登山者情報086号

【1986年07月12日/石転ビ沢/井上邦彦調査】

石転ビ沢の雪渓は、例年にない積雪と天候のため、残雪が多い。もう既に、ブロック雪崩の危険はなくなってきているし、昨年までの異常な北股岳からの落石も小康状態である。北股沢出合上方は、草付キ(中ノ島)がようやく3〜4m顔を出しただけで梅花皮小屋直下まで残雪の急登が続き、滑落に注意。転石はホン石転ビ沢出合とモレーン形成地が大半で北股沢出合は意外に少ない。石転ビノ出合は大岩も全体が表れ水場も出ている。雪渓は地竹沢の所から安定しており、梶川出合下方の左岸と石転ビノ出合の上方で本流が顔を出し始め登下降時は沢の音と落石の音に気をつけて下さい。稜線上は強風時要注意のこと。門内小屋の天幕場は半分以上残雪に覆われています。門内から扇ノ地紙までの旧道は残雪下となっており、沢への転落などないようにして下さい。梶川峰までは所々夏道上に残雪があり、五郎清水もようやく顔を出しました。
7月12日現在の北股沢出合上方の概要は図のとおりだったので参考にして下さい。
以上