登山者情報058号

【1983年04月29〜03日/石転ビ沢〜滝口/横山秀一・井上邦彦調査】

例年よりもかなり雪の量が少なく、梅花皮荘〜飯豊山荘間は一部を除き土の上を歩けます。除雪も連休明けから始まります。石転ビ沢は滝沢出合下より雪渓が歩けますが、その下の地竹原に入る所の小沢付近が嫌らしくなり始めました。石転ビノ出合(門内沢出合)は良い水場がありませんので注意して下さい。また例年石転ビ沢と間違って門内沢に入る人も多く要注意です。ホン石転ビ沢対岸の小沢からブロック雪崩が多量に落ちています。石転ビ沢全般としてはまだブロックは少ないものの、今後融雪が進むにつれ次第に激しくなりますので注意して下さい。北股沢出合から上の急斜面(草付キ(中ノ島)付近)は、雪庇の発生が抑えられたせいか例年に比べ斜度がなく感じられます。しかしガスられた時はルートを失いやすく大変危険です。
稜線の各山小屋は利用できますが、水は梅花皮小屋を除いて得られません。御西小屋は2階入口より入れます。天幕は殆ど雪上となりますが、梅花皮小屋・与四太郎ノ池(約6張分)、飯豊本山は露出しています。5月2日早朝には降雪が見られました。気象について充分に気をつけて下さい。なお、小国町西滝より登るコースは、車道が黒松沢出合までできていますが、雪のため東滝より歩きとなります。黒松沢は橋がないため合流点より約50mほど上り渡渉します。道はあまりよくなく、融雪と共に益々困難となります。黒松沢出合手前にミズバショウ、尾根に取り付いてから、イワウチワ・ショウジョウバカマ・タムシバ・ユキツバキ・ムラサキヤシオツツジ・マンサク・オオカメノキ・コヨウラクツツジ・オオバキスミレが咲いていました。特にイワウチワは満開です。