登山者情報157号

【胎内尾根】

全体に登山道の状況は廃道に匹敵し悪い。よほどの覚悟をして登る必要がある。初心者は通ってはいけない、道に迷って遭難する恐れが高いし、一日で門内小屋まで着けない可能性がある。薮漕ぎをものともしない強い体力が要求される。胎内ヒュッテから3分程度車道を進むと、右手に下るコンクリートの道がある。分岐には小さな看板がある。狭いがしっかりした作りの吊橋を渡る。まもなく右に踏み跡を分け、続いて「ダムサイト→」と書かれた看板のある所でも右に道を分けるが、ひたすら高度を稼ぐ。池ノ平峰の直前から薮が出てくる。ここから上は半ズボンでは歩けない。水場への分岐は注意してみていても発見できない。大物見付近から両手を使う猛烈な薮漕ぎが始まる。登山道は何処にあるか見えないので一歩一歩足で探りながら登る。藤七ノ池から上は全く道跡もない部分がある。ネマガリダケの中にもぐり込み四つんばいになってもがきながら前進する。しだいにネマガリダケがの背が低くなり草原の踏み跡を辿ると門内岳に到着する。




【梅花皮小屋周辺】

エゾイブキトラノオ・ミヤマコウゾリナ・ヤマハハコが盛り。ウメバチソウ・ハクサンフウロ・ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマクルマバナ・ミヤマリンドウ・ミヤマキンポウゲ・アザミ・オンタデ・タカネマツムシソウ・タカネツリガネニンジン・シラネニンジン・イイデリンドウ・シシウド・タカネナデシコ・タカネヨモギ・コゴメグサ・トモエシオガマ・トリカブトが咲いている。梅花皮小屋の水は水量温度とも申し分なし。

【北股岳〜扇ノ地紙】

タカネツリガネニンジン・オンタデ・ミヤマアキノキリンソウ・イワショウブ・エゾオヤマリンドウ・エゾイブキトラノオが盛り。タカネマツムシソウ・ミヤマコウゾリナ・ウメバチソウ・シラネニンジン・イワイチョウ・ミヤマリンドウ・ウメバチソウ・トリカブト・ハクサンフウロ・コゴメグサ・イイデリンドウ・トモエシオガマ・ヤマハハコ・オタカラコウ・イワテトウキが咲いている。

【扇ノ地紙〜地神北峰】

エゾオヤマリンドウが盛り。イイデリンドウ・エゾイブキトラノヤ・ミヤマコウゾリナ・ウメバチソウ・オンタデ・コゴメグサ・シラネニンジン・キンレイカ・トリカブト・ミヤマアキノキリンソウ・ハクサンフウロ・が咲いている。

【地神北峰〜大石山分岐】

イイデリンドウ・エゾイブキトラノオ・シラネニンジン・ミヤマアキノキリンソウが盛り。アザミ・イワオトギリ・イワテトウキ・イブキジャコウソウ・エゾオヤマリンドウ・キンレイカ・タカネマツムシソウ・タカネツリガネニンジン・トリカブト・トモエシオガマ・ノリウツギ・ハクサンフウロ・ハクサンイチゲ・ミヤマアキノキリンソウが咲いている。頼母木小屋の水は小屋まで引水しており冷たくて量も多い、協力金箱あり。テントは最大12張り可能。

【足ノ松尾根】

標高約1,000mの登山道脇まで上の水場からホースで引水している。水量やや細くぬるいが、水場まで下ることを考えればありがたい。「足ノ松尾根・水」の標識あり。なお登山シーズンが終わるとこのホースは外されるので注意すること。

1994年08月06〜07日(井上邦彦)