登山者情報2,206号

【2021年03月08日~09日/五段山/金野伸調査】
【3月8日】
9:21上岩倉除雪終了点→10:47岳谷釣り堀→12:21大日杉小屋
 大日杉小屋までおよそ9キロの道のり。雪はしまっており、かんじきで快調に歩く。スノーシェッドより先は携帯電話の通信圏外となる。1時間強で釣り堀に到着。ここでちょうど中間地点である。
 ふと空を見上げると猛禽が飛んでいる。トビなどより明らかに大きく、長方形のシルエット。双眼鏡を向けると、白い尾羽が見えた。オジロワシだろう。何年か前にも白川ダム周辺で見たことがある。県内だと、よく最上川の河口で見られるといわれているが、まれに、このあたりに飛来してくることがあるようだ。
 大日杉小屋までの林道は、道上を横切るデブリが数か所あったが、特段に危険を感じる箇所は無かった。昼過ぎに小屋着。入口の雪はだいぶ解けており、スコップで少し雪を除けばすぐに入ることができた。

【3月9日」
6:30小屋→7:35標高940m→8:37五段山山頂→10:43小屋→12:24釣り堀→13:42上岩倉
 吊り橋は壊れているため、沢を渡渉する。水量は膝くらい。無雪期とあまり変わらないようだ。吊り橋より50mほど上流で雪壁が若干低い場所を見つけ、沢へ降りる。長靴+カッパズボン+スパッツの装備で足を濡らすことなくクリア。あとは夏道に準じて、スギ造林地から尾根に取りつく。
 1時間弱登り、標高940mくらいで、東側の視界が開けてくる。久々に、携帯の電波が入るようになる。ここで小休止し、蔵王連峰を眺める。しかし、なにかおかしい。蔵王連峰から北に連なる、二口山塊のあたりだろうか。山陵が奇妙に直線的な凹凸状に見えているのである。ああ、これは蜃気楼というものだろうか。不思議な光景にしばし見入ってしまった。
 後で調べてみると、このような蜃気楼は「上位蜃気楼」というそうだ。上下反転し、上に引き伸ばしたような像になるのが特徴で、発生する条件として、上層の空気よりも下層の空気の方が冷たいときとある。確かに前日の日中はかなり気温が上がったが、昨晩は放射冷却が起こり、地表付近はかなり冷え込んだ。上位蜃気楼が発生しうる条件だったとはいえ、山ではなかなかお目にかかれない現象とのことだ。スマホのカメラしか持たず、鮮明な画像を記録できなかったことが悔やまれる。
 さて、五段山への尾根道は、雪もだいぶ落ち着いており、程よい堅雪にアイゼンを効かせて軽快に上ることができた。小屋から2時間で山頂へ到着した。夏場は展望がきかないが、今なら360度のパノラマが楽しめる。標高1,000mを超えたあたりから風が出てきたが、平時と比べればそよ風程度。これ以上望めないほどの好天に感謝。景色を堪能しながらゆっくり下山した。
 チャンスがあれば、また大日杉小屋をベースにして、今度は地蔵岳にもチャレンジしてみたい。
 スマホカメラのズームではこれが精いっぱい
 御田の杉がよく見える
 
小屋の様子 
 
 入口の様子
 
渡渉点の様子 
 
 蔵王連峰~二口山塊方向。左端の方が何か変
 
  変なところのズーム。スマホカメラの画像ではではわかりにくいか
 
尾根の様子
 
 本山が顔を出した
 
 山頂から牛ヶ岩山方面
 
地蔵岳(手前)と大丸森山(右奥) 
 

おわり