登山者情報096号

【1988年08月01日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

温身平から石転ビノ出合までの間は,全て左岸(上流から見る)の夏道となります。梶川の出合で一度雪の上に出ますが、付近の雪渓は崩壊中ですので、梶川の渡渉になります。梶川の出合を過ぎたら早めに夏道に上がって下さい。梶川や門内沢に迷い込む方がいます。注意して下さい。北股沢出合とホン石転ビ沢出合の中頃の左岸より、大規模な土石流が6月始めに発生しました。土石流に埋まっている雪渓とそうでない雪渓の融け具合が違ってきており、石が動いているので注意して下さい。土石流の上はできる限り歩かないと共に、脇や上からの転石に注意して下さい。特に7月29日には(土石流のものと思われます)が、石転ビノ出合まで落下して幕営中の登山者を驚かせました。ホン石転ビ沢対岸の水場は使えます。ホン石転ビ沢に間違って入る方がいるので注意して下さい。土石流の上部末端から上が、落石の危険地帯になります。北股沢出合の清水が出ています。ここは比較的落石の少ない所です。ホン石転ビ沢出合の対岸の水場からここまで、休まず一気に登ってください。北股沢に迷い込む方や黒滝下の右岸の小沢に入ってしまう方がいます。注意して下さい。黒滝付近が薄くなり始めました。左岸の夏道をへつるようになります。北股沢出合の清水から草付キ(中ノ島)まで一気に斜上して下さい。特にここは落石の集中する所ですから、決して途中で休まないで下さい。草付キ(中ノ島)の上でも、まだ草が伸びていない所には落石が来ますので、若干登ってからアイゼンを外して休息してください。草付キ(中ノ島)の両側は次第に薄くなるので、早めに草付キ(中ノ島)に上がって下さい。草付キ(中ノ島)からの人為落石が多発しています。落石を落とすことのないように慎重に登ってください。落石を見つけたら、大きな声で「ラアーク」と叫んで、下の登山者の注意を促して下さい。草付キ(中ノ島)途中の水場は落石のコース上にあり、事故の多い所です。草付キ(中ノ島)上では水場に近づかないで下さい。草付キ(中ノ島)から左へ斜上する部分は傾斜45度で滑落事故の多発地点です。まだ若干の雪が残っていますので、雪渓の尻を通過してください。案内板やペイント指示のとおりに夏道を通り、そのまま真っ直ぐには決して登らないで下さい。大変に危険です。また付近には時折落石が来ますので、素早く行動してください。その上は、水の涸れている小沢状の登山道を登りきると、梅花皮小屋が見え、小さな雪田を登って終了です。以上は7月29日の情報です。雪渓は常に変化しています。この情報を参考にして各自の判断で通行して下さい。

梶川尾根
五郎清水は使えます。1,600mの地点に残雪があり、融雪が得られます。この雪渓の下部は滝になっていますので、決して下ったり滑落することのないように注意して下さい。以上は8月1日の情報です。