登山者情報1110号

【2007年09月09日/梶川尾根〜丸森尾根/井上邦彦調査】

【09月08日】
 イッチャンの呼びかけで、緑化ネットの荷上げ作業が行われることになった。台風の影響で一時は実施が危ぶまれたが、天気予報は晴れ!
 当日、私は仕事の関係で参加できなかったので、品物の準備をして05:00頃に天狗平に着いた。既に何名かが到着して準備を始めていた。荷物は先着順に選んでいただいたが、大量の荷物は瞬く間になくなり、後で融通をしあっている方もいた。
 パッキングが出来たと時点で、登山届出所前にて全員で記念写真を撮影した。今回の参加者は、イッチャン・本間さん・山際さん・金田さん・目黒さん・kennrokuさん・MHさん・星さん・トシボーさん・りゅうさん・齋藤さん・山本君(小国山岳会)の計12名である。私は皆さんが梶川尾根登山口から登るのを見届けて帰宅した。
 これで私の手元にある緑化ネットは全てなくなったとほっとしていたら、赤帽さんが来宅、緑化ネット6枚・・・さらに夕方に帰宅すると、土嚢袋が50枚届いていた。
全員集合 これから出発で〜す
荷上げ品を担いで、いざ梶川尾根へ

【09月09日】
 04:00に目覚ましの音で起床。すぐにPCの電源を入れ、立ち上がる間に山道具を適当に出す。天気予報を確認し、緑化ネット等と山道具を車に放り入れ、コンビに経由で天狗平に向かう。
 途中、無線で私を呼んでいるような気がしたので、車を停めて波を出そうとするとバッテリー切れ、乾電池を入れ替えて波を出してみるが反応なし。ここで私は重大な誤りに気がついてしまった。準備していた背負子が車の中に入っていないのである。確かに今朝、背負子の不具合ないか確認した記憶はあるのだが・・・車に入れ忘れた!
 登山届出所に行くと、既にkoizumiさんが待っていてくれた。昨夜、緑化ネット1枚と土嚢袋50枚が同じ重さなのを確かめていたので、土嚢袋25枚をお願いすることにした。
 すると「申し込んではいないのですが・・・」との声、荷上げをしてくださるとのこと、すかさず残りの土嚢袋をお願いする。
 イッチャンには05:00から05:30まで天狗平にいるから、希望者がいたらお願いしますと伝えている。従って私はここにいなければならない。そこで道路に緑化ネットを敷いて裁断作業を始め、4分の1を2個、2分の1を1個つくり、ビニール袋に入れて登山届出所の中に入れ、伝言を貼り出して帰宅することにした。
 再度、天狗平に到着して荷造りを始める。天気予報では雨が降りそうもないので、今回は1.5枚とビニール袋なしのむき出しとした。その上に小さなザックとピッケルを1本上げる。足回りはスパイク地下足袋とした。梅花皮小屋まで運んだら、そのまま石転ビ沢を降るつもりである。しかし出発時刻が遅れているので、丸森尾根を降るか、気持ちは半々である。
 06:51天狗平から歩き始める。最近は軽い荷物しか担いでないので、結構肩に来る。道脇にはミヤマママコナが連なっている。松と松の間を通る場所では、荷物が幅広いので通れない。学生時代に担いでいたさかいやの超特大キスリングを思い出す。07:26楢ノ木曲リを通過する。蒸し暑く滝のように汗が滴る。鐘の音が上から聞こえ、間もなく2人の登山者を追い越す。
 07:47オソ場(仮称)を通過する。ここは尾根が二重になった窪地の中に登山道があり、数個の石が足を置くように配置されている。昔、ここはオソという熊を圧殺する罠を仕掛ける場所であり、石は圧殺用に罠の上に置くため、集めたものである。ということは、昔からここは熊の通り道であるということでもある。このような謂れを元に、今回から私の一存で「梶川尾根のオソ場」と仮称することにした。私が勝手に仮称している地名はあちこちにあるので、登山者情報を読む方は承知しておいて欲しい。
 例えば、楢ノ木曲リは尾根が合流し、登山道の方向と傾斜が変わる休憩ポイントであり、大きな楢(ナラ)の樹の間から、真下に登ってきた登山道と飯豊山荘が見える。
 三本カンバは、以前に私が2月に単独で北股岳登頂を果たし、下降してきた時に誤って右にルートを取り、生えていたダケカンバに見覚えがなかったので、ルートを間違えたと判断し登り返した場所である。数本のダケカンバが生えており、登っている途中も良い目印となり、急登を終えて斜上にかかる絶景の休憩ポイントである。これ以上の説明は、小屋で同宿した時の酒の肴にする。
 07:52-08:03尾根上に楢が生え右下にブナ林のある場所で食事を取る。ここも私の好きな休憩ポイントであるが、あいにくと風がない。服は簡単に絞れる。上半身裸になり、腰バンドも外して水を多めに飲む。先ほどの二人のうち、女性の方はやや疲れ気味のようだ。
 08:17湯沢峰ノ肩でいったん登りは終わる。荷は重いが足は軽い。08:28湯沢峰を通過する。08:34鞍部からはまた登りが始まる。時折むき出しの緑化ネットに木の枝が引っ掛かり、後ろに引かれる。
 09:03滝見場に着くが、梅花皮沢方面のみがガスに覆われ石転ビ雪渓が全く見えない。予定ではここから雪渓を観察して下山ルートを決めるつもりだっただけに、石転ビ沢に向かう気力が小さくなりかける。
 09:06-19日陰で荷物を降ろし食事とする。歩き始めて程なく、何となく背中に当たる部分がある。荷の重さがあるし、まだ先は長い、09:29腰バンドの配置を直す。
 洗掘され、両手を使って這い上がる箇所が増えてくる。軽い荷物の時は、なんで皆は苦労しているのか理解しにくかったが、何となく分かった気がした。下山者2人とスライドする。
 09:55-10:07五郎清水で登りの女性2人が休んでいた。水筒を手に水場へ下ると、奥の水場は草薮になっていたので、手前のホースで水を汲み頭から被り、10:02戻った。
 この上も急登が続く。下山をしていく方が「ご苦労様です」「ありがとうございます」と声を掛けてくれる。何となく嬉しい。
 10:36三本カンバでも視界はなかった。この頃から缶ビールがちらつき始めた。11:04-23梶川峰到着。扇ノ地紙方面のガスが切れてきた。ここまで来れば急登はない。いきなりビールを口に入れると喉がつかえるので、水でうがいをしてから、缶ビールを開ける。一気にごくごくと喉を流れる。食事をしながら気が抜けたようにのんびりと時を過ごす。先ほどの女性達は随分先に行ったようだ。
 11:34ケルンを通過する。登山者とスライドする。お互いの写真を撮りあって分かれる。下ってきた登山者がkennrokuさん達?が門内小屋にいると教えてくれた。途端にペースがやや速くなる。
 12:03扇ノ地紙、12:08胎内山を通過し、12:19-13:14門内小屋に到着する。思ったとおり、kennrokuさんMHさん、koizumiさん、そして早川さんが小屋ないでくつろいでいた。Kennrokuさん達は昨日皆が上げたネットの大部分を梅花皮小屋まで運んでくれたとのこと。本番で門内小屋のネットをどのようにして梅花皮小屋まで運ぶか悩みながら登ってきただけに、これは嬉しいプレゼントだった。
 メンバーが揃えば、楽しい会話が弾む。門内小屋に皆がいると分かった時点で、石転ビ沢下山は念頭から消えていた。記念写真を撮ろうということになったが、窓の光が邪魔なので、ロープにかかっている毛布を利用して遮光した。セルフタイマーの間、イッチャンポーズを取り続けるのは、至難の業、足の筋肉が引きつりそうである。
 結局皆で丸森尾根を下ることになった。13:31扇ノ地紙を通過。登りに差し掛かり振り向くと、門内清水に立ち寄ったkennrokuさんとMHさんが追いついていた。ついつい荷が軽い時のペースになってしまう。
 13:50地神山の三角点は表土がなくなって随分基礎部が露出してきた。14:00地神北峰を通過し、本格的に降り始める。花は終わったが、草原の先端が色づき始めてきた。
 14:22-33丸森峰手前で休憩。春は素晴らしい所なのだが、流石に今は晩夏と初秋の狭間といった感じだ。丸森峰からは潅木の中、抉れた道を、わいわい賑やかに話しながらずんずんと高度を下げて行く。
 15:18-42夫婦清水は思ったより水量が多く、冷たさもまずまず。山が沢山の水を含んでいるのだろう。16:09に765m峰を通過する。眼下には飯豊山荘や天狗平ロッジの屋根が見える。ジャンプすれば届きそうに感じる。天狗平の標高は406mであるから、標高差360mの岩稜が続いている。途中、遠くで雷鳴が聞こえ、ぽつりぽつりと雨粒が当たる。カメラだけをパックに入れて、そのまま降る。
 16:39丸森尾根登山口に到着する。MHさんの提案により、全員でイッチャンポーズ。上の駐車場に戻り、車に荷物をつけ、解散。途中でスコールの襲来を受け、ワイパーフル稼働で無事に帰宅しました。

湯沢峰 五郎清水
手前の水場を使用した 梶川峰
今回の荷上げ品 扇ノ地紙が見えた
北股岳方面 登山者とスライド
門内小屋で、イッチャンポーズ 地神山の登り
背景は扇ノ地紙方面 扇ノ地紙
草原と頼母木山 処理された支障木
小さな秋を見つけた 急な登山道
夫婦清水
足元に気をつけて 急な登山道でイッチャンポーズ!
参加者のホームページ

いっちゃんのお部屋

めおとやま

自然を歩こう

絶景の彼方へ