登山者情報1037号(投稿)

【2006年08月10-11日/大日杉〜大日岳/川口志枝子調査】

 前日に気象庁のHPで天気予報を確認すると2日間崩れないようだ。問題は気温である。熱射病なると大変なので、最高に薄いTシャツ、ジョグ用のスラックスを着用する。それが後で後悔する事になる。
 大日岳は、一般的に飯豊山から御西岳入るのが、安全であると思い大日杉小屋から計画立てる。7月中旬の大雨で大日杉小屋に向かう林道が、破壊され、通行止めになっているとの事。登山者情報第1031号で確認してはいるが、不安がある。HZUさんが車で入った所に駐車する。もっと中まで入れそうだが、私は慎重に行動する。
 30分の林道歩きで、メジロアブの大群に襲われる。ハッカスプレーを噴射したが、効果なし。手ではらうにも限度があり全身30カ所以上かまれる。長袖と合羽を着れば良かったと後悔する。ちくちく痛いが、我慢できる痛さだ。薬局の軟膏を塗る。
 登山口(7:14)登山者カードに記入しメジロアブと一緒に登る。ザンゲ坂を登って、(7:42−7:49)水分補給し、おにぎり一口食べる。ここでアブとはさよならをするが、重荷に汗が噴き出す。何回拭いてもおなじので顔を拭かない事にする。(8:14−8:27)長之助清水の水場で又食べて、水を500ccくらい飲む。さらに2リットル水を汲みザックに入れる。ザックがまた重くなる。ぶなの大木を見て、これからの、山場の事を考える
 いつもは日帰り山行。予定タイムより、遅れているが、焦らずゆっくり登る。8:35御田杉を通過するとガスがかかり、涼しくなって一息つく。(9:05−9:17)休憩を取る。こんなに休憩をしながら登ったのは久しぶりだ。
 (9:53−9:59)滝切合、森林限界になり、(10:25−10:45)地蔵岳山頂に到着した。福島東高の生徒さんが15人位休んでいた。今日は切合小屋泊の予定で、2日目は梅花皮小屋泊、そして梶川峰を下山する予定とのこと。先生もこの暑さの中、指導しながら登るのは、大変なだろう。ふと子供の事を思い出す。天気がよくなり、気温も上がる。
 切合小屋、御沢の雪渓を、確認し、アップダウンをくり返す。深緑になったダケカンバが多く出て来る。御坪の日本庭園から本山を仰ぎ(12:10−12:37)昼食を取る。そこで、春山合同訓練参加者の米沢のS女史と合う。お互いにビックリして、話をする。S女史は切合小屋まで行き、下山途中との事。
 ゆっくり休み、腹いっぱいになり眠くなるが昼寝というわけにはいかない。再び重い荷物を背負い、御沢の雪渓を通らず種蒔山の稜線に向かう。途中にある沢の水場は雪渓がまだかなり残っていた。
 笹で覆われた登山道をトラバースし歩き分岐、(13:45−14:00)切合小屋着く。マツムシソウが満開。こんなに沢山ののマツムシソウは始めてである。朝日の稜線より多く満足。小屋裏では、トイレを建設中。作業員を明日へりで向かえにくるとか、もう工事は終わったのかな?
 (14:48)草履塚。途中ピッケルで、ビールを冷やす雪を取ると又ザックが重くなった。(15:09)姥権現−御秘所の岩稜、無茶苦茶に暑い!一ノ王子への登りは花に癒されて頑張る。
 (16:10)本山の水場で水を補給し、16:25本山小屋に到着し、やっと重いザックから解放される。松葉さんに挨拶して、漬け物のおみあげを渡す。小屋には団体さん2パーテ−15人位が今晩の登山客、私は下の1番で休む事になった。
 18:00三角点へ向かう。酔いがまわっているので、ふらふらする。誰もいない標柱三角点で、写真を撮る。足の筋疲労は、あまりないが足の底が少し痛い。小屋に戻り新潟のWVIさんと一緒の女性の方にビールをごちそうになり、一緒に御食事して頂く。松葉さんにもビールご馳走になる。とても親切にしていただき感謝!こんなにお酒背負って厳しい飯豊に登られた、WVIさんの体力に、脱帽です。疲れで9時ごろ就寝。
 翌朝(11日)2:30頃団体さんの、スーパー袋の音で目が覚める。アブにかまれた後が、かゆい。目を瞑って身体を休める。朝食を食べ、4:45大日岳へ向かう。
 誰もいない。私1人ご来光を迎える。ダイグラ尾根が光りをあびる。西への稜線がくっきりと鮮明に確認できる。大日岳が美しい。月が出ているではないか、思わず写真を撮る。ニッコウキスゲが満開、残雪とのコントラストのバランスは実に見事、美しさに見惚れて足が遅くなる。6:40御西小屋で熊さんに挨拶して、コーヒ−をご馳走になる。アマ無線でWVIさんとつながり話する。
 6:53大日岳向かう遮るものはない。登山道は丁寧に草刈りがされており、花は満開。突然池が現れた。池のほとりには花が咲いているようだが時間がないのでまっすぐ進む事にする。登山道から見た池と大日岳を撮す。
 8:30大日岳山頂に到着。何と、梅花皮小屋が見えて感激する。南にオンベ松尾根の稜線、牛首山を始めて見た。食事をし水分補給し、8:57下山する。山頂は携帯電話圏外だったので、すこし下山した所でHZUさんにメール送る。返事をいただきまた感激する。
 途中3人のパーティとスライドする。この暑さの中、空身で山頂に行くのだろうか?私は炎天下の水分量は1時間に200CC位。彼らが何事もなく下山できることを願う。
 10:10御西小屋到着。地蔵岳で合った生徒さんが休んでいた。先生から切合小屋に向かう途中の雪渓(水場)で、熊を見たとので留意するよう言われる。10:45御西の水場で水を補給し本山に向かう。
 12:16飯豊山々頂12:30本山小屋で昼食を取り、13:40出発する。15:00:-15:15切合小屋17:36地蔵岳。暗くなったのでヘッドランプを点灯する。19:27大日杉小屋、20:00林道駐車場。林道の蛍のひかりで安心する。11日は時間がかかり無謀の山行と反省。23:00ようやく自宅に着く。

ムカゴトラノオとアサギマダラ ダイグラ尾根の宝珠山
月と大日岳 御西小屋から大日岳に向かう
御西小屋を振り返る 文平ノ池と大日岳
大日岳から北股岳・烏帽子岳 牛首山を見下ろす
梅花皮小屋遠望