登山者情報1005号

【2006年05月26-28日/梶川尾根〜大日岳/AQL調査】】

メンバー ODD、O氏、H氏、AQL
(5/26)
 40年来の山の友H氏が福岡から、そして千葉からO氏が飯豊の大日岳を登りたいという事でODDと案内した。
 例年になく大雪で梅花皮荘から先は落石の恐れあり、車は通行止めである。道路のガードレールの傷みが激しく、日陰には残雪も多い。勿論飯豊山荘は閉まっている。直ぐ先の梶川尾根に取り付く。
 アヅマシャクナゲ、ツツジを見ながら登ると、やがて、ムラサキヤシオ、ムシカリ(オオカメノキ)、タムシバ、マンサク、足下を見ればイワカガミ、イワウチワ、カタクリ、ショウジョウバカマ等が咲いている。(下山時にヒメシャガを見逃していたのに気づいた。)
 湯沢峰から一旦下る処より残雪が始まった。夏道とは様相が一変しているのには驚く、時には少し夏道が出ているが直ぐ残雪で道は消えてしまう。残雪に中から伸び上がっているブナの若葉が目に滲みるほど素晴らしい。途中の滝見場や五郎清水に気がつかず、三本樺まで登ってしまった。
 此処に来るまでに雪の急斜面が有り、アイゼンを付けたままである。無雪期は何の迷うこともないのだが、特に霧の時に下山は迷い易いので赤旗を立てたりして印しを付ける。梶川峰は地肌が出ていて、その先のケルンも地肌が出ており、ハクサンイチゲが咲き始めである。何処かでバイカオウレンを見た。
 再びに残雪の上となり、扇ノ血紙まで土は踏まない。稜線に出ると北股岳まで夏道が続いている。風も無く天気も良いが、期待していた門内岳付近のハクサンイチゲとミヤマキンバイのお花畑はまだ10日も早く、其処に一輪、あそこに一輪である。また、ミネザクラは新芽を出したばかりである。
 北股岳の下りは直ぐに雪の急斜面となるが踵で踏み込んで下るがアイゼンを付けた方が無難か?
(5/27)
 天気予報では曇り時々雨の話であったが、風が少し有るくらいで快晴である。出だしの梅花皮岳の登りは夏道であるが花は見かけない。9ヶ月振りの山登りなので足取りが重い。昨夜の梅花皮小屋でのアルコールを堪能したせいか。
 梅花皮岳の下りより雪の上となり、大日岳まで土を踏んだのは約一割程度であったがアイゼンを付けないで歩けた。天気が良いので迷うこともなく進む。御手洗ノ池辺りは雪で完全に埋まっていて何処に有るか判らない。進行方向右から大日岳、御西岳、飯豊本山を手に取る様に眺めながら歩けるので気分良く鼻歌でも出そうだ。御西岳手前で霧にまかれ、小屋はまだか、まだかと不安になりながら進み、やっと大日岳方面の標識にぶつかり安心する。もし、夏道と標識が雪に埋まっていたら迷っていたのではないのか、本当に霧と雪は怖い。それから、大日岳に少し進むと霧が晴れ、向こうには頂に雪を付けた堂々とした大日岳が聳えている。右下にあるはずの文平ノ池は雪に埋まっている。
 大日岳直下15分手前くらいの急登で雪が張り付いている。登る事は何とか出きるが帰りの下り、もし滑落すれば一巻の終わりだ。ザイルを持ってきてないので、無理をせず諦めて引き返す。帰途雪上の踏み後は殆ど消えていた。
 天狗ノ庭付近でシラネアオイ、烏帽子岳付近でヒメイチゲを見つけた。
 二日間誰にも会わなかったが、梅花皮小屋では石転び沢の雪山訓練隊20数名と別の二人パーテー来た。
(5/28)
 朝方から風強く、霧雨も悪天候。北股岳目指し小屋を出るが強風で何度も飛ばされそうになり、なかなか進めない。北股岳下りは風下になり落ち着いていたが、扇ノ地紙から、梶川尾根下りになった途端、物凄い突風で動け無い、ピッケルで三点確保して、風が止むのを待つが止まない、一瞬のゆるみを狙い、意を決しタッタ、タッタと下る。
 高度を下げるほどに風は次第にゆるくなる。
視界は良いが、油断をすると尾根を間違い易い。来る時に立てた笹竹は吹っ飛んでいて無い。GPSを使用しないと、要注意だ。
オオイワカガミ ムラサキヤシオ
イワウチワ ヒメイチゲ
ショウジョウバカマ 湯沢峰に向かう
滝見場付近 梶川峰に向かう
梶川峰 烏帽子岳から下る
大日岳の雄姿 烏帽子岳を振り返る
飯豊山を望む 天狗岳に向かう
快晴の下、足取りも軽い 北股岳・烏帽子岳を振り返る
御西小屋から大日岳に向かう 次第に大日岳が大きくなる
大日岳中腹から飯豊山を望む 御西小屋に戻る
御西小屋から望む北股岳 大日岳に見とれる
飯豊山 帰途