登山者情報125号

【1993年06月06日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

石転び沢
下ツブテ石の小沢は、雪で埋まっているため上を巻きます。ルートをよく確認してください。地竹沢を過ぎた所から雪渓に入ります。慣れた人はまだ雪渓を歩けますが、夏道が無難です。梶川は雪渓がなくなり、出合の雪渓にも亀裂が入っています。ポイントを選んで右岸に移るか、梶川を飛び石伝いに渡渉します。
梶川出合の上部で左岸が崩壊しました。左岸のルートは大きな岩の間と亀裂の入った雪渓を通って夏道に上がります。梶川出合で右岸に移った場合は、そのまま雪渓を渡ってから左岸に移ります。現時点では右岸コースの方が優れていますが、雪渓の崩壊がもっと進んだ時点では左岸コースが良くなります。赤滝のヘツリはまだ夏道よりも雪渓の方が優れていますが、今後ヘツリの手前が薄くなります。
石転ビノ出合の上からは、まだ崩壊の恐れはありませんが、上部からの落石に要注意です。
北股沢出合から上は、雪がびっしりとついており、ルート選択が難しくなっています。滑落に注意しながら登って下さい。また標高1,700m付近に亀裂があるので、グリセード等で加工する方は留意下さい。
梶川尾根
滝見場までは殆ど全て夏道ですが、その上はピッケル必携となります。滝見場から五郎清水までは、夏道と残雪が交錯しているので、ルートを深しながら登ってください。下降してくると五郎清水(標柱は雪に埋まっている)で水場に行く道(水場は雪に埋まっている)が見え、コ一スは雪に埋まっている。五郎清水より上は、雪の量が多くなり、ルート選択や滑落に十分な注意が必要です。扇ノ地紙は主稜線まで直下まで雪がついています。
花情報
温身平〜石転ビノ出合
ニリンソウ・サンカヨウ・カタクリ・エンゴサク・オオバキスミレ・エンレイソウ・ムシカリ・タムシバ・ムラサキヤシオ・タニウリギ・シラネアオイ
梶川尾根取り付き〜湯沢峰
ヤマツツジ・ガクウラジロヨウラク・オオイワカガミ・ナナカマド
湯沢峰〜五郎清水
オオイワカガミ・ムシカリ・タムシバ・ムラサキヤシオ・マンサク
五郎清水〜梶川峰
イワナシ・マンサク・イワウチワ(満開)・ショウジョウバカマ・カタクリ
梶川峰〜梅花皮小屋
梶川尾根ケルンや門内小屋付近に一部ハクサンイチゲが咲き始め、ギルダ原ではミヤマキンバイが僅かに綻び始めました。梅花皮小屋周辺ではミヤマキンバイやハクサンイチゲの新芽が出てきた程度です。