登山者情報035号

【1981年07月19日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

梅雨も明けて、いよいよ本格的な夏山シーズンの到来です。各山小屋には管理人が入り有料となっています。(無人小屋は御西・杁差・大熊・祓川・湯ノ島のみ)
{梅花皮小屋}
付近のお花畑はチシマギキョウ・コバイケイソウが満開。外にミヤ
マキンポウゲ・ヒナウスユキソウ・ハクサンコザクラ・ニッコウキスゲ・オヤマノエンドウ等が咲いています。イイデリンドウも綻び始めました。宿泊は清掃協力費として1泊千円、天幕は1人100円となります。
{石転ビ沢}
上部の融雪は平年より1ヶ月以上遅れています。特に北股沢出合から上流は落石が激しく、
しく、極めて危険な状態になっています。
石転ビ沢の下降やガスられた時の入谷は熟達者以外、絶対にしないで下さい。またピッケル・アイゼン共に不所持の方は晴天・曇天の別なく入谷を禁止します。アイゼン・ピッケルを持っていても滑落停止をマスターしていない方もできるだけ梶川尾根にコース変更してくださるようお願いします。
{安全ですか?貴方のその技術で}
石転ビ沢の事故の大部分は転滑落です。急斜面でルートを失った時や落石が発生した時、素早く対応できる技術が必要です。アイゼンのみでは咄嗟の対応ができず、例え登ることができても引き返すことができず、致命傷となる場合があります。また中途半端なザイルの使用はかえって事故を大きくします。現在の石転ビ沢に入るには確実なピッケル技術がどうしても必要です。