登山者情報第2,378号

【2024年7月12日~13日/梶川尾根~御西小屋・遭難/草刈広一他】

 12日は、丸森尾根刈り払い作業が金野・井上、梶川尾根刈払作業が草刈。他に梶川尾根を御西小屋番の梅津と梅花皮小屋番の横山、総勢5名が入山していた。
 11:05渡部隊長から「御手洗ノ池付近の登山道上の雪渓を通過中に滑落。同行者から連絡あり。滑落者は見えない、声も聞こえない」の遭難第一報が救助隊lineに送信された。
 隊長は「全国山岳遭難対策協議会」のため上京し現在会議中とのこと。
 11:18通報者の位置情報GPX届く。これを開くと場所は亮平ノ池である。通報者が間違えたのだろう。
 出張の隊長に替わり中央班長の仁科が小国警察署に向かう一方、出動可能な隊員の募集が始まる。「県警ヘリがっさんフライト不可、防災ヘリもがみを要請中」とのことだ。
 梅花皮小屋まで登っていた梅津に「気象状況を送れ、現場に向かい同行者と接触しろ、出動可能な隊員は警察署集合、刈り払いメンバーは状況送れ」line上で次々と指示がなされる。
 樽口峠に1名配置、2名は石転ビ沢を登って現地へ向かう。丸森刈払メンバーは、作業に最低限の装備しか持参しておらず、現場急行を断念。梶川尾根の草刈が先行している梅津・横山を追うことにした。
12:15稜線は雨が降ってくる。ヘリがフライトできない状況を想定し、翌13日の手配を進める。13:17雷が鳴り始め、雨脚が強くなってくる。
13:05もがみがフライト。13:19梅津が同行者と接触、13:26遭難者を視認したと連絡が入る。3人パーティの2名が滑落し、1名は自力で稜線まで上がったとのことである。
13:29もがみが現地到着。ガス少しあるが風はない。
13:51もがみが要救助者のピックアップに成功。同行者の二人は梅花皮小屋に宿泊。18:52要救助者の訃報が入る。
 翌13日、草刈は途中の残雪の状況を確認しながら御西小屋に向かった。

 滝見場から
 梅花皮大滝

 三本カンバにて

 石転ビ沢上部
 中ノ島(草付き)がそっくり露出している

 遭難現場は烏帽子岳の裏側だ

 北股岳から石転ビ沢を見下ろす

 遭難救助作業中の防災ヘリ「もがみ」
 梅津撮影

 事故発生個所

 ジオグラフィカの地名は間違っていることがある
 これはベースとなる地図の問題のようだ

 ここからは翌13日撮影
 梅花皮岳から烏帽子岳に向かう
 危険とは感じられない

 与四太郎ノ池付近

 クサイグラ分岐の先
 やや危険

 

 烏帽子から降りた先
 クサイグラ尾根分岐手前
 エゾニュウ、スイバ?がうるさい

 クサイグラ分岐先の
 急降下したササ

 亮平ノ池手前の鞍部
 現時点では危険性が低い

 前日の滑落事故現場
 右側に消え残っている氷で滑り、雪ない斜面で止まらずに、5m下から始まる雪渓に乗り上げてしまったようです
 今日は殆ど道の雪は消えている
 

 ここは非常に危険
 夏道が40mに渡って雪に覆われており、冗談も平らでない
 最低でもチェーンアイゼンが必要

 2枚は同じ場所
 角度を変えて撮影
 御西小屋方面から来ると上の道を見逃してしまうので、下の道に石を積んで通行止めとした

 ここはあち2日間くらいで道が出るし滑っても滑落しない

 御手洗ノ池
 滑落の危険はない

 残雪が大規模に連続している
 一度上部に上がれば平らだが、烏帽子岳側で上がったり下がったりする時が大変に危険

 規模は大きいが、上部の平にすぐ取り付け、危険性は少ない

 規模が小さく、上部の平坦部へのとりつきが易しい

 規模は大きいが、平坦面を歩ける
 御西小屋方面からは下の写真のように残雪の真ん中から取り付いてしまいがちだが、左の残雪に乗れば安全
 これから天狗ノ庭への登りが始まり残雪はなくなる

 御西小屋の水場は露出しています

おわり