登山者情報2,071号

【2017年07月12日/石転ビ沢救助訓練/井上邦彦調査】

 一昨日の疲れが取れないまま昨日は救助訓練に同行してきた。石転ビ沢は出合までのルートファンディングが難しくなってきていた。今回の救助訓練は中央班・飯豊班・小国警察署の共同で実施された。雨も混じり決して良いコンデションではなかったが、20代前半の若手2名も参加し積極的に搬送訓練を行った。また今回は始めての試みとしてドローンを飛ばしてみた。
 私は最年長者としてついて行くのがやっと。ロープワークも国立登山研修所の最新技術が導入されるなど、大変に充実した訓練であった。参加者の皆さん、お疲れさまでした。

【雪渓の状況】

・石転ビ沢の雪渓は急激に融雪と崩壊が進行しています。通行には十分に注意してください。
・梶川出合の直前から雪渓が出てきます。雪渓には穴が開き始めました。左岸(上流から見る)沿いに進み梶川を横切るルートの雪渓が薄くなり始めています。7月12日は通行できましたが、今後数日で渡れなくなると思われます。
・上記の雪渓を渡らず梶川に降りて遡り、渡渉する方法もありますが、沢身を攀じ登ることになります。
・雪渓に上がらずに高巻き道を通って梶川に降り、渡渉して対岸の雪渓に上がるルートが安全です。
・梶川出合上流の大岩付近は雪渓の崩壊が進行中です。7月12日は雪渓を横断し右岸(上流から見る)沿いに進み、上流で左岸に戻るルートが使えましたが、今後は使えなくなります。
・左岸の夏道沿いに進むルートは、雪渓が大変に薄くなっている場所や、大きく亀裂が入って傾いている場所を通過することになります。大変危険な状態ですが、上記が通れなくなればこのルートになります。
・この後いったん夏道を進み、赤滝手前の大岩(通称:福島の大岩)に出ますが付近は穴が開き始めています。
・赤滝のへつり付近は雪渓が陥没したり、亀裂が入り始めています。・中ノ島(草付き)最上部のトラバース(滑落事故多発地帯)の残雪はなくなりました。

雪渓崩壊地のルート
湯沢ゲートに集合し、隊長からの訓示
ブナ林の林床にショウキランが咲いていた
時折雨がぱらつく中、訓練現場に向かう
7月1日に整備した所は順調に機能している
落合手前の残雪が消えた
落合から滝沢出合を眺める
梶川出合手前で雪渓に上がると穴が開いていた
左岸沿いに進み
梶川に降り、雪渓の薄さを確認する
雪渓の下は危険なので沢身を登る
梶川を渡渉して再び雪渓に上がる
後続隊は雪渓を渡った
梶川出合上流の大岩はふた手に分かれて登る
左岸から右岸隊を見る
夏道は残雪に隠されている
上記の残雪を上から見ると大変に薄くなっていることが分かる
今にも崩壊しそうな雪渓の脇を通過する
上流から大岩を見る
ここの部分が悪い
大岩付近の崩壊
すぐ上も亀裂が入っている
この先は夏道を進み
福島の大岩(仮称)手前から雪渓に上がる
福島の大岩付近は穴が開いている
PWDが雪渓の注意点を指導する
赤滝のへつり 雪渓に亀裂と窪み
門内沢
石転ビノ出合 水場はまだ露出していない
訓練現場に向かう
落石が点在している
ホン石転ビ沢出合でドローンの試験飛行
このあと急に吹いてきた下降気流によりドローンは大きく流された
思うように戻ってくれないドローンに心配するメンバー
ホン石転ビ沢
北股沢出合の下部から搬送訓練を開始する
今回のテーマは、人間を背負って雪渓を搬送、
スノーバーを使ってグリップビレイ
背負い手の交替も重要なテーマだ
訓練初参加の若手も担ぐ
霧の梅花皮沢
梶川出合上流の大岩を右岸から撮影
訓練を終えて

おわり