登山者情報1,303号

【2009年12月05日/柳生戸街道(米沢街道)/井上邦彦調査】

 ナビに「新潟県朝日村小揚」と入力し、暗いうちに自宅を出発。村上市の牛丼屋で朝食を摂り、市街地を抜けてセブンイレブンから右折し、朝日スーパー林道方面に向かう。ナビに従って進むと、鷲ヶ巣山の山頂部分に朝陽があたった。
 下小揚と上小揚の分岐で躊躇するが、ナビの示す通り右の上小揚に向かい、集落の橋を渡ると「塩の道・米沢道」の看板が出ていた。ここから先はインターネットで検索した「  」を参考にして進む。集落を過ぎ狭くなった車道は杉林を抜けて小揚川沿いに進む。
 幾つかの橋を渡り、やがて右手(南)の沢沿いに高度を上げて行く。才ノ神峠には祠があるが、それと気付かずに通り過ぎてしまった(帰途に確認)。
 降り切って長津川の右岸を遡るが、ログハウスが1軒あった。テラスに風呂が置いてあり、誰かの別荘のようだ。周辺には人家の跡が見受けられた。この辺りが柳生戸集落跡なのだろう。橋を渡ってほどなく、「塩の道・米沢道」看板があり、林道に大きな樹を置いて障害物とし、通行止めのワイヤーが張ってあった。
 7:46、自転車を引いて林道を登り始めると、すぐに2本の木が倒れていた。急な砂利道で自転車に乗っては登れない。ひたすら我慢である。
 08:05道が二手に分かれる。「塩の道・米沢道」の標識に従い左の地形図には記載されていない林道を進む。自転車に乗ってみるが不整地なので、歩いた方が楽である。長津川を挟んで鷲ヶ巣山が大きく見える。作業か何かの休憩所といった感じの小屋と廃車がある。
 08:27-31「塩の道→」の標識があり、杖が2本立ててあった。ここに自転車をデポし、右手の歩道を登るとすぐに尾根上に出た。右側にも踏み跡があるが、左に立派な道が続いている。これが旧街道であろう。
 街道は立ちふさがる峰を右から巻いている。この辺りのナラ枯れも酷い。葉の落ち切ったブナ林を快適に進む。殆ど上り下りはない。08:49巻き終わり、頂稜を進む。08:52頂稜の窪みを歩く。尾根の北側を通る時は鷲ヶ巣山、南を通る時は光兎山、これらが修験の山としてつながりを持っていることを実感する。
 テン戻から烏帽子岩に至る県境稜を仰ぎながら進むにつれ、烏帽子岩の異形さが強くなる。
 09:07僅かに降る。鷹ノ巣山の突起が気になる。祝瓶山を始めとする朝日連峰の白い山並みが姿を現す。
 09:10-14突然「塩の道・大峠」の看板があった。ここで休憩とする。ブナ林の居心地の良い所である。これまでは実に快適な歩道であるが、烏帽子岩北東斜面の通過が懸念される。
 峠から降り始め、林がなくなり笹とワラビのホダ道になる。数度折れると、09:21切り開かれた場所になり、樹に板がつけられていたが、何が書かれているのか分からなかった。
 さらに下って、いよいよ本日の核心部である烏帽子岩北東斜面のトラバースとなる。前回(登山者情報第1300号)眺めた時はかなりの崖であり、整備されているか心配であった。
 遠くから見ると、いかにも怖そうであるが、実際に踏み出してみると、きちんと土砂が取り除かれており、気にならない。
 ヘツリが終わると、再びブナ林となり、09:39-10:31県境の小さな標識に着いた。ここでたっぷりと休憩を取る。
 雲が取れ始めた朝日連峰北部の峰々を眺めながら帰路につく。10:53先ほどのワラビ野に着くと、危険地帯を終えた解放感、10:59大峠に着くと登りきり快適な街道となる安堵感が、古人の気持ちと重なった。
 11:42尾根上から鷲ヶ巣山を眺めていると、下に林道の終点らしいものが見えた。11:49-53林道に出てからは、自転車のブレーキを掛けながら、12:10瞬く間に車まで到着した。
 通行止めから小揚まで9.3km、ここで携帯圏内に入った。12:54国道7号線に到着、19.4kmであった。

国道7号線から県境まで
車両通行止めから県境まで
鷲ヶ巣山の山頂に朝陽が当たった
小揚集落で見かけた看板
九才峠にて
柳生戸集落跡に建っていたログハウス
ここで通行止め
ワイヤーが張られ、樹が置かれていた
ジグザグに登って行くと左前方に水平に走る林道が見えた
林道の分岐
標識に従って左に進む
途中に小屋があった
鷲ヶ巣山
林道の途中の標識
標識から右の歩道を登る
旧街道は山腹をへつるように伸びていた
しっかりとした道形である
主尾根の真ん中を進む
とても歩きやすい道である
県境の主稜が見えた
烏帽子岩は異形な雰囲気をかもしだしていた
厚い落ち葉に覆われた道、両側はブナ林
大峠に到着
大峠から降りになる
烏帽子岩が近づいてくる
光兎山
笹が出てきた
ワラビのほだが道を覆い、板が取り付けられていた
烏帽子岩の左の斜面に向かう
いよいよ崖のヘツリが始まる
鷹ノ巣山
近づくと意外にしっかりとしている
振り返る
雪崩斜面に作られた道
上からの落石も留意ですね
県境(町境)に到着
戻る途中、朝日連峰が姿を現した
大朝日岳
祝瓶山
崖を横切っている道
先日歩いた町境
一息ついて烏帽子岩を見上げる
鷹ノ巣山
いつか鷹ノ巣山と鷲ヶ巣山の間を歩いてみたいな〜
ブナ林の快適な道に戻る
県境を振り返る
左下が林道の終点のようだ