【2007年07月01日/大日杉〜御坪/井上邦彦調査】
7月1日は河川愛護デー、06:00-07:30まで近くの川床の刈り払いを行う。朝食を取り自宅を出発する。お握りを買う時に水筒を忘れてきたことに気付き、ポカリスエットを購入する。
大石沢(胡桃平)を過ぎた所で脱輪して亀の子になっている車を発見、集落まで戻って応援を頼み、何とか脱出に成功。携帯電話が通じない所での脱輪は不安なものである。
車道終点は車が溢れていそうなので、直前の駐車場に車を止める。自宅からここまで41.1kmであった。
小屋に顔を出すと伊藤吉郎氏は今朝帰宅したとの事で、高橋君が管理をしていた。小屋から五段山方向に向かい、破損している吊橋の状況を確認する。上の2本のワイヤーはしっかりしているが、踏み板を支持するワイヤーが破損し、踏み板が何枚か垂れ下がっていた。これでは足場が無くて渡れず、沢を徒渉するしかない。今日は何とかなりそうだが、少しでも増水したら渡れない。
小屋に戻って上着を脱ぎランニングシャツ姿になって、10:03登り始める。とにかく暑い。鎖場を登って、10:20ザンゲ坂の菱型標識で一息つく。汗が滴り落ち、頭がくらくらする程だ。
時折吹く風が心地よい。下刈りをしたばかりのようで支障木がまだ青々としている。今日は何時もなら稜線にいる時間に歩き始めた。よくバスなどで来て、それから歩き始める人がいるが、彼らの苦労を改めて感じる。
尾根の傾斜は梶川尾根などを歩いているせいか、緩く感じるが、とにかく暑い。地蔵岳まで行ってきた方々とすれ違う。
10:37長之助清水、菱型看板の文字は消えているが、左に下るトラロープがあり、耳を澄ますと水の音が聞こえてきた。
10:42御田、やや傾いた標柱が立っている。左手の池は既に干上がっている。大きな杉の根元に小さな石碑がある。下ってきた時に御田の上で左右どちらの道なのか瞬間迷うかもしれない。
サウナに入っているようだ。滝のように汗が流れおち、前屈みで歩いているのでランニングシャツの腹部だけが濡れている。
春ゼミが賑やかだ。足下にはギンリョウソウが目につく。10:55尾根を左に巻くが、残雪期に迷いやすい所だ。
10:04-07携帯電話が瞬間的に鳴った。確認すると山都の平野さんである。フォーマからムーバに切り替えて電話をすると、今日は本山小屋等の荷揚げとのことである。三国岳と地蔵山の鞍部だけは見えるが、その上は雲に覆われている旨を伝える。アカモノが咲いている。
11:16立ち枯れたブナ、ここは以前に水場へ下った所である。思い出したように無線を開いた途端に、AQLが出てくれた。彼は天気予報を見て登る山を急遽こちらへ変えたという。視界が開けず、御坪で2時間粘ったら一瞬晴れ、今は下山の途中とのことだ。
オオイワカガミ・マイヅルソウが咲いているが、タニウツギは赤味が強く印象的である。男性1名女性2名とスライドする。
11:28滝切合を通過するとブッシュの音が聞こえてきた。男性2名、女性1名が写真撮影をしていた。道刈りの方に道を譲っていただき、を追い越す。ガスの中に入り、気温が下がってきた。オオイワカガミ・アカモノ(盛)・マイヅルソウが咲いている。
11:38空腹になってきたがもう少しで山頂と思いそのまま登る。ヒメサユリが出てきた。ハクサンチドリ・ヤマトウバナ・エチゴキジムシロも加わる。
11:47地蔵岳山頂の広場には3人が休憩しており、三角点からも何人かの声が聞こえてきた。若干下り、11:50-01風通しの良い所で食事を取っていると、岳人長井の奥山さんが登ってきた。言葉を交わしスライドする。さらに1人とスライド。
ガクウラジロヨウラク・カラマツソウが咲いており、道刈りはヒメサユリだけを残して綺麗に刈っている。道刈りは3名で同時に行っているらしい。
右の地蔵清水に下ってみる。シラネアオイが咲いている。上から行くと足場が良くない。はっきりしない下の入口の下流で充分な融雪水が取れる。登山道に戻るとオオイワカガミ・ミヤマキンポウゲが咲いている。
12:08-12:18、AQLと会う。キウイを御馳走になり、四方山話。地蔵岳から目洗イ清水の間、ヒメサユリの花が摘み取られて殆どない、目洗イ清水から先は盛りとのことである。平野さんに電話をして先に進む。登山道脇のハクサンチドリは背が高いものが多い。
登山道の右側に斜めに切断した木っ端に「語らいの丘」と彫った標識があり、背後には飯豊山が聳えていた。シロニガナ・ツマトリソウ・ニッコウキスゲ・オオバキスミレが咲いている。
AQLの言うとおり、ヒメサユリの花の先からもぎ取った痕跡が沢山ある。眼鏡がないとよく見えないので、切断面を撮影して後ほど分析することとした。
12:47目洗イ清水を通過する。標柱は倒れている。雪が豊富で勢い良く融雪水が流れているようだし、清水も使えそうだ。しかし残雪を降りる所が急なので危ない。使用する場合は充分な注意が必要だろう。
本山往復の登山者とすれ違うが、彼も地蔵岳と目洗イ清水の間のヒメサユリが異常に少ないのを気にしていた。
目洗イ清水を過ぎるとヒメサユリは一転して盛りである。まさにヒメサユリロードである。ムラサキヤシオが咲いており、また暑くなってきた。登山道は所々掘れた道の脇に移動しているようだ。ナナカマド・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウ・マイヅルソウ・ムシカリが咲いている。
ダケカンバが出てきた所で道刈りをしている方に会う。ハクサンチドリの群落が凄い。13:16御坪を通過する。
13:20展望の開けた所を今日の終点と決めた。平野さんに電話をして雲が全くなくヘリの条件が揃ったことを告げた。
ラーメンを煮ようとして、ポカリスエットはあるが水がないことに気付いた。仕方なくソーセージを齧りながら缶ビールを開ける。切合から下山してくる2名が見えた、残雪で苦労をしているようだ。
山々を眺めているうちに、残雪の上にある黒い点が僅かに動いていることを見つけた。熊?暫く注目する。そのうち黒い点が細長くなって激しく頭を振る動作を始めた。この時点でこれは熊ではなく、雪上に出た潅木だろうと判断した(帰宅後写真を見て潅木と確認)。
白川側からガスが湧き始めた。帰宅時間も考慮し腰を上げ、平野さんに電話をして天候状況を報告、14:13下山を開始した。
14:28目洗イ清水通過、本山方面が曇ってきた、私の周囲もガスに包まれてきた。14:43語らいの丘を通過する。14:51ヘリの音がして本山に荷物を降ろしている様子を目で確認し、安心する。
15:18地蔵岳山頂、三角点までの道は藪になっていた。ガスで本山は薄くなっているが、ヘリは飛んでいるし向こうは大丈夫なのだろう。遅くなって来たので小走り気味に降りることにした。
15:20滝切合通過する。休んでいた3名男性を追い越す。15:25昔の水場通過、15:34右に巻く所を通過、15:40御田杉通過する。
15:45長之助清水で道刈りの方に会う。さらに下って追い抜いた道刈りの肩に話を聞くと、道刈りは年に今回1回との事、上の方は雪があるので伐っていないとのことである。
15:54ザンゲ坂、16:03大日杉小屋着。小屋を除いたが誰も居ないようす。16:06駐車場に到着して今回の山行を終えた。
今回のコース |
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大日杉小屋の登山届出所 | 五段山コースの吊橋 |
悲惨な状況だ | 長之助清水 |
ギンリョウソウ | タニウツギ |
アカモノ(イワハゼ) | 薄っすらと草履塚が見えた |
地蔵清水、上の入口 | シラネアオイ |
地蔵清水 | 地蔵清水、下の入口 |
ハクサンチドリ | 茎を切断されたヒメサユリ |
切断面 | これは途中からちぎっている |
花の一部が残っている | 花の途中から先がない |
これも切断面 | 「語らいの丘」の標識 |
タニウツギ | 目洗イ清水 |
水場への道は残雪に覆われている | 目洗イ清水の広場からみた飯豊山 |
ここからヒメサユリ街道が始まる | ムラサキヤシオ |
ヒメサユリを残して道刈りをしていた | ヒメサユリ |
満足 | 一面のヒメサユリ |
ヒメサユリの笑顔 | 御坪 |
御秘所 | ヒメサユリ |
ヒメサユリ | 種蒔山と切合小屋 |
休憩地からの展望 | |
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御沢コース | 御秘所 |
登山道を下ってきた登山者 | 筆者 |
ハクサンシャクナゲ | ヒメサユリ |
ハクサンチドリ | アカモノ(イワハゼ) |
古い掘れた道の脇に新しい道 | エチゴキジムシロ |
3枚の大きな葉の下に2枚の小さな葉が特徴 | 花の拡大 |
マイヅルソウ | ミヤマシキミ |
地蔵岳山頂 | 長之助の松 |