登山者情報1074号

【2007年04月28日/大境山/井上邦彦調査】

 集落の方々と道路清掃を終えて帰宅し、予定の山に向かおうとした時に電話があった。内容は「今日の山は中止」とのこと。さてどうしたものか考え込んだ。稜線に行くには時間が遅すぎる。そこで手頃な山として大境山にひとりで登ることとした。
 登山口は中田山崎のバス停であるが、国土地理院の地形図には田中山崎と誤植されている所だ。08:04道路脇の駐車帯に車を停めて護岸された沢の右岸を進むと、「大境山」の標柱がある。ここで左折し水路沿いに行く。道端にはキクザキイチリンソウ・エンゴサク・ショウジョウバカマ・スミレサイシンが咲いている。特にショウジョウバカマの元気が良い。
 2本目の標柱で水路を跨ぐとすぐに沢の左岸に出る。一箇所ぬかるみがあるが長靴なので平気だ。右岸に移るとオウレンが咲いていた。今年始めての花旅になりそうだ。
 尾根をひと登りすると傾斜が落ち、タムシバ・マンサク・ムシカリ・イワウチワ(満)・シバザクラ・カエデの咲く雑木林になる。ブナ新緑が眼に染み込む。
 08:33尾根が細くなり急になった所で、右の沢に行き水を汲む。08:39雪が次第に多くなり夏道が分からなくなる。赤布のある所でGPSを確認すると全くログが取れていない!
 眼鏡がないのでよく見えないが、あちらこちらを動かしているうちに、ログをオフにしているらしいところを見つけた。08:48歩き出すが、どちらに行くのか分からない。よく探すと左に向かっているらしい道?を見つけた。雪に埋もれている沢を渡る。この先は藪がありそうなので尾根を直上すると、道が数箇所見つけた。
 09:06上に岩場がありちょっとした緩傾斜がある。ここはいつも迷う所だろう。以前このまま直登して藪を漕いだ記憶がある。ブナ林と尾根の潅木の間の雪面を、左に斜上して行く事にする。雪が硬い。デフ布を見つけたので近づくと道のようだ。道かどうかは迷うレベルであるが、若干登ると09:15尾根上の道に出た。
 09:23県境に出ると平坦な潅木が雪の上に現れている。小雨がぱらついたが気になるほどではない。多少矮化したブナ林のある大セド峰に向かい、小沢を隔てて大境山を見上げる。
 尾根沿いに登ると藪もありそうなので、いったん沢に下って真ん中の尾根を登る。09:40スパイク長靴のキックステップにしては硬い雪だ、ピッケルを出す。左境には部分的に夏道ありそうだが、藪化している筈だし、面倒なので正面の雪面を直登し、右手の尾根に上がった。
09:46日本海が見えた。光兎山も確認できるが、朝日連峰は霞んで判然としない。09:58平坦な尾根上になると、いきなり杁差岳が眼前に現れた。千本峰から上は雪道のようだ。
 10:04〜29大境山々頂に到着する。山頂の三角点周辺だけが雪がない。風を避けて裏側に行くと窪地がある。藪を分けてみると、窪地の中に角材や板が積まれていた。朽ちてはいるが、もしかすると簡単な小屋でもあったのだろうか。それにしてもこんな所に・・・良く分からない。
 ODDと無線が繋がった。天狗平までの一般車両通行が4月1日か2日に早まるかも知れないとのことである。下山してから確認することにした。
飯豊の主稜はかろうじて見える程度、食料はお握りしか持ってこなかったので、早々に下山することにした。
 急斜面をグリセードで下り、10:54県境分岐を通過する。11:00尾根から右へ下り、来たルートを辿る。何度がトレースを見失うが、11:09トラバース地点に着く。このまま下ると良いブナ林があるが、今回は登山道を歩く。暑くなって来たので服を脱ぎピッケルをザックに付ける。ここから下はブナが萌えている。
 11:25-31のんびりと食事を取り、花々の写真を撮りながら下り、11:45車に戻った。

酒屋脇の沢沿いに進む 標柱がある ショウジョウバカマ
水路沿いに進み標柱から右折する オウレン ムシカリそれともバルタン星人?
ブナの花 オクチョウジザクラ? 雑木林を進む
尾根が細くなり登りになる イワウチワ 雪が出てきた
飯豊連峰上部は雲 ここから左に斜上する ここが登山道
尖ったピーク 県境に出る 枯松山
大境山を仰ぐ 倉手山
右はオオセド峰 海が見えた
北に続く県境 鳥の巣があった 右斜面を登る
杁差岳 飯豊山 山頂が見えてきた
パノラマ 大境山々頂は露出していた
山頂の窪みには小屋の跡? 権内尾根全景
前杁差岳の登りは雪に覆われている 千本峰 二王子岳
大石ダム 杁差岳 地神山と頼母木山
烏帽子岳方面 山頂にて筆者 下山とする
枯松山と主稜を振り返る 光兎山 夏道は藪化が進んでいる
ここからグリセードで下ることにする グリセードの跡 いったん小沢に下る
降りてきたルートを振り返る ここから右に下る ダイグラ尾根
朝日連峰 ここを斜めに下る
夏道が出てきた イワウチワ リョウブ
タムシバ ムシカリ マンサク
キクザキイチリンソウ オオバキスミレ
今回のコース