登山者情報 1,458号

【2011年07月09日/大境山(道刈り)/井上邦彦調査】 

 6月18日に登った時に、登山道の藪化が進んでいるので、今年は道刈りをしなければと思った。ヒメサユリの花が終わるまで待ち(標高が低いので早く終わる)、7月09日に決行することとしたが、今回は竹爺とGPNが同行してくれることになり、力強い限りである。
 当日は6時竹爺宅を出発し、6時30分に登山口の駐車場でGPNと待ち合わせた。途中までは綺麗に道刈りがなされており、この分だと無駄足になるかなと密かに期待したのだが、予想通り急になる400mで途絶えていた。ここで最初の休憩を取る。
 陽が当たらないブナ林の中は植物の生育が遅いのでそのまま直登し、左折して涸れ沢を渡る箇所から枯損木の除去を始めた。太い倒木もあり、そのような場所はギャップ(高木が倒れることにより林冠に穴が開き光が入り、草木が一斉に生育を始める場所)になっているので、道刈りが大変である。ブッシュを持って先行している二人からは大分遅れてしまった。
 ブッシュ隊は840m付近からエンジンの音を響かせた。蔓植物でジャングルのような枯損木を処理し、沢で合流して喉を潤す。ここまで3人とも1Lから1.5Lの水筒を飲み干している。上着からズボンまでぐっしょりと濡れ、首に巻いたタオルの先端を軽く握ると水が流れ落ちる。
 ここから先は私が先頭になり、枯損木の処理後にブッシュで刈払うこととした。私達を追い抜いて山頂まで往復してきたパーティに「ありがとう」と声を掛けていただく。登山道は様々な方が汗を流して維持管理されている。そのことにを素直に表現できる方は素敵だなと思った。
 874mピークからは旺盛な灌木との戦いになる。900〜950mの急斜面を登りきり、だらだらとした登りになる。前回の登りではヒメサユリが咲いていた場所だ。
 山頂まで往復してきた地元の方2名とスライドした頃から雨が降り始め、遠雷が鳴り始めた。火照った体にはちょうど良い。合羽を着る前から全身ずぶ濡れなのだが、一応合羽を羽織る。
 光ってから音がするまで数えると、10秒位だから3〜4km離れているとところだろうか。大石山での一件以来、雷は苦手である。山頂まであと僅かであるが、勇気ある撤退を口に出したら、GPNはまだ大丈夫であるとのこと。
 一足先に山頂に着く。山頂は障害物が何もない絶好の展望台なのだが、こういう時は気持ちが良いものではない。稲妻がほぼ垂直に権内尾根末端付近に立ち、若干の間を置いて耳を覆う雷鳴が空気を振るわす。
 山頂をブッシュでざっと撫で回し、さっさと下山を開始する。一気に水場まで下って、残っている食料を食べ尽くす。森林帯に入れば雷は怖くない。雨も降ったり止んだり、雷もまばらになってきた。
 竹爺は帰りに作業をするつもりで、刈払い始めの場所にブッシュの燃料をデポしてきていたが、薄暗くなってきたし、体力も残っていないので、今回は作業をしないことにした。
 駐車場に到着して時計を見ると既に17時である。各自帰宅し、ひと風呂浴びて、町内の居酒屋で乾杯することを約し帰途についた。

樹冠を見上げる サワグルミ・カエデ・ホウノキ
ブッシュを担いで
竹爺 登場
目の前に
カモシカがいた
暫く見つめ合い 悠然と去って行った
綺麗な蝶が舞う
早すぎてカメラで捉えられない
汗を滴らせて
ブッシュ2連結
枯松山 後方は杁差岳
山稜の登山道
立派な登山道になりました