登山者情報1,809号

【2014年07月28-29日/石転ビ沢:捜索/井上邦彦調査】
 登山道保全技術講習会を終えて帰宅すると、役場の担当課長から電話があった。とりあえず警察署に出向くと「22日飯豊山荘に宿泊し、そのまま車を置いていった登山者がまだ帰っていない」とのこと。数日前に私が回収した登山者カードを調べると、該当者のものがあった。石転ビ沢を登ってダイグラ尾根下山である。梅花皮小屋・御西小屋ともに泊まった記録はない。その後、本山小屋・門内小屋にも泊まっていないことが判明した。
 家族に連絡をとってもらい、捜索依頼が出された。小国署員はPWD以下4名、中央班は私とLFD、飯豊班はGCS以下2名で翌朝、石転ビ沢に向かった。まず梅花皮沢を捜索し、転落している可能性を潰し、石転ビノ出合でふた手に分かれた。その間、梅花皮小屋からOTJが下降し、中ノ島(草付き)東側の沢を捜索、ホン石転ビ沢出合上から戻って、西側の沢を探した。
 飯豊班2名と署員1名、私の4名は門内沢を遡り、通称三俣まで行った所で、無線から「県警ヘリが北股沢でザックを発見した」と連絡が入った。直ちに石転ビノ出合まで下り、石転ビ沢を登った。ホン石転ビ沢を捜索していたLFDやPWD達はヘリから連絡のあった座標に従い、北股沢左俣に入ったが、ザックを見つけることはできなかった。私達も北股沢出合から左俣に向かったが、LFD達が移動することによる落石が激しく、安全な所を探して待機した。
 再度飛来した県警ヘリの誘導を受け、LFDがザックを回収した。その後、軽アイゼンの単独登山者が登れないで下ってきたので、アイゼンを貸し与え隊員を付けて下山した。
 翌朝は、石転ビノ出合を過ぎた所で、防災ヘリが遭難者を発見しピックアップに成功した。
梶川出合
石転ビノ出合
雪渓が崩壊し始めておりルート選定をま違わないこと
門内沢を見上げる
石転ビ沢上部
門内沢を捜索しながら登る
三俣が見えてきた
三俣に到着
扇ノ地紙から来る滝
石転ビノ出合から仕切りなおすが、変なルートを取っている登山者がいた
石転ビ沢上部
北股沢出合
中ノ島(草付き)
先行するLFD達
県警ヘリ月山
捜索に向かう先行隊
県警ヘリが現場に誘導する
回収したザックを担いで戻るLFD
先ほどの登山者が下ってきた
中ノ島(草付き)
LFD達が捜索した現場
県警ヘリに回収したザックを引き継ぐ
LFD
石転ビ沢で拾った滑り止め アイゼンのつもりだろうか?
赤滝
ザックがあったのは猫の雪形の頭部の上
翌日左の尾根を越えた所で遺体が発見された

おわり