登山者情報1,740号

【2013年12月29日〜01月01日/大石ダム〜権内峰/佐々木大樹調査】

【メンバー】 清水洋樹・加賀谷亮・佐々木大樹
 年末年初は川入から本山、と思っていましたが、夏に車道の決壊がありさてどうしようかと話し合っていたところ、杁差岳が候補にあがりました。過去の記録なども見て、権内尾根往復で考えることにし、事前に荷上げも済ませていよいよ年末入山となりました。
【12月29日 曇時々晴】
 道の駅関川に6:30集合。山岳会のサポート隊は竹爺と政信さん、ハイジ、岳友の笹川さんと富樫さんも。みんなありがとうございます。井上会長が出発前にわざわざ顔を出してくださりました。記念撮影後に出発!
 本隊の3人の車はダムに長期間放置になると除雪の邪魔になるので、道の駅にデポしてサポート隊の車に乗り合わせて出発します。大石ダムに向かいますが、思ったよりも雪が少ないです。到着して準備をして7:00歩き始めます。初日である今日は林道歩き8キロメートルがメイン。
 長い林道歩きでスノーシューは疲れるので、足回りはスキーです。ひざ上ラッセルを覚悟しましたが、全然少なく、サポート隊の先行もあり快調に歩きます。林道歩きはほとんど平坦です。途中、数か所に沢が横切っていて大股開きで通過。一か所のみスキーを脱がないと歩けない場所がありました。駐車場に車が3台止まっていましたが、スノーシューの跡があり、どうやら先行者がいるようです。彫刻公園を過ぎて、ひたすら林道。でもみんなで行けばそれも楽しいものです。何か所がブロック雪崩の跡があり、気温が高い日は注意が必要です。万が一巻き込まれたらそのまま埋まってしまうか、川まで飛ばされてしまいます。
 11:00林道終点に到着。ここでサポート隊と別れます。みんなありがとう^^
 私はここでスキーを脱ぎスノーシューへ。しみけんさんとリョウさんはまだスキーで粘ります。橋を越えて急斜面を登って尾根に出たところで2人もスキーをデポ。ここから尾根を登ります。夏道のトラバース道にはたっぷり雪がついていてとてもトラバースできるような状態ではありません。そのまま尾根を登って、心配の少ないところで二号橋に向かって下ります。途中穴が開いていて、一度穴にはまると抜け出すのに非常に苦労しました。悪戦苦闘しながら11:30に2号橋に到着。時間もまだ大丈夫そうなので、橋を渡って631mにあるデポ品までの急傾斜を登ります。今日はデポ地までたどり着かないだろうと思っていたので上出来です。天気も時々晴れ間が見えたりしてまずます。今日は一日吹雪だと思っていたのでちょっと拍子抜けです。雨量観測所すぐ下の急斜面がかなりいやらしく、危険です。「あれ、こんなところあったかな?」というくらいの急斜面。下山時は注意が必要そうですね。
 デポ品を回収して、もう少し高度を上げます。先行者が前日テントを張ったと思われるところをありがたく使わせていただき、13:50そこにテントを張りました。
 初日は林道終点で終わると思っていたので、夕食は豪華鍋。疲れた身体にお酒が染み渡り、何時だかわかりませんがシュラフに潜りこみました。
【12月30日 雪】
 昨日の疲れもあり、朝7時くらいまで爆睡。今日の予定は千本峰まで歩き、テント。明日杁差岳アタックの予定でしたが、外は吹雪。かなり風も強いです。「うーん、どうすっかな」と言いながら、テント内でグダグダ。しばらく待っても天気は回復する様子もなく、今日は空荷で偵察だけにすることにしました。12:00頃に出発。迷いそうなところに目印をつけていきますが、先行者も要所要所にしっかりと目印をつけていました。かなりのベテランパーティーのようです。
 カモス頭から上の東斜面には雪庇が発達していて、時々切れ目が入っていたりします。注意をしながら高度を上げます。権内峰直下はすさまじいほどの急斜面に雪がたくさんついています。その様子はすさまじく、「えー、こんな風に冬はなっちゃうの?」という感じです。歩く場所に注意しながら急斜面を登ります。
 時間もかかりましたが、14:00何とか登り切りました。ここまでくればメールができるので、井上会長にメールし、無線も通じたのでODDと交信。下は雨ですがほぼ無風状態ということ。下で雨ということはやはり気温はかなり高いです。
 ツエルトかぶって、とりあえず一息入れます。暖かいお湯が身体にしみます。ツエルトの中で「おーい」というような声が聞こえ、恐らく先行者だろうと思いますが、姿は見えませんでした。
 休憩後、下山開始です。先頭を行くリョウさんが途中2回ほど雪庇を落としてしまい、怖い思いをしました。カモス頭から上の雪庇は本当に注意が必要ですね。
 15:10無事にテントに戻り、積もった雪などを片付けて中でカンパイ。ラジオを聴くと明日からも天気はかなり悪くなりそう。今回は諦めて、明日は下山して安全なところでテント泊。その翌日に下山することに決めました。
【12月31日 雪後曇】
 再び爆睡し、起床。テント内でうだうだ。しばらくすると先行者が下山してきました。4人でしたが、もう3人は杁差を過ぎて、飯豊連峰全山縦走して、弥平四郎に下山する予定だそうです。いやいや、これはすごい。情報交換をして別れました。
 まだしばらくノンビリし、我々もいい加減片づけを始めます。11:30出発。デポ品の残りはまだ次回の為に残しておき下山開始。急斜面なので、スノーシューを外してワカンに切り替えます。
 雨量観測所下の急斜面は予想通りかなりいやらしい。アイゼンをつけるまでではありませんが、ワカンを外してピッケルを使って慎重に通過しました。今回の山行で一番の難所かもしれません。ガンガン高度を下ろして、無事に13:10に2号橋まで降りてきました。やはり雪の付き方が半端で、結構苦戦しました。二号橋の通過はかなりおっかないです。雪がたっぷり積もってきたら、ここは通過できるのだろうか・・・?
 小休止して、尾根に上がってスキーを回収。無事に14:00に1号橋まで来ました。それにしても天気は予報が外れたのか疑似好天なのか、青空まで見えている。もしかしたら今日山頂まで行けたかな?まあ仕方がないですね。
 ここからは長い長い林道です。途中、ここ数日中にまた雪崩があったようで、やはり林道歩きはちょっと怖いです。水分を吸ってザックはとんでもない重さになっています。難儀しながらなんとか彫刻公園まで歩き、16:20到着し、テントを設営。今日は最後の夜。年越しでもあるので、じっくりと夜遅くまで楽しみました。
【1月1日 雨】
 朝起きると雨。それもかなり雨足が強いです。何もかもがすべて濡れてしまい、今日が一番寒い・・・。あまりのんびりしているとテント内が完全に浸水してしまいそうな勢いだったので、しぶしぶ片付けます。
 なんとか大石ダムまで歩き、ここでタクシーを呼びます。みんなに下山報告をしている間にタクシー到着。車を回収して、荷物も回収。その後はゆ〜むでゆっくりと身体を温めて、解散となりました。
 今回は登頂できず残念でしたが、一度行って色々分かったこともあります。やはり一度で登ろうなんていう考えは甘かったですね。反省点もあるので、まだリベンジしたいと思います。

スキーを履いて出発
ラッセル支援 助かります
ちょっと休憩
一号橋に到着
支援隊ありがとう^^
尾根を上がります
二号橋はおっかない
尾根に乗ります
尾根を登る
テント設営準備にかかります
仕上げ
デポ品を回収
初日は意外と好天
初日の夕食は豪華鍋
カモス頭から上の雪庇
注意しながら通過
風で雪が飛んでいるところは楽
急斜面は大変
ルートどりに苦戦
道を間違えたので戻ってやり直し
激しいラッセル
何とか登りきる
権内峰直下はものすごい急斜面
権内峰到着
下山開始
雪庇の切れ目
リョウさん手作りの目印ケース もちろん自然分解します
戻ってきてテント除雪
翌日は幻想的な景色
凍りついたストック
下山しましょう
雨量観測所下の危険個所
ストックの輪をなくしたので代用品です
美しい景色
大境山
二号橋を通過
スキーに履き替える
スキーに苦戦
林道のデブリ

おわり