登山者情報064号

【1983年07月26日/石転ビ沢/仁科友夫調査】

事故多発!
7月14日、石転ビ沢草付キ(中ノ島=A点)で休憩していた31歳の男性に直径30cmの落石があり、56m滑落し、重傷。原因は草付キ(中ノ島)の端に寄り下を向いて休んでいたためと考えられる。休憩する時は落石がどのようなコースで落ちてくるかよく考えて場所を選び、常に上方に注意を向けてください。
7月24日、梅花皮小屋において炊事中の女子高校生が熱湯を被りやけどを負い救助されました。
7月24日、朝日連峰にて角楢小屋から大朝日岳を目指した先生がパーティと離れ過ぎて道に迷い、翌日発見されました。
7月26日、石転ビ沢草付キ(中ノ島)上部(B点)で下降中の71歳の男性が約400m滑落し、翌日救助されました。
石転ビ沢を予定している方!
現在の石転ビ沢は例年より落石が多く、また近年になく雪が硬く思われます。初心者の方は入谷してはいけません。温身平から石転ビノ出合までは全て夏道となります。梶川出合は増水時通行できないので注意すること。石転ビノ出合のすぐ上は雪渓が崩壊したので、夏道を歩くこと。昨年8月3日、誤って門内沢に入って遭難を起こした例があります。ホン石転ビ沢出合下より落石の危険が出てくる。転石には触れるな。北股沢出合下より落石の危険が高くなる。常に上方に注意すること。雪渓の途中では絶対に休んではいけない。北股沢出合より上はガスがかかりやすく、ルート選択が難しくなる。黒滝付近から草付キ(中ノ島)にかけては落石が集中するため極めて危険である。落石の可能な限り少ないルートを取るが、素早い動作が要求される。途中で立ち止まってはいけない。草付キ(中ノ島)から落ちてくる人為落石も注意すること。草付キ(中ノ島)の両側の雪渓は通ってはいけません。草付キ(中ノ島)にに上がったら落石を起こさないよう慎重に登って下さい。万一落石を起こしてしまったり、発見したら大声で「ラクッ!」と叫び下方の人達に教えて下さい。草付キ(中ノ島)の端によることは大変危険ですから水場は使用しないで下さい。草付キ(中ノ島)から上はほぼ水平に左にトラバースして再び夏道に出ます。草付キ(中ノ島)から真っ直ぐ上に登ると次第に急になって行きます。またこのトラバースは大変急で雪渓も硬く、昨年、今年と連続して滑落事故が発生、死亡事故も出ています。トラバース終了後は石を落とさないようにして夏道を登り傾斜の緩くなった雪渓を詰めると梅花皮小屋に出ます。石転ビ沢は、ピッケル・アイゼン必携!初心者入谷禁止です。
朝日連峰を予定されている方!
狐穴小屋は老朽化のため8月上旬頃より10月末日まで増改築を行います。この間は使用できないので注意して下さい。