登山者情報1,407号

【2010年12月05日/馬ノ髪山/井上邦彦調査】

 昭文社の担当者から「馬ノ髪山」の掲載を検討して欲しい旨のメールが届いたので実踏してみることにした。
 新発田市赤谷の三叉路から阿賀町に入ると、すぐ左手にゴルフ場(ルーセントカントリークラブ)があり、その先が上綱木集落である。綱木川に架かる橋の直前で、左岸沿いの細い車道に入り、「夢山荘」の標識から左の道に入る。増谷沢を過ぎ、300m程で左手に山荘らしき家屋がある。山荘向かいに車3台の駐車場があり、「馬ノ髪山登山道入口」と書かれた立派な石柱が立っている。ここまでは舗装されている。
 ここに車を止め、07:40山荘脇の車道(無舗装)を歩き出した。車道は増谷沢支流右岸沿いに伸びている。途中の路側にすれ違いできる場所があり、07:41目の前に砂防ダムが現れ、林道はここで終わる。
 砂防ダム本体に接して木で補強された階段があり、「山頂まで、おおよそ2時間」の標識があった。ダムを越えて、そのまま杉の植林地の中を進み、07:39川を渡る。丁寧に歩けば飛び石で渡れる小さな沢である。今回はあらかじめ沢身を歩くつもりでスパイク長靴を履いたが、このコースはこれが正解のようだ。いったん右岸に移り、そのまま河床を歩いて、また左岸に入る。
 全体に平坦な沢なのだが、ゼンマイが出そうな斜面もあり、何度か沢身を往復する。地形図365m地点で左から沢が入ってくる。山慣れしていれば問題はないが、初心者の場合は道を拾って歩くのが大変に感じるかも知れない。
 さらに50m程進んだ所、07:58左岸に「山頂まで1時間」の標識があり、ここから左岸に取り付く(GPSでポイント)。程なく一本尾根の登りになり、樹間から678m峰の険しい南面を眺めながら、高度をぐんぐんと稼いで行く。
 08:14(GPSでポイント547m)右側に切り開かれた展望地があり、真下に阿賀町が見えた。さらにすぐ先に「5合目」の標識があるが「綱木・・」読みきれない。ここまで立派な天然杉の中を登るが、この辺りで林相が変わり、ヤマグルマが多くなる。
 08:20(GPSでポイント620m)「頂上まで20分」の標識があるが、数字が薄くなっている。08:26(GPSでポイント696m)急登が終わり、右の展望が開けるが、ここから尾根は平坦で広くなり、見事な天然杉の林となり、雪が出てきた。
 杉の根元に硝子が数枚あったので、一瞬は小屋跡なのかなと思ったが、良く見るとアクリル製で点字のようなものが沢山印されていた。また杉を見上げると白い木製の箱が固定されており「世代交流実行委員会」の文字が見えた。地元集落の方々による物なのだろう。そう言えば駐車場の石柱には「綱木の夢づくり会建立」と記されていた。馬ノ髪山は地元の方々が大切にしている山なのだと感じた。
 町境主稜線に出て、僅かに降る。林床にユズリハが群生し、細いブナも数本あった。08:31馬ノ髪山々頂の広場(三角点)に到着した。曇り空ということで蒜場山や二王子岳は山頂部が見えなかったが、加治川を挟んだ焼峰山や日本海が見えた。晴天ならば飯豊連峰の素晴らしい展望台になるのだろうと思う。なお山頂からの携帯電話は全く問題がなかったし、尾根の途中でも使用できた。
 帰途、Mさんとすれ違ったところ、この山は「新潟ファミリー登山」に紹介されているとのことであった。しかし帰宅してから開いてみたが見つけることができなかった。
 11:47駐車場に戻る。

上綱木集落から登山口までの行程
登山コース
橋の手前で左折し、すぐに標識に従って左折する
 
 ここに入る
 
 立派な石標柱がある
 地元集落の活性化事業だろうか
 駐車場は3台分
 
駐車場の向かいの車道が登山口である
注意書き
砂防ダムで林道は終わり
砂防ダムの脇に階段がある
ここから沢の渡渉を繰り返す
何度も渡渉を繰り返す
画像には左岸の登山道が見える
長靴の方が歩きやすい
ここから尾根に取り付く
547m地点、右手の展望が良い
遠望する山
展望地のすぐ上に「5合目」の標識があった
 見上げる県境主稜
 
 ヤマグルマが多い
 
620mに「山頂まで20分」の標識があった
696mで再び展望が広がる
 天然杉独特の樹形
 
 杉の根元にガラス板?
 
点字のようなアクリル板だった
 
 見上げると不思議なものが・・・
 
 地元集落の事業らしい
 
 足元に雪が出てきた
 
 県境に出るとユズリハがある
 
 馬ノ髪山々頂
蒜場山
焼峰山、後ろは二王子岳
焼峰山
俎倉山方面に微かな踏み跡があった
山頂の様子
南面を見下ろす
下山の途中でお会いしたMさん