【2008年07月05日/大日杉〜飯豊山〜五段山〜大日杉/井上邦彦調査】
目覚まし時計が鳴る前に起きてしまったので、そのまま荷物をザックに入れ自宅を出発する。大日杉小屋を覗くと4人程度の登山者が朝食中であった。立派な登山届出所に入りノートに記載中、これが下山者カードであることに気付き、書き直す。
04:40登山者カードを投函して出発する。04:56「ザンゲ坂」標識はブナの木が朽ちたので根元に置いてあり、文字は読める。ここからは傾斜はさほどでない。05:03目当て場(仮称)から僅かな風があって助かる。
05:13「長之助清水」の標識はブナの木に取りつけてあるものの文字は消えている。05:19御田を通過する。標柱はしっかりしている。旧道は下から行く分は問題ないが、上から来る場合は留意したい。汗でズボンが濡れてきたので膝を布で縛る。ヤマツツジが咲いている。
05:32-42左に巻く所で休憩とし軽く食事を取る。FOMAのアンテナマークが3本表示されるもののメールの送信はできない。途中でスライドする筈のkenroku・ハイジさんは無線がないので携帯が唯一の通信手段である。なお今回の山行にはFOMAとMOVA(デュアル契約)を持参したが、結局FOMAのみ使用した。
05:56昔の水場を通過する。目印のブナは2本とも上部がなくなっている。ガクウラジロヨウラク・アカモノが咲いている。06:04正面に騙シ地蔵が見える。既に鍋越山より高くなっている。
06:10滝切合分岐の標識は倒れかかっているが、滝に下る道は藪なので間違うことはないだろう。ここで突然メール受信の音がした。確認をすると04:40発のメールである。ここまで事実上の圏外であるということだろう。御秘所は薄く見えるが、飯豊山はガスで見えない。
オオイワカガミ・マイヅルソウ・タムシバ・ムラサキヤシオ・ヤマトウバナ・ハクサンチドリ・タニウツギと花の種類が多くなってきた。06:22ヒメサユリが5本かたまって咲いていた。これからのヒメサユリ街道が楽しみである。
06:31-44空腹を抱えて地蔵岳山頂到着、食事を取る。ツマトリソウ・ミヤマキンポウゲが咲いている。ここではメール送信ができた。
06:50地蔵清水脇を通過する。残雪が豊富にあるが、末端では融雪水が取れることだろう。ナナカマド・オオイワカガミ・マイヅルソウ・ムシカリ・ミツバオウレン・シラネアオイ・キバナニガナ・シロニガナ・ガクウラジロヨウラク・ヤマトウバナ・ニッコウキスゲ・モミジカラマツが咲いている。
子犬を連れたジョギング風の外国の方?とスライドする。鶯が鳴き、タニウツギ・アカモノ・ハクサンチドリ。進むにつれてヒメサユリは良くなる。
07:14目洗イ清水を通過する。これまで横になっていたが標柱は立てられていた。清水のある左斜面は残雪で覆われている。藪を伝って下ることは可能だろうが、お勧めはしない。
サラサドウダン・ミツバオウレン・ムラサキヤシオ・ナナカマド・ムシカリ・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウが咲いている。蒸し暑い!
07:42-56御坪手前の何時ものダケカンバで休憩とし、食事を取る。携帯電話でblogに投稿してみる。スムーズに投稿できた。
07:57御坪を通過する。祠の周囲にもヒメサユリが咲いていた。ハクサンシャクナゲ・ハクサンチドリ(群落)・ガクウラジロヨウラク・ミヤマコウゾリナと目を楽しませてくれる。ヒメサユリはさすがだ。
08:09御沢分レ(分岐)から右に下る。すぐに右に下る道を無視しそのまま左に進み、08:12二つ目の小沢で水を汲んだ。さらに踏み跡があるが、ここで雪渓に出る。
今日の履物は普通のズック靴(ややきつめが後で悲惨な結果に・・・)スプーンカットを利用して登る。雪渓の最後は急になる。何時もは右側の斜面を詰めるのだが、正面の雪庇がみえないので、まっすぐに詰めることとした。ザックの中には短いピッケルを入れてきたのだが、ストックを雪面に突き刺し(故意にリングは外している、勿論ゴムカバーは使用していない)直登すると雪庇の亀裂が小屋水源地から続いていた。
08:37切合小屋に到着すると、長谷川さんと佐藤さんが小屋の清掃をしていた。下山時に立ち寄ると挨拶をしていると、目の前にkoizumiさんがおり、一緒に飯豊山に向かうこととなった。小屋にはすでに水が引かれていた。
小屋を出発すると、ツマトリソウ・ハクサンチドリ・ウズラバハクサンチドリ・マイヅルソウ・シロニガナ・ヨツバシオガマ・ミヤマハンショウヅル・オノエラン・マルバシモツケと花畑である。
草履塚の登りは、山頂直下のトンネルまですっぽりと雪に覆われていた。ズダヤクシュ・ミヤマキンポウゲを見て、09:00草履塚に着く。残念だがこの先はガス。
それでもヒナウスユキソウ・キバナコマノツメ・ヨツバシオガマ・ナナカマド・マイヅルソウ・ツマトリソウ・ダイモンジソウ・ベニバナイチヤクソウ・コケモモ・オヤマノエンドウ・カラマツソウ・ミヤマキンポウゲ・コバイケイソウと足元は満開である。
09:14姥権現通過、御秘所でblog投稿、09:22御前坂の標柱、御前坂途中でもblog投稿、09:47一ノ王子水場分岐を通過し、09:54本山小屋に立ち寄る。管理人は不在なのでそのまま進む。チングルマの大群落に歓声を上げながらblogに投稿、ゴゼンタチバナ・アオノツガザクラ・ハクサンボウフウを見る。
10:10-47飯豊山々頂に到着。時折青空も見えるのだが、雲につつまれたまま、ビールで乾杯をする。ここでもblogに投稿、これで今回は山行の実況中継が完成した。
本山小屋で管理人の高橋さんと言葉を交わし、下山を開始する。一ノ王子から左に下ってみたが、水場は完全に雪に埋まっていた。
御前坂を下って行くと見覚えのある顔が、何とハタノシャンである。12:00草履塚を通過する。下る途中で雪渓が二つに分かれるので、視界のない時は右の藪伝いに行き、やや急になる直前で右の夏道に上がるのが良い。この残雪上で今度は桃パパとスライドした。
サプライズの連続で、切合小屋に到着した時間は記録漏れ。小屋の中で長谷川さんと今年からペアを組んだ佐藤さんの息子さんからお茶を御馳走になる。今年は引水のホースが誰かに動かされたため、苦労したとのことであった。
表に出て、kenroku・マリチャン・ハイジ(御沢ではなく上の夏道伝いに登ってきた)、さらにはつがざくら山岳会のカガさん、山都町ガイド協会のカサイさん、喜多方のアベさんと団らんしていると、テツさんが到着!これはイッチャンを羨ましがらせなくてはと、電話をする。
ほぼ1時間休憩し、koizumi・カサイさんと一緒に13:17切合小屋を出発する。一昨年の施工を確認するため旧道を通る。排水路は機能していた。笹を下にして土嚢を置いた場所は効果が認められたが、単に笹を敷き詰めた場所の効果は疑問であった。
登って水平道になると、残雪が登山道を覆い、急斜面のトラバースとなっていた。今回は大勢の登山者の踏み跡があり問題なかったが、踏み跡は消える可能性が高く、ルート選択と滑落に注意が必要である。
ハクサンチドリ・ウズラバハクサンチドリ・マイヅルソウ・ゴゼンタチバナ・イワカガミ・ノウゴウイチゴが咲いている。
13:35種蒔の標柱を通過する。ミヤマキンポウゲ・ムシカリ・エチゴキジムシロ・シラネアオイ・アカモノ・ショウジョウバカマを見ながら、13:47七森の標柱を通過する。
三国小屋到着時刻も記録漏れになっている。ここで小屋管理人の大関さんも交え、話に花がさく。近年相次いで無線塔が建設され、FOMAの送受信範囲が極端に広くなったようである。そろそろ時間も気になってきたので一人で14:36三国小屋を出発する。
ヒメサユリ・ヤマトウバナ・ガクウラジロヨウラク・アカモノ・タニウツギの咲く剣ヶ峰を下り、若干登り返す。14:56-地蔵清水場分岐に豊富な融雪水があったので、水を補給し食事を取っているとkoizumiさんが追い付いてきた。Koizumiさんとも分かれ(出発時刻記録漏れ)、シラネアオイ・ショウジョウナカマを見ながら残雪の脇を登る。
15:07分岐の広場は湿地となってミズバショウが咲いていた。15:08小さな池の畔のお地蔵さんを通過する。ここから速度をアップする。熊のま新しい糞があった。
15:18御前山の標識が地面に置いてある。広い道にマイヅルソウとミツバオウレンがびっしり敷き詰められ、頭上にはタムシバが咲いていた。15:23左手に一つ目の湿地を通過、15:33灌木の中ピークを通過、湿地の少し先にある15:36牛ヶ岩山の標識を通過する。15:44登山道脇の細長い池を通過、15:48鞍部を通過するが、ある筈の水場分岐を見落としてしまう。
15:54五段山分岐に到着する。標柱は熊にかじられたのかズタズタになっており、地面につがざくら山岳会と五段山振興会の標識が置かれてあった。
大日杉に向かう登山道の入口は藪になっており、これから下るコースに不安感を覚えたが、入ってしまうと抵抗なく下れた。途中にロープがあるが管理されていないことに留意して欲しい。日当たりの良い所では藪化が進行しているものの、樹林の陰ではさほどでもない。
16:12コブ山を通過する。下るに従い両側の藪が攻めてくる。何よりもきつめのズックなので指先が痛くなってきた。しかたなく16:16-23休憩とし食事を取る。
16:36杉林に入るともうすぐズックから解放される期待が高まる。16:45水平道に出て、16:50吊橋に到着する。靴とズボンを脱ぎ、吊橋の上流を、膝下で徒渉し、16:57徒渉を終える。
16:59大日杉小屋に到着すると地蔵岳の登山口にテントが張られ、山開き儀式の最中である。地蔵岳から下って来ると皆の正面に顔を出す所であった。
何人かの知り合いと挨拶を交わし、早々に車に乗り込む。1.5kmほど進んだ所で対向車とすれ違う。この時、草に隠れた側溝に左前輪を落としてしまい、バックしても上がれない。すれ違った車は脱輪に気付かずに走り去って行った。車から降りて暫し呆然とする。さてどうしたものか、ともかくやるだけやってみようと、ハンドルを切りながら後進すると幸いなことに脱出成功!
九才峠を越えて大石沢で自宅に連絡する。叶水まで来ると車が溢れている。道下の大きな民家(後で木材加工場と知る)で火災、ようやく鎮火したところのようである。
これではこの先、何があるか分からない、さっさと自宅に向かった。
飯豊山々頂はガスの中 | |
滝切合の標柱が倒れていた | |
タムシバの咲く中、地蔵岳を目指す | |
三国岳かた草履塚に至る主稜線 | |
地蔵清水は残雪末端で汲めるだろう | |
地蔵岳と地蔵清水を振り返る | |
眼洗イ清水の標柱 | |
眼洗イ清水は残雪に覆われている | |
ヒメサユリ街道となる | |
ミヤマナラの花 | |
御坪に向けて下る | |
サラサドウダン | |
御坪 | |
ヒメサユリ | |
ガクウラジロヨウラク | |
道の両側はヒメサユリ | |
御沢 | |
御沢の雪渓に上がる | |
ここを登る | |
御沢上部 | |
振り返る | |
正面にルートを取った | |
ルートを見下ろす | |
草履塚のルートは雪に覆われている | |
ヨツバシオガマ | |
ミヤマハンショウヅル | |
koizumiさんと一緒に登る | |
種蒔山方面 | |
ベニバナイチヤクソウ | |
御秘所 | |
いよいよ御前坂 | |
オヤマノエンドウ | |
一ノ王子 | |
不明な花 | |
ハクサンチドリ | |
チングルマ | |
こちらはハクサンイチゲ | |
ゴゼンタチバナ | |
本山小屋 | |
一王子の水場へ下る道 | |
水場は雪に埋もれて使用できない | |
一ノ王子から本山小屋を振り返る | |
御前坂の途中でハタノシャンとすれ違う | |
草履塚を登り返す | |
切合小屋のハイジ・マリチャン・kennroku・koizumi・カサイサン | |
テツさんも到着 | |
カガヤサン | |
切合小屋水源の沢は雪に埋もれている | |
切合小屋 | |
一昨年に施工した巻き道 | |
旧道の状況 | |
旧道と新道の合流点 | |
排水路は活きていた | |
上部の様子 | |
上の排水路 | |
急な斜面のトラバース | |
振り返る | |
七森に向かう | |
剣ヶ峰 | |
地蔵山 | |
地蔵山から見た三国岳と七森 | |
地蔵山の広場は湿地になっていた | |
牛ヶ岩山 | |
御前山の標識 | |
牛ヶ岩山に向かう | |
快適な登山道 | |
湿地が点在している | |
マイヅルソウ | |
湿地 | |
牛ヶ岩山の標識 | |
オオバユキザサ | |
五段山の分岐 | |
道は荒れ始めている | |
これでも登山道です | |
コブ山を見下ろす | |
藪化が進行しています | |
ようやく水平道まで下ってきました | |
破損した吊橋、上流部を徒渉しました | |
渡渉後に撮影 | |
車道に出ました | |
大日杉小屋では山開きの儀式が行われていました | |