登山者情報029号

【1981年05月05日/全山/井上邦彦調査】

ブナの新緑が美しい季節になりました。山麓ではミズバショウやタムシバ・ヤマザクラが咲、ツキノワグマも冬眠から目覚めました。ダイグラ尾根は休場ノ峰・梶川尾根は湯沢峰から下は夏道が歩けますし、稜線でも新潟県側はかなり融雪が進んでいます。しかし全山ピッケルは必携、滑落停止やキックステップ等の雪上技術に習熟していない方は入山できません。山は冬と春の接点にあります。天気周期や天気図・気象予報をよく確かめ荒天時(吹雪・雨)の対策を怠ることの内容にして下さい。
ブロック雪崩や雪庇の崩壊が激しくなっています。沢沿いの道やダイグラ尾根などでは充分な注意が必要です。また雪質の変化が激しく、早朝を除きアイゼンは効きませんが、ダイグラ尾根最上部や飯豊山周辺はアイゼンなしでは通行できないことがあります。
梅花皮小屋は平常通り使用できますが、土足は厳禁です。箒・雑巾でよく掃除をして下さい。
桧山沢出合の吊橋が破損していますので、ダイグラ尾根をご利用の方はスノーブリッジを使用して下さい。
石転ビ沢は地竹原から雪渓に上がれますが、ツブテ石付近が非常に悪くなっています。ルート図を参照の上、各自の判断で最も良いルートを選択して下さい。また石転ビノ出合(門内沢出合)と北股沢出合が迷い易くなっています。ガスられた時は充分に注意し、無理な行動はしないようにして下さい。スキーは雪渓の変化に対応できなくなりますので持ち込まないようにして下さい。