登山者情報2,192号

【2020年12月09日/飯豊連峰保全連絡会幹事会(喜多方市山都開発センター)/井上邦彦・草刈広一調査】

 コロナ禍の感染拡大に伴い懇親会は中止となり会議のみとなった。全幹事が出席、アドバイザーと事務局を含めて総勢12名であった。新幹事もいたので最初に自己紹介から始まった。
 席上、平野幹事から「福島県側の山小屋宿泊数は平年の50%程度に留まり、テントの利用が増加した。6月〜7月は少なかったが、8月〜9月には増加している。」と報告があった。
 稲葉幹事からは「6月〜7月の杁差小屋利用者は多かった。頼母木小屋と門内小屋は例年の70%程度。テント泊が多かった。」と報告があった。
 井上幹事からは「6月〜7月の登山者は少なかったが、GoToキャンペーンの時期に合わせるように入山者が増加し、8月は平年並み、9月〜10月は平年より多く推移。全体にテント利用者が増加している。」と報告があった。
【議事1】
・井上幹事から「植生復元箇所モニタリング結果報告」、事務局から「登山者カウンター報告」、伊藤(吉)幹事から「大日杉登山口入山者数」の報告があった。
・川入口の入山者数(前年同月比):7月52%、8月95%、9月120%、10月77%→9/25〜10/15バッテリー不足による欠損があるにも関わらず9月は過去最多の登山者数となった
・胎内口の入山者数(前年同月比):6月171%、7月60%、8月155%、9月185%、10月167%→6月は設置が早かったことと団体が入山したことが原因と思われる
・大日杉口の入山者数(月別分析なし):前年比67%→ツアー客は県警本部に提出して登山口に提出しない傾向がある
【議事2】
・第25回会合は、2021年6月1日(火)胎内市で開催予定とした。
・2021年の合同保全作業は、丸森尾根上部で実施予定とし、今後詳細を詰めることとした。
・2021年1月23日(土)に予定している保全技術講習会は宿泊懇親会なしで開催予定とした。
【その他】
・2021年1月に大雪山でweb会議を予定している、決定したら登山者情報で周知したい。
・第25回会合では代表の任期が切れるので、議題となる。
・出羽三山の風力発電は事業者が取り下げたが、最近は自然再生エネルギーの申請が多くなっている。日本海側の海岸線は設置が終わり、山地がターゲットになっている。尾根筋は景観のみならず道路の建設や土砂の流出など下流域にダメージを与える可能性があるので、情報に耳をそば立てて留意する必要がある。今後はアセス法にかからない小型風車の設置が出てくると考えられるので、都道府県による条例の設置が必要になってくるだろう。
・飯豊連峰の主稜線には幕営地が指定されておらず「幕営禁止」となっている。これまで山小屋周辺に限定し清掃協力金をもらって維持管理してきたが、ソロテントの普及とコロナ禍によって爆発的に増加し、限界を越えて植生に影響を与える可能性が生じている。どのように対応するかを早急に検討する必要がある。現状と課題を一般登山者に提供して、議論を深める場を作ることが重要である。
【会議終了後】
・関係者で「登山道修復技術マニュアル」の内容について打ち合わせを行った。

 

終わり