登山者情報1089号

【2007年06月17日/足ノ松尾根〜杁差岳/木内茂雄調査】

【タイム】
胎内ヒュッテ4:00〜4:35足ノ松登山口〜5:20姫子ノ峰5:28〜6:00滝見場〜6:25水場〜7:33大石山7:46〜8:24鉾立山〜8:50杁差岳9:13〜9:50鉾立山〜10:40大石山10:46〜11:25頼母木小屋11:50〜12:17大石山12:25〜13:00水場〜13:27滝見場〜13:50姫子ノ峰〜14:25登山口〜13:10胎内ヒュッテ
【記 録】
 快晴と確信して2時起きして、途中のコンビニで朝食を済ませ、胎内ヒュッテ前出発が予定通り。
 夜も明け空は青空、チエーンのゲートの横をすり抜けて舗装道路を気にせず歩く。17分も進むと舗装は終わり砂利道になる。35分でこの道から左折する登山口に着き、ブナ林に入って行くと数分で道は急登になる。何年か前に来た時は、測候用のロープが固定されていて、邪魔な存在であったが、今は殆ど無くなっている。
 姫子ノ峰からは、快晴の朝日が峰、峰を照らし、大石山も遥か向こうに尖って見える。更に樹林帯を進むと何処かでギンリョウソウ、ヤマツツジ、チゴユリ、ムシカリ、ナナカマド、ウコンウツギ、ほぼ終わったカタクリ、ムラサキヤシオを見つける。
 やがて、日が大石山から顔を出し始め朝日が降り注いで来るので、眩しく、足元を見るのが大変になる。この頃になり、振り返ると常に二王子岳が眺められる。一寸した窪みに残雪が有り、真っ直ぐ水場、右折れが登山道で、標識が無ければ真っ直ぐ進んでしまう。これは、下山時も同様間違い易い。途中にヒメサユリが有る筈なのだが面影を見る事無く大石山に着いた。此処に来ると登山客の往来が目立ち、熊スプレイは不要とザックに仕舞う。
 まず、鉾立山に向かうと直ぐ下りになるが、此処から期待してきた、ハクサンイチゲ街道が始まり、他の花が霞んでしまう。杁差岳まで、イチゲばかり何十枚と撮りまくった。話には聞いていたが、まずは“百聞は一見にひかず”と表現するだけで十分だ。
 勿論、そのほかの写真も撮ったのは言うまでもない。思い出すままに、ハクサンチドリ、エチゴキジムシロ、ミヤマカラマツ、コイワカカミ、ミツバオウレン、チングルマ、シラネアオイ、ミヤマハタザオ、キスミレ、じきに咲くマイヅルソウ、コバイケイソウ、等、そして、杁差小屋周辺にはミヤママツムシソウとニッコウキスゲの葉が目立つ、シーズンには良いお花畑になるだろう。それから、何処かで既にミヤマリンドウが一輪咲かせていたのと、ナデシコ、ウスユキソウの葉を見つけた。相変わらずの快晴なので朝日連峰、吾妻連峰、遠くの山々が見えているが、花に夢中で眺める余裕が無い。
 大石山に戻って来ても、まだ、時間が早いので頼母木小屋まで足を伸ばす。少し下って行くとイチゲの群生が見られるのと、ニッコウキスゲの葉の群生が見られる。何れはお花畑だろうと思っていると、間もなくそれは、無くなり、笹が多くなり花はほぼ無い状態で頼母木小屋に着く。トイレは足漕ぎ式の新しいものになっていた。天気は相変わらずの快晴で、日影にはいらないと暑い。大石山に引き返し、登山口へと只管下るが、道がかなり下まで続いているのが見える。太陽に照らされ続け、初めて森林限界が大分下だと気づく。下りでも喉の渇きを感じ、真夏の日中には登りたくないとつくづく思う。森林限界に入って、さらに思ったのは、こんなに急登をしていたのかと驚く。体力も年々衰えてきているのを感じるのでミスをしない様慎重に降りる。(昔はカモシカの様に飛び降りたのに・・・・・。)
 姫子ノ峰に着いて、大石山を振り返ると、朝見たときと違って、遥か向こうに見える。マラソンの有森さんではないが、良く登ったと自分を褒めてやりたい。
 今までの登山で、行動中に水を飲んだことは無かったが、今回は二回ばかりお茶を飲んだ。そして、登山口に降りて7分の処に有る水場で飲んだ水の美味かった事。そこから胎内ヒュッテまでの太陽の暑かったこと。

ギンリョウソウ 姫子ノ峰
姫子ノ峰より大石山を見上げる 大石山
大石山にて左杁差岳、右遠く朝日連峰 鉾立峰より杁差岳を望む
鉾立峰より大石山、頼母木山、地神北峰を望む ハクサンイチゲと杁差岳、小屋
ハクサンイチゲの花畑と飯豊本山、地神北峰 ハクサンイチゲと後方二王子岳
ハクサンイチゲと後方二王子岳 ハクサンイチゲと後方二王子岳
杁差岳より朝日連峰を望む ミツバオウレン
コイワカガミ ハクサンチドリ
チングルマ ハクサンイチゲの群生
ハクサンイチゲの群生 エチゴキジムシロ
シラネアオイ 頼母木小屋のトイレ