登山者情報1068号

【2007年03月17日/西俣ノ峰/井上邦彦調査】

 仕事を終え、そのまま小玉川に向かう。梅花皮荘の駐車場に着くとロータリー者が除雪中であった。車中で服を着替え、川入荘の駐車場に車を止め、11:25歩き始める。
 11:30民宿奥川入に顔を出すと、今朝下越山岳会パーティが登っていったとのことである。田んぼの雪原に一条のトレースがある。トレースを利用して進む。
 11:42潅木の中をトレースは上に登っている。何時もと取り付きが違う、手前の尾根かなと思いつつ、服を脱いでトレースに従って登る。楢の樹を跨ぐと尾根上に出た。左右の景色は見覚えがあると思っていると、正面に岩場が出た。間違いなく何時もの尾根である。何か狐に包まれた感じがした。尾根は例年と異なり新雪以外は雪がない。
 快適に登っていくと上部で人の声がした。12:06-11主尾根に出ると、下越山岳会の4名が休んでいた。石井さんや渋谷さん達である。トレースの礼を言うと、トレースは1時間ももたない、山頂近くでは雪崩の危険があるとのこと。田邊さんは明日も西俣ノ峰まで登るとのことである。皆スノーシューを履いていた。カンジキ談義をして分かれる。
 暫く登るとトレースがなくなり始めた。以後山頂までトレースは痕跡が部分的に出てくる程度であった。左側には今回の降雪でできたばかりの雪庇が連なる。何時もスキーを履く斜面も潅木が多く感じた。
 12:36十文字ノ池を通過する。流石に池は埋まっていたが、やはり雪は少ない。風があり休んでいる気がしない。12:38-40歩きながらお握りを頬張る。例年は良いスキー場になるのだが、雪が少ないので尾根が狭く感じる。
 高度を上げていくと亀裂が入るようになる。スキーで滑降したらたちまち雪崩に襲われそうである。カンジキにして良かったと思った。13:36左から大きな尾根を合わせる。山頂に至る尾根には雪庇が殆ど見当たらない!
 13:47-53西俣ノ峰山頂に到着する。枯松峰方面はよく見えない。上ノ境方面も見えない。勿論杁差岳も見えず、風だけが吹いている。記念写真を撮り、そうそうに下山とする。
 13:58左の尾根に下る。何気なくついたストックの先から亀裂が走った。掘ってみると20cm下に弱層が認められた。左斜面には新しい表層雪崩の跡が見えた。さらに数歩下ると再度亀裂が走った。周囲を見ると、尾根筋から若干左にずれている。慌てて尾根上に移動する。
 14:20十文字ノ池を通過し、14:34枝尾根に入る。岩場を過ぎた所で下を見ると、何時も登っている雪の斜面が小雪のため潅木が露出して光景が一変していることに気がついた。登る時に違和感を感じたのはこのためであった。
 14:48取り付けに降り立ち、14:58民宿奥川入を通過、15:05川入荘に到着した。

今回のコース
下越山岳会の皆さん 倉手山 スノーシューのトレース
倉手山全景 登ってきた尾根
兎ダナイと下ノ境 風でトレースが消える
十文字ノ池 雪庇は小さい 西俣ノ峰山頂が見えた
吹き付けを見下ろす ここを登ると左から尾根を合わせる 山頂方向には雪庇が殆どない
山頂直下から上ノ境方面 枯松峰方面 西俣ノ峰山頂にて
枯松峰方面 山頂のブナ林 山頂にある下降ポイントの木
吹雪がひどくなってきた ストックから亀裂が入る 亀裂を掘ってみた
すぐ脇には表層雪崩の跡がある 雪崩のデブリ 黙々と下る
スキー不適 雪庇は新しい 十文字ノ池
枝尾根に移る 枝尾根には雪がない 快適に下る
岩場にはロープが露出していた 何時もなら潅木は埋もれている筈 取り付きまで降りて見上げる
民宿奥川入