登山者情報193号

【石転ビ沢】

地竹原の慰霊碑を過ぎて滝沢出合手前で一度雪渓に上がるが、すぐ夏道を登る。梶川出合手前の崩壊地の登山道が、梅花皮沢の流れが変わったことにより、水没寸前となっている。若干の増水で大幅な高巻を強いられる可能性がある。梶川を飛石づたいに渡渉すると残雪があり、残雪の上を歩くが、川原づたいでも可能である。
石転ビノ出合の雪渓は、門内沢から出合の下部まで伸びているが、大きな穴と亀裂が入りコース選択が難しくなっている。この日は出合門内沢と石転ビ沢の合流点の下部を左岸から右岸に雪渓の上を通ったが、今後は合流点の上部の雪渓を渡って石転ビ沢に入り、石転ビ沢の左岸から右岸に飛石づたいに渡渉することになる。なお石転ビ沢は合流点からしばらくの間は雪渓がない。
石転ビノ出合の上の雪渓は概ね右岸に近い部分を登るが、亀裂が多く右岸からの小沢付近の状態が悪い。ホン石転ビ沢出合で左岸沿いにコースを変更する。北股沢手前の左岸の小沢から出た土石流の付近は、亀裂が多く薄くなっているので、一部は左岸に上がる必要がある。さらに右岸沿いに移り北股沢出合を目指す。北股沢出合の清水を過ぎたら早めに左岸の踏み跡に上がる。雪渓は黒滝で終っている。
黒滝の上で踏み跡は二つに分かれる、上の道はまもなく小沢に出て尾根を登り左の小沢を渡って草付きに出る。下の道はそのまま本流を辿り、二股で右手から巻くように草付きの夏道に上がる。その後はひたすら夏道を辿って梅花皮小屋に着く。
梅花皮沢・石転ビ沢で見かけた花は、次の通りである。エンゴサク・エンレイソウ・サンカヨウ・アズキナシ・タニウツギ・シシウド・ハクサンコザクラ・ニッコウキスゲ・ヒメサユリ・ノウゴウイチゴ・ミヤマキンポウゲ(盛)・モミジカラマツ・ハクサンボウフウ・フキユキノシタ・シナノキンバイ(盛)・ウサギキク
1995年08月15日(井上邦彦調査)