行方が分からない方は何処にいるのだろうか。飯豊山荘から石転ビ沢を経由して梅花皮小屋に向かったことは間違いないようだ。尾根や河床にいるとすれば空中から詳細に探したヘリや地状態によって発見されている筈である。さらにヘリはエリアを拡大して想定される場所をくまなく探している。できることなら、ひょいと元気で姿を見せてくれないだろうか。
残された可能性は豊富な雪渓の下に隠れていることであるが、雪渓の下は土砂降りのように水が滴り落ちる低温の世界であり、覆っている雪渓は薄くなって崩壊し、氷塊となって押しつぶす。とても人間が存在できるような所ではなく、捜索自体が大変な危険を伴う場所である。
毎日のように入ってくる雪渓の情報によると、石転ビ雪渓は現在急激に崩壊と縮小が進行している。仮に最悪の結果になっていたとしても、お盆前に彼を自宅に帰したい。それが叶わないのなら、せめて何らかの手掛かりを見つけたいと考えてきたが、様々な状況を踏まえ、9日にHZUとLFDの2名で再度の捜索を行うこととした。
猛烈なアブの襲来に備え、完全装備を整えて05:06湯沢ゲートから歩き出した。林道を過ぎて登山道に入ると次第にアブの数が減り、06:14うまい水まで来ると数匹になった。ここで身軽になり食事を摂る。
06:41梶川出合は河床を渡り、07:08石転ビノ出合に到着する。正面の雪渓は危険なので門内沢に入り、雪渓の厚さを確認しながら岸に移り、さらに石転ビ沢を渡渉するのが現在のルートであるが、私達は雪渓崩壊地を覗き、前回捜索時には埋まっていた河床を30分ほど探した。
08:10-36ホン石転ビ沢も雪渓が崩れていたので目視で確認し、対岸の枝沢に入って雪渓の下を捜索、そこで2回目の食事を摂った。さらに雪渓を登って左岸と右岸を捜索し、北股沢に入って二手に分かれ、HZUは右俣を詰めて雪渓末端から上部を確認できる所まで登る。LFDは左俣を詰めて沢の分岐点まで捜索した。
09:26北股沢出合の清水で休憩し、いよいよ黒滝に近づく。早めに左岸に取り付くが、正規の踏み跡ではなく雪渓ぎりぎりにルートを取って黒滝の落ち口に上がる。ここから殆どが見渡せたが、HZUは滝脇にあるクラックをクライミングダウンして、雪渓の内部が見渡せる所まで下った。
ここでも手掛かりがなかったので、二人で本流を登り、中ノ島(草付キ)末端で二手に分かれ、HZUは右俣を直登し登山道が横断する大岩まで、LFDは左俣を直登して水場まで捜索し、中ノ島(草付キ)で合流した。
その後は登山道を辿り、10:37-11:13梅花皮小屋で休憩。その間にOTJから2階扉の補修状況や1階扉の状態等の報告を受け、情報交換を行った。
11:36北股岳山頂を経て、12:21-13:06門内小屋で当日の管理人であるOPLさん達と情報交換を行う。13:53-14:01梶川峰、14:34五郎清水、15:02滝見場を通過するが、湯沢峰で突然HZUの右足間接内側が痛み出し、曲げることができなくなった。しかたなく2本のストックを使い、騙し騙し降ったところ、幸いにも少しずつ痛みが軽減し、17:05無事に湯沢ゲートに到着した。
暑い中、完全武装で出発 |
歩くにつれて アブがまとわりつき始めました |
右胸はバッジではありません |
HZUの右足に注目 |
LFDの足にも |
うまい水で やっとアブから開放されました |
梶川出合は河床を進む |
黄旗がコースの目印です |
不明 |
門内沢が見えてきました |
ここに迷い込んだ可能性は・・・ |
赤滝のヘツリ |
この滝が名前の由来です |
石転ビノ出合 |
石転ビ沢 |
雪渓に上がる |
左手に石転ビ沢を見ながら |
門内沢に入ります |
門内沢 |
門内沢入り口も崩壊が始まっています |
この辺りで対岸に渡ります |
ハクサンコザクラ |
門内沢の様子 |
奥は雪渓が切れていそうです |
撮影するLFD |
合流点を振り返る |
雪渓の厚さに配慮して岸に移ります |
振り返ると 雪渓の薄さに背筋が凍ります |
この付近を渡渉して、石転ビ沢左岸に移ります |
ミヤマガラシ |
サンカヨウ |