登山者情報1,261号

【2009年07月19日/川入〜五段山〜大日杉小屋/井上邦彦調査】

 前日「飯豊の山の案内人養成塾」の講師を務めてそのまま喜多方市旧山都町に宿泊した。今回の山行目的は「昨年秋に施工された間伐材を使用した階段工」と、「刈り払い及び吊り橋の架橋」の確認である。
 起床すると雨は降っていなかったが携帯電話で確認すると、2列になって雨の塊が近づいてくる。昨日朝に見た気象庁の予想天気図では、今日の昼頃に寒冷前線が通過する筈である。雨と風とガスの三点セットが頭をよぎる。それでも、樹林帯から出ないで昼前に下れば大丈夫だろうと、出発することにした。
 川入キャンプ場で支度をしていると雨がパラついて来た。05:50ゲートから歩き出した。06:03御沢から右の登山道に入る。早速、丸太の階段が出てきた。ルートは旧来の尾根筋登山道ではなく、西側の新道に階段が続いていた。下山してくる登山者は新道の分岐を見落とさないようにしたい。
 二日酔いなのか、体調は良くない。小雨の中ひたすらに足を進める。06:32-39下十五里で2名パーティに追いついた。無理やりパンを口に詰め込むが、キャンプ場で汲んで来た水筒の水がかび臭く感じられる。舌がおかしくなっているのかもしれない。  
 単独の登山者を数人抜いて、06:54中十五里、07:11上十五里を通過する。07:33-44笹平で再びパンを口に詰め込む。
 07:55横峰を通過する。標柱に「→地蔵小屋跡」と記載されているのが気になった。08:07水場道と地蔵岳直登コースの分岐を通過する。標柱と標識があるが直登コースは如何にも荒れている感じがする。
 まるで涸れた沢底を歩いている感じである。むき出しの岩肌で靴が滑りそうだ。両手を使う所もある。登りだからどうということはないが、下りはお勧めできない。
 08:23地蔵小屋跡を通過する、標柱・標識はない。08:24すぐに地蔵山の窪地(分岐)に到着する。血ノ池は潅木で覆われている。大きなミズバショウの葉が目立つ。湿地に排水の溝が掘られていた。傾いた標柱の周囲に標識が散らばっている。ミヤマキンポウゲ・モミジカラマツが咲いていた。
 ひと登りして地蔵山々頂にある小池と石仏を過ぎると下りになる。さらにたらたらと進むと08:39「御前山」の標識が道脇に置かれてある。マイヅルソウ・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウ・ハクサンシャクナゲが咲く広い道を進む。
 08:58「五枚山」の標識を通過する。強い雨が波のように繰り返し襲ってくる。09:02「牛ヶ岩山」の標識がウラジロヨウラクの傍らに置かれてある。オオバユキザサが咲いている。
 09:18-25下り切った鞍部で、またパンを流し込む。鞍部のすぐ先から水場に下る跡があるが、殆ど誰も気づかないだろう。
 09:32ようやく五段山分岐に到着する。標柱は熊に齧られて真中が細くなっている。標柱の下に菱形の「つがざくら山岳会・五段山振興会」と名が入った標識が置かれていた。
 ここから先も、広く刈り払われた快適な登山道をぐんぐん下る。時折、強い風が樹木を震わせる。稜線ではさぞ大変だろうなと思いながら、ナラ枯れが進行しているので、これからは風の強い日はヘルメットを被って飯豊を歩かないと危険だなと感じた。
 09:53こぶ山を通過する、標識はない。10:13左が杉林となり、やがて道は左折して杉林の中に入って行く。10:19杉林を抜け、急な尾根を下り、10:24昔の車道に着く。ここに取水のための施設が置かれてあった。大日杉小屋の水源の一つである。
 10:26清水で喉を潤し、再び杉林を通り、河床に下ると、立派に架橋された吊り橋が見えた。10:30濁流を見下ろして吊り橋を渡る。
 10:35大日杉小屋に無事到着し、管理人と情報交換をして帰宅する。なお、惣兵衛の分岐から葡萄沢に100m程進むと、頑丈なゲートが設置されている。この先で道路が欠損しているため、通行止めになっているのだ。従って、トンネルから川入切合や、谷地平方面に車は入れないので注意して欲しい。

今回のコース
川入キャンプ場から歩き始める 御沢で右の登山道に入る
昨秋作られた階段
左の新道に作られていた
横峰
小白布道との分岐 水場道を左にして、直登する
分岐の様子、右の荒れた道に入る
まるで沢を登っているようだ
下りの場合は相当に慎重な行動が求められるだろう
地蔵小屋跡
地蔵山の分岐点
地ノ池
分岐の標識類
山頂にある小池と石仏
御前山の標識
オ豊ノ池
五枚山 牛ヶ岩山
五段山の分岐
分岐の標柱
古い標識 新しい標識
熊に齧られた標柱(熊はペンキを好みます)
刈り払われた登山道を下る
丁寧に刈り払われている
こぶ山を見下ろす
こぶ山から振り返る
こぶ山々頂
昔の車道に降りた、大日杉小屋の取水口があった
清水で喉を潤す
修復された吊り橋
橋の下は濁流
左手の標識が五段山の入口
大日杉の登山者数カウンター
大日杉小屋
惣兵衛から葡萄沢に100m進むと、交通止めになっている
おまけ 天狗橋上から見た玉川の濁流