登山者情報1,618号

【2012年12月30日-01月02日/松の木尾根~飯豊山/渡部政信調査】
【メンバー】
 清水洋樹、加賀谷亮、金野伸、渡部政信
【概略】
《30日》
 朝3時にWKBの自宅に迎えに行き、集合場所の喜多方市山都支所を目指す。6時の集合時間に合わせてメンバーが集まり共同装備の荷分け、パッキングをしてDCUの奥さんに川入まで送ってもらう。
 7時を回ったところで川入から歩きだす。前日入った新潟山岳会のトレースが残っており順調に前へ進む。8時50分タカツコ沢を徒渉し松の木尾根に取り付いた。ここでも先行パーティーのトレースがしっかり付いていて快適な登りになる。11時前に90°カーブ到着し小休止していると予報通り雨粒が落ちてきた。ここから先は雨に打たれながら黙々と登り13時過ぎには三国小屋に到着。
 小屋に入ると新潟山岳会の他にもう一組テントを張っていた。荷物を片付けていると切合小屋までルート工作に行った新潟山岳会のメンバーが戻ってきて合同忘年会となった。
《31日》
 4時30分起床。朝食を取り本日下山する新潟山岳会の4人と一組を見送り我々もルート工作に出発。メンバーの一人が体調不良の為3人で出掛けた。風、雪ともまずまずで昨日新潟山岳会が立ててくれた旗竿を頼りに進む。種蒔山を越えたあたりから風が強くなり9時過ぎに切合小屋に到着。中に入り小休止。
 外に出ると一段と風が強くなっていた。10時45分、草履塚までで本日のルート工作は終了し引き返す。つい先ほどまでのトレースが無くなり少しのラッセルしながら下山。切合小屋を通過し種蒔山周辺は時折ホワイトアウトで旗竿がとても頼もしい。暫くするとメンバーの一人が迎えに来てくれ4人でラッセルしながら13時に三国小屋に戻った。
 本日は我がパーティー4人だけなので小屋も寒く、外は強風になっていた。明日の本山アタックに備え20時にはシュラフに潜り込んだ。
《1日》
 4時起床。前日の風が嘘のように穏やかな朝を迎えた。これなら行けるかも。期待を胸に6時50分出発。しかし、風はないものの場所により膝上のラッセルになる。RyouさんWKBの二人でグングン進む。後ろを振り返ると三国方面から太陽が上がってきた。まるで初日の出のようだった。8時30分切合小屋に到着。前日にここに泊ったYASUさんHODAKAさんは本山以降を目指し出発したようだ。ここでエネルギーを補給し更に上を目指す。9時27分草履塚通過し9時47分姥権現。ここでスノーシューをデポしアイゼンに履き替える。
 岩場の御秘所はいつも通り上を通過。いよいよ最後の踏張り御前坂に差し掛かった。各自マイペースで直登。上部で下山してきたYASUさんHODAKAさんとスライド。話を聞くと本山小屋から本山までがラッセルが酷く本山で戻ってきたとの事。10時57分本山小屋に到着。一気に本山を目指す。風が更に強くなりすでに2人のトレースは無く、場所によっては腰までのラッセルとなった。11時20分ついに本山三角点に立つことができた。各々写真をとり下山開始。天気は下り坂なので風雪が強まる。
 本山小屋の隣の神社で初詣。姥権現でデポしたスノーシューを回収しアイゼンのまま登り返して草履塚手前で履き替える。途中ルートを間違え登り返しGPSで確認し14時切合小屋。当然ここからもトレースは無く永遠とラッセルが続く。15時20分三国小屋に戻ってきた。今晩はYASUさんHODAKAさんを含めて6人で新年会で盛り上がった。
《2日》
 4時起床。外を見ると時折吹雪いている。朝食を取り3泊お世話になった小屋を清掃し、記念撮影。一足先に新潟の2人が出発し後を追って7時過ぎに小屋を後にした。新潟の二人はワカンの為ラッセルに苦戦している。ここは初日の恩返しとばかりに先頭を代わってスノーシューでガンガン進む。場所によっては腰上のラッセルになる。
 9時20分タカツコ沢に徒渉点に到着。慎重に徒渉し登り返したところで一息入れる。ここからは若干の下りではあるもののほぼ平地を黙々と歩く。下界では風も穏やかになり降雪も少なくなっていた。
 膝付近のラッセルが続いていることで川入まで車が進入することは不可能だろうと諦め、テンションが下がる。11時35分川入に到着。やはり車が入った形跡がなくこれからの林道歩きを覚悟し、エネルギー補給。ここで新潟の2人が先行する。黙々と歩き始めると目を疑う光景が飛び込んできた。雪煙りを上げ車が走ってきた。しかしその車は迎えの車ではなく一般の方だった。それでもラッセルが無くなるだけでずいぶん楽になる。そう考えて先に目をやるともう一台の車があり先行した新潟の2人の荷物を積んでいる。近づいてみると新潟山岳会の西口さんが雪の中を
迎えに来てくれたようだ。ありがたいことにピストン輸送してくれるとの事。スノーシューを外し暫く歩みを進める。車に乗せてもらい進むとDCUの奥さんも迎えに来てくれた。その場でUターンしてもらいいいでの湯まで送っていただいた。風呂に入り4日間の汗を流し帰路に着く。WKBを送り自宅に17時過ぎに到着した。
 一緒に登って助けてもらった新潟山岳会の皆さん、天気情報を常に提供して下さった山友LTQ、小国山岳会そして応援してくれたすべての人に感謝します。
30-31日の軌跡
01日アタックの軌跡
最終日の軌跡(松の木尾根)
川入集落にて
御沢を目指す
三国岳遠望
御沢
タカツコ沢渡渉点
松の木尾根に上がる
トレースを辿る
積雪深を記録
翌31日、偵察とルート工作に出発
三国小屋を後にする
急斜面を越える
四つん這いになって登る
雪庇を踏み抜かないように
柴を確認しながら進む
太陽が姿を現した
まもなく切合小屋の筈
今日は草履塚で引き返すことにした
無事に三国小屋に戻り、4人だけの大晦日となった
1日の早朝、今日は山頂に向かう
三国小屋を出発
昨日の赤布を目印に進む
足が取られた!
深い雪庇の亀裂だった
次第に明るくなる
振り返ると初日の出!
思わず両手を合わせる

続く ➡