登山者情報1152号
【2008年06月01日/梶川尾根〜丸森尾根/井上邦彦調査】
起床すると昨夜の荒天が嘘のように静かになっていた。昨晩の残骸で朝食を取っていると、女性陣がパックに詰めだした。これをそのまま今日の昼食にするらしい。めおとやまの二人は悠然と素麺を煮、野菜炒めを作っている。
ともあれ記念撮影をして、05:42天狗平ロッジ発。05:46梶川尾根登山口から取り付く。急坂に喘ぐが、後ろからヒメサユリが咲いたと賑やかな声が絶え間ない。道脇にはガクウラジロヨウラク・ヤマツツジ・オオイワカガミ・ヒメシャガが咲いて疲れを癒してくれる。スキーを担いだ単独の方が先行している。
06:20-30楢ノ樹曲リで飯豊山荘を見下ろしながら休憩とする。飯豊山荘は現在破損した屋根の修理中である。天候は予報を裏切り、快晴!ムラサキヤシオ・タムシバ・ムシカリ・イワウチワ・ユズリハ・ナナカマドに見とれ、足元を見る暇がない。
06:49オソ場(窪地)を通過し、07:08急登を終え湯沢峰ノ肩に出ると、正面は青空のもとに主稜が広がる。マンサク・カタクリ・サラサドウダンが咲いている。
07:22-35湯沢峰で展望を楽しみながら2回目の休憩とする。湯沢峰からの降りは残雪を利用する。尻セードをする者、足スキーをする者、へっぴり腰でキックステップをする者、とにかく楽しみながら降る。
最低鞍部から登り返し残雪を渡って、08:10-20滝見場で休憩を取る。滝見場は一面雪で覆われている。ここでピッケルを出す。
チゴユリ・シラネアオイを見て、08:35-45埋もれている池で上を見上げる。先ほどの登山者は直登コースに苦労している様子だ。何時もなら同じように直登するのだが、滑落時の対応を若干教えると、不安を感じさせる方が複数名。とりあえずアイゼンを履くように指示をして、考える。
先頭をkonnchang(キックステップ)とし、私は滑落時に備えることとした。ルートは安全を優先し左上のブナを目指して登り夏道を探すよう指示した。夏道を登っている時にアイゼンが外れたので私は以後キックステップとした。潅木帯を抜けると再び雪上になる。左端に夏道があるので夏道近くを登るように指示した。この辺りも滑落すれば大事になる場所だ。
09:17五郎清水は完全に埋もれており、ここから夏道となるのでアイゼンを外させた。キクザキイチリンソウ・ショウジョウバカマを見ながら掘れた道を行く。
09:33雪に出る。見上げるとすぐ上が三本カンバだ。再度アイゼンを付けるように指示する。石転ビ沢を登っているPWDと交信する。皆が集まっているので行ってみると、喜多方のナベサンが下ってきたところだった。秋に行われる喜多方市案内人講習会での再会を約してスライドする。
09:47夏道に出て直登、09:53-05三本カンバで休憩をする。展望は申し分がない。イワウチワ・ショウジョウバカマ・エチゴキジムシロ・ノウゴウイチゴを見ながらトラバースすると、トットバノ頭(カッチ)には何時ものとおり沢山の雪が残っているので視界がない時は下降に要注意だ。
ミネザクラが咲き、10:32梶川峰に到着する。先頭はケルンを目指しているので、後を追う。10:46-53ケルンにはミネズオウ・ハクサンイチゲ・ミヤマキンバイ・イワナシが咲いており、歓声が上がる。さっそく撮影大会となった。ここはこの辺りで一番早く咲く場所である。
広い草原にはバイカオウレン・ショウジョウバカマが咲いている。植生復元施工場所は雪に覆われている。
夏道を進み、雪を歩いて、11:40-13:10扇ノ地紙に到着する。さっそく宴会の準備が始まる。Obake改めbakemonoさんがストーブで昨夜のご馳走を加熱してくれた。時間と危険度を考えて、沢を下るチームと丸森尾根を下るチームに分ける。
誰となく雪上訓練をしたいとの話が出て、滑落停止の基礎訓練が始まった。結構、我流で登っている方が多く、基本的なピッケルワークは有意義であったようだ。
私達丸森チームはそのまま雪の上を下り、僅かに藪を漕いで、夏道が雪と接している場所から夏道に移った。
岩場に行くとハクサンイチゲやコメバツガザクラが咲いていた。13:44地神山々頂を通過する。ヒメイチゲが咲いていた。
14:00-09地神北峰で主稜線に別れを告げて下山を始めるとすぐに雪の上となった。雪上を斜めに下るが、何時しか滑落停止の訓練となっていた。最後に尻セードで一気に鞍部まで下り、濡れたお尻をミヤマカタバミ・シラネアオイに覗かれて、14:33-52丸森峰に到着した。
ここからは夏道を下るが、ツバメオモトが満開である。ミヤマカタバミ・イワウチワ・ムシカリがさいている。
15:10雪に出た所で下山してくる2人に追いつかれた。Tanaさんと言う方がイッチャンと私のホームページの愛読者とのこと、盛り上がって記念撮影となった。サンカヨウが咲いていた。
15:25森林限界通過して樹林帯となる。シラネアオイ・ムシカリ・タムシバ・オオイワカガミ・マイヅルソウと花々に囲まれてずんずん下る。15:51石楠花尾根(仮称)分岐には赤みの強いアヅマシャクナゲが咲いていたが時期は過ぎたようだ。
オオバキスミレ・エチゴキジムシロ・オオイワカガミ・サラサドウダン・マイヅルソウを愛でながら、16:05夫婦清水に到着する。付近は一面雪に覆われており、マルバマンサクが咲いている。ここでも雪遊びとなった。
16:20-33休憩を取ると山パパが何とメロンとオレンジを出してくれた。ここから先もチゴユリ、ウゴツクバネウツギ・ナナカマド・ヤマツツジ・ガクウラジロヨウラクに包まれ、ヒメサユリ(1輪)のおまけもついて、17:37登山口に到着すると、高橋会長とめおとやまが迎えてくれた。
梶川尾根の岩場を登る |
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ヒメシャガが咲いていた(楢ノ樹曲リ直下) |
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ユズリハの花 |
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倒木を越えて |
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ハウチワカエデ |
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アズキナシ |
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サラサドウダン |
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湯沢峰からの展望 |
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残雪を下る 後ろは梶川峰 |
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さっそく尻セードが始まった |
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恐る恐るキックステップ |
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今春始めてヒラタケを見た |
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崩壊した登山道を登る |
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やっほ〜! |
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滝見場にて |
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梶川峰に向かう |
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池でアイゼンを装着 |
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これからが正念場だ |
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急斜面のを登る |
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滝見場を見下ろす |
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下を見ないようにして |
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滑落すれば・・・ |
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三本カンバ直下も雪があった |
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喜多方のナベさんとスライド |
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石転ビ沢 |
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蟻のように登山者が見える |
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石転ビ沢上部 |
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ルート拡大図 中ノ島(草付キ)が露出している |
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梶川出合を見下ろす |
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見飽きない光景 |
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トットバノ頭(カッチ)も残雪で覆われている |
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飯豊山を背景に |
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梶川峰にて |
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