登山者情報1,917号
【2015年08月29-30日/古寺〜大朝日小屋:朝日連峰合同保全事業/井上邦彦調査】
2015年08月29日
03:50自宅まで来てもらったIUYの車でLFD宅へ向かう。途中でAXLとMNNを合わせ、5人はLFDの車で集合場所の古寺鉱泉に向かう。途中のコンビニで食料を調達する。木川ダム付近が道路工事中のため通行止め、朝日自然館から砂利道を通り、05:50古寺鉱泉に到着する。集合時刻の1時間前だというのに沢山の車が止まっていた。中には前夜に来て車中前泊という方もちらほら。
今回の参加者は日帰り2名を加えると総勢50名の大所帯である。ここでDCUとEBJを加え、小国山岳会は7名の参加である。いつも登山者の多いこのコースなので宿泊が心配されたが、幸いにも天気予報は良くない。DUCからは小国山岳会の団体装備としてビール、保全事務局からは麻ネット、LFDから椰子ポットを渡され、合羽を着て荷物をパッキングする。
朝日保全連絡会代表幹事の渋谷さんと今回の保全作業総括の花山さんから挨拶と連絡があり、施工箇所毎3班に分かれる。私はB班、西川山岳会の大江さんが班長、大江山岳会の木村さんが副班長である。班長から作業の概要説明があり、各自の自己紹介。準備のできた班から順次出発となった。ちなみに私は07:20発。
始めはB班の皆さんと一緒だったが、背負子の調節がうまくいかず、背負い心地が今ひとつで荷物が肩に食い込む。長靴に合羽のいでたちであるが、どうしてもマイペースになっていつの間にか皆と離れてしまった。
08:39-58一服清水で喉を潤し、09:05ハナノキ分岐を通過し、以前の保全箇所を通過して09:38-49三沢清水へ。ここは事前の情報通りほとんど水が出ていなかった。背負子の腰バンドが邪魔をして足が上がらない。10:15古寺山通過、10:40-54休憩、11:13小朝日からの登山道と合流し、何とかして11:56銀玉水に着くと、先に着いた方々は風を避けて休んでいた。ここで夕食分の水を水筒に入れる。多少重くなっても保全箇所まで行けば軽くなる。
施工箇所到着後、直ちに作業に着手する。手順を確認後、班長の指示により私は石畳まで下り、丸太で作られた水路に溜まっている土砂を背負子の箱に入れて何度も上り下りを繰り返す。最下部を施工しているA班の施工箇所を通る度に次第に歩きやすくなっていく。
B班は私達が運んだ土砂と椰子繊維を椰子ネットで巻いてだんだん畑を作る。傾斜に変化を与えることで局所的に平坦部と水の受け皿を作って、植物の侵入を図ろうとするのだ。また水路から運んだ土砂には黒土や種子、芽生えた植物などが混入しているので、植生復元の基板になることを期待している。
途中まで作業を終えた所で、日帰り組の富樫さんと加賀谷さんが下山をした。私達もあまり遅くならないうちにと、作業を切り上げて大朝日小屋に向かう。15:21小屋着。いつの間にか雨が止んで雲が切れ、雲海の上に月山と鳥海山が顔を覗かせてくれた。小屋の外に出て合羽を干していると、ブロッケンも歓迎してくれた。何時ものことながら楽しい懇親会で人に酔い酒に酔い、寝袋に潜り込んだ。
翌朝も残念ながら視界なし。朝食の蕎麦クレープと特性うどんに舌鼓をうち、合羽を着て外に出る。
B班は昨日に続いて、土嚢やネットで小ダムを作り、椰子ポットに土を入れて並べる。私は班長の指示で石畳に下り、あちこちに刺さっている鉄筋の杭を抜いて運ぶ。それで椰子海苔巻きを固定するのだ。とにかく現場にあるものは全て利用するというのが保全のやり方である。その後、全面に麻ネットを敷き詰めて今回の作業は完成した。
振り返りは上部のC班々長庄司さん、B班々長大江さん、C班々長柴田さんの順で行なわれ、菊池先生と川端さんから評価があった。この中では椰子ネット海苔巻きを、土砂をネットで巻くのではなく、海苔巻きと同じように薄く伸ばした土砂をきっちりと巻いていく方法、踏圧を軽減するために完成した土嚢の上の土砂を掛ける方法が新しく実験され、結果が興味深い。
その後、今回は現場解散とし、それぞれに下山した。
総勢50名、沢山の方が集まってくれた |
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花山幹事の挨拶 |
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渋谷代表幹事の挨拶 |
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B班の打ち合わせ |
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こちらはC班 |
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A班が出発 |
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一服清水にて |
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三沢清水は水が出ていなかった |
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施工箇所に到着し、水路に溜まった土砂を取り除く |
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A班は過去に設置された丸太を撤去する |
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椰子ネットに土砂と椰子繊維を入れて |
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丸めて |
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だんだん畑を作る |
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土砂を運ぶ |
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C班 |
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土嚢で小ダムを作る |
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C班は土嚢を重ねて登山道を作る |
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新しい椰子ネットの海苔巻き作成法 |
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固くしっかりと巻いていく |
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椰子ポットの設置 |
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水路から取れた植物を椰子ポットに入れる |
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並べて |
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砂を掛ける |
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麻ネット張り |
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日帰り組の下山 お疲れ様でした |
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大朝日小屋に向かう |
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これまでの天候がウソのようだ |
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小屋が見えた |
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後ろは小朝日岳 |
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渋谷代表幹事のねぎらいの言葉 |
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乾杯! |
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うまい〜〜 |
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今夜のメニューは塩ちゃんこ |
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管理人の阿部さんも一杯 |
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山大名物餃子が回ってきた |
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続いてホルモン焼き |
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どれどれ 味見を |
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う〜ん たまんない |
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翌朝は小雨 |
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作業開始前に記念撮影 |
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小屋からハンガーを持ってきてしまった |
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ネットを貼るC班 |
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渋谷代表もネットを貼る |
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C班も椰子ポットを設置 |
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古い施工地から抜いてきた鉄筋で土嚢を固定 |
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豊富な資材は皆の汗の賜物 |
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A班の麻ネット貼り |
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皆の力がひとつになる |
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作業終了 これから振り返りです |
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C班の施工地を庄司班長が説明 |
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見違えるようになった登山道 |
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工夫したこと苦労したことを説明 |
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菊池先生が講評 |
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続いてB班は大江班長が説明 |
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A班は柴田班長が説明 |
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花山幹事の挨拶で現地解散 |
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下山途中、登る時にはなかった樹木の倒壊があった |
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ずぶ濡れになって古寺に戻りました |
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おわり