登山者情報140号

【1994年04月16〜17日/梶川尾根〜石転ビ沢/井上邦彦調査】

全山にブロック雪崩が頻発しています。概ね標高800m以上の夏道は雪で覆われており、冬山と同様のルート選択が必要です。晴天の朝は雪が硬く締まり、滑落に注意が必要です。長者原の大淵から先、天狗平までの間は全く除雪されていません。連休期間中は歩きとなります。天狗平までの車両の開通および飯豊山荘のオープンは6月上旬の見込みです。
大淵から天狗平までの間はブロック雪崩が多発しています。特に砂防ダム周辺は細心の注意が必要です。吹き付け付近はトレース跡があるものの、冷え込んだ朝にはアイゼンが欲しくなる程の急斜面のトラーバースになります。
梶川尾根は取り付きから780mまでと、870〜920mの間は夏道が露出しています。湯沢峰の標識は露出しています。滝見場手前も若干夏道が露出しています。梶川峰と扇ノ地紙の標柱は露出しています。扇ノ地紙と胎内山の間には雪庇が張り出しています。胎内山の標柱は露出しています。門内小屋の入口は吹き溜まりのため使えません。入口すぐ上の2階
窓から入ることができます。南側の冬期出入口は凍り付いて使えませんでした。便所は使用できません。門内岳山頂には祠と標柱が露出しています。ギルダ原は1,840mの鞍部まで夏道が使えます。北股岳山頂は三角点・鳥居・標柱が露出しています。湯ノ平分岐の標識は露出しています。梅花皮小屋は入口を掘ったもののドアが開きませんでしたが、2階冬期
出入口から入れます。水場は露出しているものの使えません。午後であれば、湯ノ平分岐上の夏道で融雪水が使用できます。便所は使用できます。
石転ビ沢はブロック雪崩が多発しています。十分に注意してください。特に雨天時は危険です。上の砂防ダムを過ぎた直後、左岸からのブロックに注意!下ツブテ石(彦右衛門ノ平)周辺の通過は慎重にルートを確認の上、素早く行動して下さい。彦右衛門ノ平を過ぎたヘツリ(上ツブテ石)から沢身に降りますが、雪渓には亀裂が入り陥没しています。地竹原
から上部は全て雪渓を歩けます。赤滝から石転ビノ出合にかけ、左岸からのブロックに注意!ホン石転ビ沢出会いの下から北股沢にかけて左岸からのブロックに注意!
花情報
大淵から天狗平間では一箇所のみイワウチワが咲いているのを見かけました。梶川尾根取り付き付近では、マルバマンサクが僅かに綻び始めました。