【2006年7月22-23日/梅花皮沢の登山道整備/井上邦彦調査】
1024号で報告をしたとおり、温身平から石転ビノ出合までの登山道はかなり荒れてきていた。そこでHZU・EHJ・VCKの3名で登山道整備を行うこととした。
06:00天狗平ロッジに集合し、道具を持って現場に向かう。砂防ダムを過ぎてブナ林に入った所で、川岸が抉り取られてブナの大木が河床に落ちている。登山道が消失したこの箇所は、登山道を拡幅して通行可能にした。
下ツブテ石の2つ目の沢は、流れてきた石が積み木のように積まれているので、石を1個1個手で移動し平坦にして、安定した登降ができるようにした。
うまい水で喉を潤し、婆マクレを通過する。地竹沢が本流により大きく侵食されていたので、侵食された箇所を崩して通路と飛び石を作り、地竹沢の流れを変えた。
梶川出合は、本流が左岸を流れるようになったため、従来の登山コースが完全に埋没して通れなくなっている。道刈りはここで終わっていたので、巻き道の道刈りを行った。最上部から下がった場所の登山道を横切って崩壊しており、通行が危険になっている。上部から下ることなくそのままトラバースし、崩壊地を過ぎた所から下降し、従来の巻き道に合流するように新道を抜伐開した。この新道は梶川寄りが急傾斜なので、両手で潅木を掴んで上り下りすることになる。
下山時には、梶川沢を遡って途中で渡渉し巻き道に入ることになるので、ポイントには黄布を付けた。
梶川沢からいったん雪渓に上がり、再び夏道に出るが、雪渓上で滑ると危険なのでスプーンカット(雪渓上の凹凸)を利用して確実に通過して欲しい。また雪渓の端は氷化し薄くなっているので、充分に留意して欲しい。
大岩の手前の登山道が侵食を受けて空中に飛び出している。止むを得ず草地を通ることになる。大岩を通り過ぎると急な登りになるが、ここも下部が侵食を受けて直登できなくなった。右手から急な草地を巻くように取り付く、途中にある岩は浮いているが他に足場はない。上部から白いロープを下げたので、ロープを補助にして通過して欲しい。
登山道から雪渓に出るが、そのまま雪渓を詰めると動けなくなるので、右側に露出している登山道を早く見つけて移るが、末端が薄くなっているので留意する。
いよいよ赤滝の登りになるが、岩場の足場を丁寧に探して通過する。どちらかといえば上の道が歩きやすい。滝を横切る所から今回設置した白いロープが出てくる。ロープは9mm×30mを3本フィックスした。滝の先(昨年の滑落事故現場)は土砂が崩れて斜面が剥き出しになり、慣れない方は恐怖感が出てくるかもしれない。ロープを補助にして慎重に通過し、岩の上に出る。ここからのトラバースは高度感充分である。
今回は、このトラバースルートを覆っていた土砂を全て取り除き、以前に掘った足場を露出させたので、慎重に行動すればなんとかなるかと思う。
後は、石転ビノ出合まで草を刈り払い、今回の作業を終了し、天狗平ロッジに戻った。
ブナ林の崩壊地を巻く | 下ツブテ石の沢を整備する |
地竹沢の整備 | 梶川出合巻き道の崩壊状況 |
梶川に出る | 右手に鎌、左手に鋸 |
梶川を渡る | テツカエデ |
崩壊地を仰ぐ | |
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抉り取られた登山道 | 一度雪渓に上がる |
雪渓の崩壊 | |
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赤滝の整備 | |
石転ビノ出合を望む | 石転ビノ出合 |
石転ビ沢 | 石転ビ沢上部 |
作業を終えて | 赤滝付近の雪渓 |
ロープを伝って下る | 最後は脇に逃げる |
コシジシモツケソウ | 梶川出合 |
新道を登る | 新道入口 |
目印の黄布を付ける | 砂防ダムの水の色が違っている |