの降雪を見ており、まだまだ油断は禁物です。あなたは滑落停止ができますか?ピッケルは飾り物ではありません。確実なピッケルワークを身につけて下さい。例年この時期の事故は圧倒的に滑落事故が多くなります。夏道の殆どが雪に覆われています。ガスられた時はルートファインディングに細心の注意を払って下さい。
{特に迷い易い所}
1) 石転ビ沢北股沢出合
2) クサイグラ尾根分岐(烏帽子岳)
3) 牛首尾根分岐(大日岳)
4) 黒井堰(切合小屋から御坪へ下る時)
5) 梶川尾根1600m付近。
ダイグラ尾根取り付き桧山沢出合の吊橋は雪崩のため破損しています。すぐ上流にスノーブリッジがありますが、通行には十分注意して下さい。石転ビ沢でのスキーは他の登山者にとって大変危険ですので行わないようにして下さい。ゴミは必ず自分で持ち帰るようにして下さい。登山者カードの記入は済みましたか?登山者カードの記入は登山者としての最低限のルールです。雪渓は常に変化しています。先人のトレースを辿るだけではなく、自分で判断して登ることが大切です。自分のパーティで無理だと思ったら早めに中止することが必要です。