【2009年12月13日/光兎山/井上邦彦調査】
光兎山は昔、千刈集落から子供を連れて登って以来(積雪期を除く)であるが、町境歩きをしているうちに、古道や修験の道が気になっていた。14日の週からは雪マーク、今年登るなら今がチャンスだと考えた。
05:30小国町内のセブンイレブンで食料を買い出発。国道290号線のGSから右折して女川沿いに進む。中束集落に看板でルートを確認する。中束集落は「マカマルケ」と読む。方言が分からないと読みにくい地名である。看板から進んで車道が橋を渡り藤沢川左岸に移った瞬間に「光兎山」の標識があった。ここから舗装された林道に入るが、所々に「光兎山」の標識があり、暗い中でも安心して進めた。
「光兎山登山口」のすぐ先にあった駐車場に車を止め、06:19暗い中歩き始める。林道を80歩戻った所が登山口である。面倒なのでライトはザックに入れたままだが、傾斜はさほどでなく、ゆっくり登って行く。杉林を抜け、松林となる。靴の踵が浮いているようで歩きにくい、またザックが背中に当たるのでタオルを差し込んでごまかす。
06:32「笹峰休み場」の標柱があった。ふりかえると集落の灯りが見える。ようやく周囲が明るくなってきた。06:38左下に白く大きな建物が見えた。登山道の所々に白いビニールテープが巻かれている。ナラ枯れが殆どだが、枯れたアカマツもある。おそらく支障木として伐採するものだろう。登山道は広く、小峰は左から巻くように作られ歩きやすい。
06:45-54休憩とし食事を摂る。コンビニでコピーしてきた地図を車に忘れてきたことに気付く。また暗い中で準備したせいだろうが、靴紐はフックを飛ばして結んである。ザックの中を詰め替えて背中に当たらなくした。
06:59千刈分岐を通過する。07:13石灯篭の奥に虚空蔵菩薩(文化14年=1,817年)と書かれた石碑があった。すぐ先には三角点がある。標高629mの奥山である。
07:23観音峰の標識の先に木造の祠があった。祠には名前の書かれた川原の小石が備えられていた。また祠の後ろからは目指す雷峰と光兎山が見えた。
観音峰から降り切った07:29水場分岐の標識があった。この水場は「兎雪の水場」と呼ばれているとのことである(「新にいがたファミリー登山」より)。樹間から左下の小沢に降りて行く道が見えた。
07:59雷(イカヅチ)大権現の石碑、そこから僅かに回ると雷峰山頂の広場になり、眼前に光兎山が聳えている。降り切って小峰を上下する。08:10ロープがあった。
08:13最低鞍部(ウガイ場)、登山道は正面真っ直ぐに登るが、鞍部から左にトラバースする踏み跡があった。水場でもあるのだろうか?08:15アガタ石が見えた。08:19ロープ。08:23小さな岩場に「駒返」と書かれた板が置いてあった。ロープ2箇所。
08:26急登を終え、08:26-41光兎山々頂に到着した。山頂は広場になっており、三角点と共に祠があり、合格祈願の札が供えられていた。祠の脇には中束山の会が今年6月に設置した標柱が立てられていた。祠を開けるとノートがあり、登頂記念に自分の名前を書いた。
先日歩いたルートを探しながら祠の後ろに回ると、尾根を降る古い踏み跡を見つけた。光兎山の西に頭巾山があるが、ここは小国と結ぶ古道があった山である。カンニヤ越を経由して光兎山と頭巾山は繋がっている。修験の道!と心ときめくものがあった。
それにしても、じっとしていると寒くなる。まだ身体が寒さに慣れていないせいだろう。早々に下山することとした。
08:52最低鞍部を通過し、登りになるとようやく暖かくなる。09:00登りでは気付かなかったが、立ちふさがるような岩に「姥石」と書かれた板が置いてあった。09:24水場分岐を通過する。
09:26-33観音峰で食事を摂る。雷峰の登りから上部は風化した花崗岩の登山道であるが、そこから下部は粘土の登山道である。山容も荒々しい雷峰と、ブナ林に覆われた観音峰は対照的で、それぞれが相応しい名前だと思えた。
09:43-48奥山の三角点からは虚空蔵菩薩の石灯篭が見えた。10:19千刈分岐を通過する。ここからアカマツ林となり、やがて登山道周辺だけアカマツで両側が杉の植林になる。
10:31笹峰休み場、朝は暗くて気付かなかったが、日本海まで見えているようだ。この前後に「光兎山→」の標識がある。10:40右下すぐに砂利道と伐採の作業道が見えて、ほどなく登山口に到着し、10:43車に着いた。
駐車上から2.0kmで林道から一般道となり、5.7km10:58で国道290号に出て、11:30帰宅した。
参考【越後の山旅・上巻】より
山頂からの踏み跡?⇒「光兎山も修験道の山であった。小国盆地の湯殿山道者が南東の蕨峠を越し、女川を渉って頭巾山に取り付き、光兎山を排し、西北の淀ノ尾を田麦に下り、大栗田、門前、村上と東西に横断したらしい古い踏み跡が、点在するのを拾われる。」
アガタ石⇒「2m余りの花崗岩で、基部に丸い石もあり、生殖器神崇拝と判るが、アガタが阿伽陀であれば不死薬で、あらゆる病気をなおす薬の酒の異名にもなる。浄土宗では念願または本願のこととある。」
国道290号線・林道分岐・駐車場 |
今回のコース 左から登山口・笹峰休み場・千刈道後分岐・虚空蔵峰(奥山)・観音峰・水場分岐・姥石・駒返・光兎山々頂 |
駐車場から80歩戻って、登山口 | 笹峰休み場 |
千刈集落から登ってくる登山道と合流 | |
登山道を黙々と進みます | 虚空蔵菩薩 |
観音峰 | |
祠がありました | |
祠の前の丸い石 | |
標識 | |
祠の後ろから光兎山と雷峰が望めました | |
観音峰から若干下ると、水場の分岐がありました | |
光兎山の前に雷峰が立ち塞がります | |
県境の峰々の向うに白い飯豊連峰が薄っすらと見えました | |
観音峰を振り返ります | |
雷峰にある「雷大権現」 | |
雷峰の山頂 | |
雷峰から望む光兎山 | |
途中の突起を越えて近づきます | |
山頂までは急斜面のようです | |
鞍部から左に踏み跡がありました | |
斜面をトラバースしているようです | |
アガタ石が見えました | |
右下がアガタ石です | |
これがアガタ石です | |
駒返 | |
急登を過ぎると | |
山頂に到着しました | |
山頂の祠 | |
今春に立てられた標柱でした | |
山頂からの展望 | |
祠の後ろには古い踏み跡があった | |
県境方面 | |
先日通った烏帽子岩 | |
下り始めると、日本海が見えた | |
アガタ石を見下ろす | |
左が雷峰、右が観音峰 | |
登る時は気づきませんでしたが、姥石です | |
ブナ | |
虚空蔵様 | |
文化十四年とありました | |
賽銭石は兎の形です | |
女川と荒川 | |
白いテープは支障木の印でしょう | |
千刈との分岐点 | |
千刈方面 | |
中束方面 | |
笹峰休み場 | |
登山口、駐車場が見えます | |
駐車場 | |
林道入り口 | |
帰途、光兎山を振り返る | |
光兎山遠望 | |
光兎山の山頂から下っていた古い踏み跡 真ん中の鞍部はカンニヤ越だろうか | |