登山者情報041号

【1981年08月30日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

梅花皮小屋周辺のお花畑には、ホソバコゴメグサ・ヒナコゴメグサ・タカネマツムシソウ・ホソバトリカブト・イワインチン・ウメバチソウ・イイデリンドウ・シオガマギク・タカネナデシコ・ミヤマアキノキリンソウ・ヤマハハコ・オンタデ・シシウド・ヒメシャジン等が咲き石転ビ沢の草付キ(中ノ島)から梅花皮小屋直下にかけてはハクサンオオバコ・ウサギキク・モミジカラマツ・シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ・オタカラコウ・ハアクサンコザクラ・イワイチョウ・ハクサンフウロ・シラネニンジン・コバイケイソウ・等が咲いています。
石転ビ沢の雪渓は非常に硬くなっており、変化に富んでいます。アイゼンやピッケルを持っていない者、初心者のみのパーティは入谷しないようにして下さい。ルートの状況は次の通りです。石転ビノ出合(門内沢出合)までは左岸(上流から見て)の夏道を通ります。出合左岸の天幕場は水がありません。出合の雪渓は一度門内沢へ夏道(はっきりしない)を歩き、割れ目の上流で横断して石転ビ沢の左岸に入ります。雪渓の末端付近が悪いので雪渓や草付キ(中ノ島)をピッケルでカッティングし足場を確かめながら左岸を進み、渡渉点を探します。岸の岩が崩れることもあるので注意して下さい。また増水時は通行できません。上の雪渓の末端より下方で右岸に移り、台地に上がると下から続いている夏道に出ます。天幕を張る時はこの夏道を下って小沢の近くに設営します。夏道をそのまま上流に詰め雪渓に出ますが、できる限り上流から雪渓に上がって下さい。雪渓を右岸寄りに進むと左から小沢が入っていますが、雪渓が薄くなっているので右岸ぎりぎりに進んで小沢に入ります。小沢から雪渓に上がる所が悪いのでピッケルでカッティングしたりピックを刺して支点にして這い上がります。小沢を過ぎてからそのまま右岸沿いに進むと雪渓が薄くなるので右からの枝沢の上に出るように斜上し、そこからホン石転ビ沢出合までは左岸沿いに登ります。本石転ビ沢対岸の枝沢付近が薄くなっているので図のように通って枝沢に入ります。枝沢から少し雪渓を進み、斜上して右岸寄りに移ります。傾斜が緩くなって北股沢出合に着いたら今度は右へ斜上します
が、特にガスられた時は北股沢へ入らないようにして下さい。北股沢出合から黒滝までは左岸よりに登りますが、黒滝付近が薄くなり亀裂が入っています。雪渓の右の端から左岸に取り付いて左へ横断しますが夏道がまだ部分的にしか出ていないので注意して下さい。黒滝の上からは左岸の夏道になりますが、30日現在でまだ下の部分4〜5mが雪に隠れていますが、雪渓はかなり薄くなっていますので、それ以外には絶対に雪渓に上がらないで下さい。右からの枝沢に入ると尾根沿いの夏道があり草付キ(中ノ島)へ続いています。草付キ(中ノ島)からは夏道通りに梅花皮小屋へ出ますが、下りの時、この尾根道に移らず真っ直ぐに下ってしまうことが多いので注意して下さい。また落石には十分注意し、特に人為的落石を起こさないようにして下さい。