【2009年05月30日/春山合同訓練初日/井上邦彦調査】
今回は「野外活動における応急法と搬送法試論」について、研究会を行いました。全体進行はHZUが担当しましたが、メンバーの中には「医師・看護師・薬剤師・放射線技師」といった医療のプロ、山岳救助隊中央班員が参加しており、医療と救助現場の双方から意見の交流ができました。
午前中は「応急処理」 |
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腕を傷つけたら、水で綺麗にして、傷口を合わせ |
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ビニールテープを貼れば終了 |
出血が多い時は、止血点で出血量を少なくし、始めは緩くビニールテープを巻き、 2周目から強く巻くと強度の調節が可能です |
左は普通に剥しました。右は水を浸けて剥しました。違いが分かりますか? |
サランラップを負傷部位に巻きつけます |
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サランラップが動かないようにビニールテープで固定しました |
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膝を負傷した時の巻き方です |
完成品です |
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ビニールテープは伸縮性があるので、膝の固定バンドにもなります |
左足はズボンの上から膝の固定バンドを巻いたところ、右足はズボンに余裕を持たせる巻き方です |
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屈伸も大丈夫です |
これまで主流だった三角布による捻挫固定法 |
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これをビニールテープでやってみました |
伸縮性があるのでしっかりと固定できます、靴を履いている場合は靴ごと固定します |
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ピッケルを使った捻挫処置法です、本番では靴を履いた状態で行います |
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ピッケルが短い時は紐を使うのも有効です |
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この後、取っ手がL字のストックでも試してみました |
テーピングの技術を応用してみます |
皮膚に優しいので直接張れますし、伸縮性があるのでなかなかの物です |
市販のタイツと比べてみました |
背負子を使い後ろ向きに人間が担げるのか、試してみました |
後ろに引かれるので、バランスを保つためにはこのような格好になります |
後ろに引かれないように、両足を広げてみましたが、あまり効果はありません |
剛力のシミケンさんですら、この表情です |
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昔から日本に伝わる「おんぶ紐」で背負ってみます |
後ろから見ると |
完成です |
両足が揃うと、担げなくなります |
やはり腿の処理がポイントでした |
背負われて昔に戻ったECB |
EHJは様になっていますね |
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普通に担いでみてください |
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ひとりでに太腿に手が行きます、これがポイントなのです |
搬送の最大課題「腿上げ」にもビニールテープは有効です |
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ビニールテープを使うことによって面で支えることができます |
これまでとは異なる新型カッパ搬送法です |
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ピッケルホルダーを使わないことによって、要救助者の体の位置を高くしています |
クローブヒッチとカッパズボンを使い、上半身を固定します |
背負い心地、背負われ心地をチェックします |
次はハーネスを使った竹田方式です |
これは従来の方法 |
新竹田方式はハーネスを使いません |
カッパ上の裾と腕を結びます |
もう片方も結びます |
こんな感じです |
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そこに細引きを通すと、ハーネスができました |
この部分をザックのトップ輪に掛けるのです |
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あらかじめザックのトップ輪を細引きで補強しておきました |
ザックの腰バンドは短くて使えませんでした |
さらに腿の支点をザック背負いバンド途中から取ってみると、これは快適でした |
細引きでチェストハーネスを使って、上半身を安定させることができました |
応用すれば、ザックなしでも出来るかも |
女性陣が考え出した、クライミングテープによる搬送法 |
幅が狭いので、ツェルトフライを使ってみました |
短いので首が苦しくなりました |
こうなると次々にアイデアが出てきます |
最後に「搬送に使用したザックの中身を、カッパ下を袋にして他のザックで運ぶ方法」を勉強しました |
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これで午前の部は終了、午後からは「勝手に祝う会!」で盛りあがりました |
※ 画像はHZU・kennrokuが撮影したものを使用しています。