登山者情報1,665号

【2013年06月20-22日/山形県高等学校登山指導者講習会/井上邦彦調査】

 平成25年度山形県高等学校登山指導者講習会が月山で実施された。主催は屋ががた県教育委員会、主管は山形県高体連登山専門部である。初日は志津にある県立自然博物館で座学が行われた。博物館の駐車場と手前の道路は、タケノコ採りの車で溢れかえっていた。最初に各校から現状や留意していること困っていることが報告された。各校がそれぞれ工夫している様子が紹介され興味深かった。
 参加した顧問教諭は8名であるが、9年〜24年の経験者が4名、1〜3年が4名であった。最近の顧問は経験者の長い方と短い方の両極端になっており中間層が少ない。それまで登山の経験が全く無い方が突然に顧問として生徒と一緒に行動することになる。他の部活と違って、顧問は自分も生徒と一緒に山を登らなければならないことが他の部活と違うところである。
 高体連顧問の経験者でもる山形県山岳連盟会顧問(鶴岡山岳会・上級指導員)の船越重幸さんが、自分の経験を基に、「過去の事故を踏まえ、まず顧問教師が山を楽しむ」ことが大切と話された。
 続いて山形県山岳連盟登山部長(小国山岳会・上級指導員マスター)の井上が、山での救急法を指導した。特に過去に死亡事故のある熱射病(熱中症)の具体的な事例と対応策について説明、WHOに基づいた経口補水液を作成(粉末クエン酸を添加)し市販のOS-1と飲み比べてもらった。すると全員、自作品の方が飲みやすいとの感想であった。
 翌日は、志津から姥沢まで旧道を歩き、実際にロープの使い方や搬送を体験した。井上は22-23日と保全技術部会講習のため帰宅した。参加者は22日、県立自然博物園眞鍋雅彦さんの講話を聞いて講習会は終了した。

しばらく登ると残雪が出てきた
急斜面を登る
登山道は雪に覆われている
姥沢が近づくと、雪崩で崩壊した姥沢小屋の残骸があちこちに
姥沢小屋は工事中
帰路、7mm30mロープで使用方法を学ぶ
ムンターヒッチ(のの字)で斜面を下ろす方法
当然ながら懸垂下降もやりました
持ち合わせたザックで背負い搬送
昨日の講義を覚えているかな
自作の搬送用具で担ぎおろします
背負いての交替
(日山協指導員総会研修会の方法を採用)
急な所は慎重に
教育庁から来た事務局の方も担ぎを体験
ブナの林に包まれて下りました

おわり