登山者情報第267号

【朝日連峰:祝瓶山/1997年03月29日井上邦彦・関英俊】

06:36徳網発、木出しのブルの跡を辿る。途中数カ所雪崩の跡、昨日のものもある。ブルの跡を過ぎても堅雪であるが、杉林だとやや抜かる。杉林の雪は夜間の放射冷却の影響を受けにくく、朝は柔らかく昼は堅いように思える。ブナ林でも似た傾向があるが杉林の方が顕著である。川向かいで大きな雪崩が発生する。釣り人が3人、本流で竿を振っている。徳網に停まっていた大宮ナンバーの車の

持ち主であろう。砂防ダム湖畔の枯れ木にアカゲラがとまる。ヒューイ、ヒューイ、ピョッピョッと鳥がホオノキの梢で啼く。07:35大石橋(440m)。雪のため鉄パイプが曲がり橋板が傾いている。一本吊橋の要領で渡る。ブナの梢が赤くなり始めている。もう少し膨らんでくれば熊も穴から出てくるだろう。大石沢を飛び石伝いに渡る。本流右岸の様子を確認調査し、雪で埋もれたスズイデ沢を渡り、08:15尾根

に取り付く。08:22〜29休憩を取りカンジキを着ける。マンサクが満開だ。僅かに登ると夏道が露出していたがすぐに雪道になると思いそのままカンジキを着けたまま登る。08:45(615m)ヒメコマツに小さな板が打ち付けられている。文字は消えているが水場の分岐である。勿論水場は雪に埋まっている。尾根分岐(770m)でようやく雪道となる。爪の大きい自製のカンジキを履いている関さんは太股がつ

り始めた。09:13(817m)小ピークを越え09:22〜37休憩、GPNと交信。1,067mようやくイチノト(1,239m)の岩が見えた。1,200mでブナの木が矮化し森林限界を越えるとイチノトに到着する。10:30〜55ODDと交信しながら、岩の陰で昼食とする。ここにカンジキとストックをデポし、アイゼンとピッケルを出し、角楢沢側の雪庇を避け、南西斜面のトラバースを開始する。主稜が交わる小ピークを越えると雪庇は

安定しているが、新雪がアイゼンに付着してポックリを履いて歩いているようだ。11:33祝瓶山頂着。標識と草原の一部が露出していた。飯豊連峰が標高1,000m以上の部分だけが赤く空中に浮かんでいた。吾妻連峰・蔵王連峰も薄く浮いている。大玉山・平岩山・御影森が続く大朝日岳には夏道が確認できた。ODD・GPNと交信し、12:02下山開始。12:25イチノトでアイゼンを外す。960m付近から夏道

が所々出てくる。12:55〜13:02ブノグラノタルミ(817mピーク上の鞍部)で休憩。この付近は熊の通り道である。紅をさしているイワウチワの蕾を見つけた。昨年と異なり、今年はタムシバの花芽が多い。ムシカリは少な目。鞍部から下部は全て雪道となる。13:20、770mからそのままスズイデ沢と大石沢の間の尾根を下ることとする。この尾根はマタギが熊狩りの時に使う尾根である。14:00自然公園管

理人の斉藤初男さんが大石橋の修理をしていた。直したばかりの橋の渡り初めをさせていただく。彼
によると角楢橋も修理の必要があるとのこと、蛇引尾根に向かう人は初男さんに事前に照会しておくと良い(tel・fax=0238-67-2303)。15:45徳網着。

【国外:1997年03月29日.小国山岳会高貝喜久雄】

3月20日、カトマンズでの出発準備が整いました。明日、21日ルクラ(2,860m)よりクンブ氷河のキャラバン開始です。4月1日に、ベースキャンプ(5,500m)入りの予定です。