登山者情報1,890号

【2015年06月13-14日/石転ビ沢〜梶川尾根/草刈広一】
 石転ビ沢登って梅花皮小屋の小屋番をしてきました。福島のシミケンさん(左)とみっちゃん(右)が同行してくれたので、中ノ島を過ぎた急登も心強かったです。この日は新潟山岳会のメンバー7人や茨城からの3名など20人の泊まり客となりました。翌14日に梶川コースで下山しましたが、その時みられた花や昆虫を紹介します。
同行してくれたシミケンさんとみっちゃん
ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)とオヤマノエンドウ(カイラギ小屋付近)
 オヤマノエンドウは本州中部と飯豊山にだけ分布する貴重な花です。
チングルマ(奥は梅花皮小屋)
           コガネコメツキ(梶川尾根ケルン付近)
 高山性のコメツキムシです。本州では鳥海、月山にのみ生息する近似の
アラコガネコメツキも飯豊山に生息していないか調査していますが...
           ミヤマツチハンミョウ(梶川尾根 1748m)
 飯豊山では記録がありましたが、夏には姿を消すようで、私は初めて見ま
した。少しピンボケになってしまいましたが、光沢のあるルリ色が印象的です。
翅は退化して飛べず、幼虫はハナバチ類の巣に寄生すると推定されていま
す。6月17日にも地蔵岳〜目洗い清水間で1オス1メス見ました。
         スゲの穂で交尾するネクイハムシの一種
梶川尾根稜線に小規模な湿地があり、スゲの一種に多く見られました。金色
や赤、青色の個体があったので、スゲハムシと思われます。シミケンさんのよ
ると、ここには登山道から土砂が流れ込んでいたので、数年前の保全活動で
流れ込まないようにしたところ、湿地が安定したそうです。大きな湿原が少な
いために、飯豊稜線でネクイハムシの仲間をみたのは初めてですが、地道な
保全活動が多様性を支えているようです。
                ギフチョウ(梶川尾根 1080m)
 滝見場からさらに下ったところで、シミケンさんがアブのようなものをみつけ
たので3人ともたちどまりました。アブはどこかにいったのですが、その時み
っちゃんが石にしましまの蝶がとまっているのを見つけ教えてくれました。サ
カハチチョウあたりかなと思って近づくと何とギフチョウでした。これまで大境
山やヌクミ平では飛翔を確認していましたが、飯豊の核心部での貴重な発見
となりました。

おわり