全7日間の縦走の内、6日目〜7日目の記録になります。
・・6日目:5月4日(木)終日快晴・・・・・・・・
【飯豊本山小屋〜御西〜烏帽子岳〜梅花皮小屋】
歩行距離 9.1km
累積標高(登り) +543
累積標高(下り) −790
始点標高 2097
終点標高 1853
飯豊本山小屋発 7:16
飯豊本山 7:28
御西避難小屋 8:21
烏帽子岳 11:11
梅花皮岳 11:55
梅花皮避難小屋 13:16
土曜日が雨天の予報なので、金曜日中の下山を考え、門内ないし頼母木の小屋まで前進するつもりで出発。縦走記録を華々しく飾るには杁差か二王子、蒜場まで延長すると格好がつくが、前者は下山後の長い林道歩き、後二者は藪漕ぎを強いられる事になるので、全く触手が動かない。
朝のうちは雪も腐らず、御西までは快適に硬雪の上を飛ばすも、御西から先は雪がヌカる様になり難義する。比較的標高の高いエリアでは最近に纏まった降雪があったようで、雪がザラメ化しておらず締まっていないので誠に歩きづらい。4日目辺りから疲労のピークが続く体には堪え、天狗岳付近からたまらずカンジキを装着。
天狗〜烏帽子間で、梅花皮小屋から来たsasa氏(
http://www.inet-shibata.or.jp/~ltq/)とmasa隊長、ウタマルマン(
http://akashi.naturum.ne.jp/)の3名とスライド、梅花皮にて同宿する事に変更即決。
小屋に到着すると、昨日出ていなかった清水が盛大に流れており疲弊した体に清々しくありがたい。梅花皮小屋は20名を越える宿泊者で賑わい、夜は満点の星空と月明かりに浮かぶ大日、北股の雄姿を眺めながら岳友との晩酌を楽しんだ。
・・7日目:5月5日(金)快晴のち高曇り・・・・・・・・
【梅花皮小屋〜門内〜地神山〜三匹穴〜西俣ノ峰〜奥川入】
歩行距離 13.06km
累積標高(登り) +527
累積標高(下り) −2073
始点標高 1853
終点標高 308
梅花皮避難小屋発 8:30
北股岳 9:02
門内小屋発 10:03
三匹穴 11:50
西俣ノ峰 13:54
十文字池 14:00
奥川入(西俣尾根)登山口 14:30
今縦走の最終日である。小屋の清掃等をしてゆっくりと出発。頼母木山の手前からトラバース気味に西俣尾根を目指すが、例年よりかなり傾斜が急で驚く。西俣尾根の下降途中では数名の知人とのスライドがあり、さながらアルプス銀座と言った趣で、数日前の完全無人領域とは全く異なる。
十文字池付近ではブナの新葉が満開で目に優しく、夏道ではカタクリやイワウチワが愛らしい。山桜とヤシオツツジが同時に咲く急な尾根を下り、7日間の縦走を締めくくった。
下山後、奥川入民宿で御主人と歓談しながら熊汁を馳走になり、小国駅に送ってもらって帰路についた。帰路のビール片手の鉄道旅もまた縦走の締めくくりとして旅愁があり心地よい充実感に包まれたものであった。
・・・・総括(記録整理・数字遊び・雑感)・・・・・
7日間の縦走の記録を整理した結果
総歩行距離 102.38km
累積標高(登り) +8539
累積標高(下り) −9020
となった。
総歩行距離 102.38km は概ね、以下の新幹線営業距離に近い距離
東海道・山陽新幹線 東京−熱海 104.6km
東北新幹線 東京−宇都宮 109.5km
上越新幹線 東京−高崎 108.0km
累積標高は
世界の高峰Top4
エベレスト8848m・K28611m・カンチェンジュンガ8586m・ローツェ8516m
に対し下りは全てを上回り、登りはNo.3とNo.4の間の数字になった。
約十年前に会津朝日(只見町)〜丸山岳〜三ツ岩岳〜会津駒〜尾瀬御(桧枝岐村)の縦走を行っっていて、当時と現在の体力比較を兼ねて当初はこのルートに再挑戦するつもりであった。
しかし、このとき利用した路線バスが廃止となっており、JR只見線一部区間が豪雨水害から復旧しておらず代行バス輸送。アクセス段階で疲弊しそうなので容易にアクセス&帰宅できる吾妻〜飯豊に変更した次第。
今回は4日目からペースはさほど落ちないものの疲労感が強くなり、6日目は明らかに登高ペースが低下した。やはり10年の年月は、確実に体力の低下を進行させているようだ。しかし人間の足とはすばらしいもので、いかなる機械を持ってしても辿る事の出来ない雪峰を延々と歩き通していける。記録整理が終わって、来年の残雪期縦走に心が躍りはじめた。