登山者情報1103号

【2007年08月11日/荷上げ:大日杉〜飯豊山/井上邦彦調査】

 今回は8月31日〜9月2日に行われる登山道整備実証試験に使用する緑化ネットの荷上げを行った。メンバーはHZU・戸田・今野・KEBの4名である。
 大日杉小屋に到着すると、前泊していた今野・KEBと岡村さんが出迎えてくれた。岡村さんは個人山行のついでに1/2枚(9kg)を担ぎ上げてくれるとのことである。ありがたく申し入れを受け、お願いする。
 05:16戸田1+1/2枚+スコップ、今野1枚、井上1枚+ツルハシ、KEBが1/2枚として、大日杉小屋から登り始めた。
 05:36-40ザンゲ坂上でKEBの荷を1/4枚に減らし、今野を増やした。まだ時間は早いというのに汗が滴り落ちる。
 06:05-17長之助清水で水筒を忘れてきたことに気付き、KEBから1個借りる。清水を組みに行くとパイプの先端から順調に出ていた。先ずは腹ごしらえ。
 06:50-07:00休憩を取る。KEBは回復したが、戸田が遅れ気味になる。07:23-35滝切合で食事を取り、08:09地蔵岳はそのまま通過する。センジュガンピが咲いている。
 08:50-09:37木陰にザックを置いて目洗イ清水を汲みに行く。降って僅かに登るとパイプの先から水が出ていた。戸田の遅れが顕著になって来たので、1/4枚をKEBに移す。
 コキンレイカ(盛)・タカネマツムシソウ・ミヤマコウゾリナ・ヤマトウバナ・ミヤマアキノキリンソウ・コゴメグサ・シオガマギク・タカネヨモギ・タカネツリガネニンジン・ウメバチソウ(盛)・ミヤマママコナ・ギボウシ・ヤマトウバナが咲いている。
 10:12御坪を通過する。少し曇り始めた。オトギリソウ・ミヤマホツツジ・ウメバチソウ・タカネツリガネニンジンが咲いている。御沢を遠望すると、雪渓は途切れ途切れになっている。
 10:19-35御沢分レで休憩する。タテヤマウツボグサ・ミヤマセンキュウ・左下にニッコウキスゲが咲いている。
 11:03-35水場で生き返る。ミヤマリンドウ・ハクサンコザクラ・チングルマ・モミジカワマツ・イワショウブ・コバイケイソウ・ウサギキク・ハクサンボウフウが咲いている。
 昨年まで荒れていた登山道の笹がきちんと刈り払われていた。11:45小屋の水場の沢を渡る。登山道の雪は消えており、上に雪が残っている。稜線に出た所でザックを置いて、昨年施工した整備の様子を見に行く(登山者情報第1050号)。排水路が充分機能しており、笹の砂防ダムには砂の堆積があまり見られなかった。また新道は頭が軽くなった笹が起きているので、再度刈り払う必要があると感じた。
 11:57切合小屋で佐藤さんと長谷川さんに挨拶をして、御西小屋を目指す。稜線はタカネマツマツムシソウが最盛期に入っている。ミヤマアキノキリンソウ・ヤマハハコも咲いている。
 12:29-48草履塚山頂で道刈りをしていた平野さんと会い、しばし話し込む。雲が取れ始める。ヒメシャジン・ミヤマアキノキリンソウ・シラネニンジン・ヤマハハコ・ハクサンフウロ・イタドリが咲いている。
 13:00姥権現を通過する。ハクサントリカブト・タカネマツムシソウ(盛)・テツ・ヒメシャジン(盛)・コゴメグサ・ムカゴトラノオが咲いている。
 13:20-34御前坂手前の標柱で、御西小屋のIWUに「予定を変更し、本山小屋から戻る」旨を伝える。
 14:00-14一ノ王子で一息つけ、14:21-15:11ようやく本山小屋に到着する。小屋から山都町ガイド協会の福島さんが顔を出してくれ。彼女とは久々の再会である。土曜日なので小屋の管理は2人体制になっているのだろう。管理人として常駐している高橋さんは次々と訪れる登山者の整理に忙しそうだ。高橋さんと相談して緑化ネットを置く場所を決める。山小屋管理の話になると立ち話が長くなる。
 荷物を降ろすと、身体の感覚が変わる。一歩一歩身体が浮いてしまいそうだ。御前坂を降っていると、登ってきた岡村さんと会う。岡村さんは今日本山に幕営し、明日緑化ネットを御西小屋まで運んでくれるとのこと、頭が下がる。
 15:32御前坂の下を通過する。草履塚を降る途中、16:08-14左手の融雪水を汲んで休憩。生き返る。その後、切合小屋に挨拶をして通過する。
 登る時に休んだ沢でお花畑の真ん中にテントを張り、高山植物の上に座りこんでいる2名を見つけ、「そこは弱い植生なのでテントを張らないでいただきたいのですが」と話しかけると、「それじゃ何処に行けというのか」と尋ねられたので、「すぐに切合小屋がありますので」と答えた。「もう飲んだから動けない」、「明日朝早く出るから」と全く動く気がない。仕方なく「写真を撮っても良いですか」と言うと、「どうぞ」と答えたので彼らがお花畑でどのようなことをしているか撮影した。さらに「環境省と営林署(森林管理署)に連絡することになりますが」と言うと、「どうぞ」。本当はここで休むのを楽しみにしていたのだが、こんなに気分の悪い連中の近くには居たくない。そうそうに通過した。
 17:13御沢分レを通過し、17:16-28ダケカンバの根元で休憩して食事を取った。17:31御坪通過、17:57目洗イ清水を通過する。日は飯豊山の裏に沈んだ。18:10-24騙シ峰(仮称)を越え、18:43-54地蔵岳で最後の食事とする。ヘッドランプを準備して降る。KEBがやや遅れ気味になる。
 19:54御田杉を通過し、19:58長之助清水、20:17ザンゲ坂上。20:39やっと大日杉小屋に到着し小屋番に挨拶。明日、緑化ネットを上げてくださる
 の件をお願いして、帰宅した。

長之助清水 これから歩く尾根 地蔵岳を越える
目洗イ清水 頭に水をかける 水場から登山道を見上げる
ノウゴウイチゴ 黙々と登る ダケカンバが出てきた
御沢方面 雪渓は断続している 尾根にルートを取る
荷物が重い 小沢を渡る 帰途ここに幕営している者がいた
笹が綺麗に刈り払われている 小屋の水場を横切る 上には雪が残っている
昨年の施工場所 新道の笹が立ってきた 流水路は機能している
笹の砂防ダム 砂の流入は泊まっている 切合小屋のトイレ
蒸散部 草履塚で平野さんに会う 御秘所
草履塚を振り返る 風が心地好い 荷は重い
御前坂を登る 最後の頑張り それにしても重い
ようやく登り着いた 飯豊山神社(本山) 3人で記念撮影
筆者も 大日岳が姿を現した 五ノ王子
降り始める 荷が軽い 岡村さんとスライドする
快適に降る 羽が生えたようだ 御秘所にて
爽やかな風景 御秘所 ハクサントリカブト
ヒメシャジン 御前坂を振り返る 何時もの眺め
大日岳 草履塚にて 時刻が気になり始める
チングルマ
融雪水を取る 冷たい〜 マツムシソウが満開
飯豊山に日が沈んだ 地蔵岳を見上げる ライトを点ける
真っ暗になってきた ザンゲ坂を下る