登山者情報2,193号

【2020年12月16日/朝日連峰保全協議会幹事会/井上邦彦報告調査】

大江町中央公民館 幹事全員出席

@ 渋谷代表より:コロナ禍により2020年は保全作業が中止になった。2021年がどうなるか分からないが、やれる方向で検討したい。
A 2020年度活動報告としてNj川端さんから三方境における植生復元箇所確認調査の報告があった。
・全体的に土砂は安定しているが、一部で新たな浸食が発生している。2019年の台風19号や2020年の豪雨の影響と考えられる。
・下部エリア、山頂エリア、歩行路の土砂は安定している。
・上部エリアから中間エリアに新たな浸食が発生している。
・中間エリアの大型排水工は機能している様子。
・山頂エリアのヤシロールの風裏側に植生を確認した。
・昨年確認された植生は、おおむね順調に生育している。
・土留め本体のヤシ土嚢の一部で植生が消失した。
B 登山者カウンターの報告(2019h31年は未設置なので2018年との比較)
・朝日鉱泉口→7月29日〜9月17日は豪雨被害で朝日町からの車道が通行止めとなった
6月96%、7月40%、8月25%、9月64%、10月79%
・日暮沢口→7月29日〜8月11日は豪雨被害のため日暮沢小屋手前4kmで車両通行止めとなった。
 6月69%、7月43%、8月140%、9月101%、10月359%
・泡滝口
 6月135%、7月64%、8月98%、9月104%、10月114%
・古寺鉱泉口は、設置したものの計器の不具合でデータが取れなかった
C 質疑など
・三方境は一部を除いて良い状態になっており、風衝地における施工方法の気を付けるポイントが判明してきた。
・山小屋の宿泊者数
 大朝日小屋は激減、鳥原小屋は日帰りが増えて減少、竜門小屋は9〜10月が多い、狐穴小屋は減少、天狗小屋は大幅に減少、以東小屋昨年の400人に対し300人と減少しており関東からの登山者が昨年より多くなっている
・2019年に施工したゴロビツ清水の浸食地は大変に歩きやすくなった
D 2021年の事業計画
・第13回会合を5月19日(水)に開催する
・小朝日岳の崩壊地を7月31日〜1日に実施する(鳥原小屋泊)
・合同保全作業は9月11日〜12日中先峰とする。
・保全資材は以東小屋に空輸すると共に、人力で日暮沢小屋から狐穴小屋と竜門小屋に荷揚げすることとし、作業協力者を公募して5月下旬〜6月上旬頃に鶴岡市内で荷造りを行う。
・コロナ禍が継続しても荷揚げは実施する。
・技術講習会を、飯豊連峰保全連絡会と合同で7月10日に座学実施する。なお翌11日は丸森尾根作業予定地の下見を行う。
E その他
・現在技術マニュアル書の作成を進めている。
・webによる大雪山との情報交換
・第13回会合は役員改選にあたる
・生態系保護地域や緑の回廊エリアに風力発電の候補地が想定されるので注視していきたい。
・羽黒自然保護官事務所のアクティブレンジャーを公募している。
・トレランの登山者が多くなるにつれて、クマと会う機会が増加している。
・小屋に泊まりたくない理由からか飯豊連峰ではソロテントの増加が著しい。保全を行っている団体として対策を検討する、一般の登山者も参加するフォーラムを開催したい。
・登山道の保全だけでなく、各種の課題を取り上げていきたい。そのためには総合型協議会を設立し国立公園としてのビジョンやあり方を検討するため、ステージを上げることもあり得る。
・実際に国立公園を利用している登山者に対してアンケート実施していきたい。その手掛かりとしてwebによる調査を先行させたい。

終わり