登山者情報275号

【飯豊連峰:大日杉〜切合小屋/1997年05月01〜03日高橋金雄調査】
大日杉小屋までの車道は残雪はまったく見られず、すんなり車で通行できる。大日杉小屋からざんげ坂の間には残雪が一部見られるが、大体雪の上を登る。尾根上に出て、御田を過ぎると雪稜の登りとなる。地蔵岳は山頂部だけが地面が露出していた。正面に飯豊本山の量感ある山容と対面できる。
地蔵岳から御坪までは、部分的に雪庇と尾根路の境界を歩かなければならず、何度か雪の空洞部分に落ち込み、以外といやらしい。御坪からは、今回は御沢コースを登ったが、安定した雪渓を登って切合小屋に着いた。切合小屋は半分が新装になり、快適であった。(入り口はまだ雪で埋まっているので、小屋への出入りは南側の二階の窓からする。)
花はマンサクが盛りで、ざんげ坂から御田辺りまでの稜線が特にすごかった。イワウチワ、タムシバも多く見られた。新緑も、ざんげ坂辺りまで登り始めたが、1日と3日では偉い違いで、今後も急速に新緑が尾根を登って行くだろうと思われた。
今回は長靴で登ったのでアイゼンは持参しなかったが、朝方の雪面はガリガリになるので、持参したほうがもちろんベスト。登山者は連休にしては意外と少なかったように思われ、切合小屋の同宿(2日夜)は、5人パーテイ1組のみだった。3日〜5日の入山が多いのだろうと予想されるが。

【朝日連峰:五味沢〜大朝日岳/1997年05月03〜04日齋藤弥輔・小林孝一調査】
5月3日 伊佐領04:26→大石橋05:10→角楢小屋06:07→大玉沢06:50→蛇引清水08:26→北大玉10:30→平岩山12:05→大朝日山頂14:00→大朝日小屋14:13(泊)
午前4時起床、4時22分小林君到着、早速私の車に荷物を積み込み4時26分出発した。徳網の車止めの鎖は5月2日から解除になり、登山口の大石橋に5時到着し、早速準備をして5時10分出発し吊り橋を渡る。5時20分祝瓶分岐通過、5時30分一本橋に到着。小林さんにとって初めての体験である、渡り終えてから感想を聞くと「最初の方が怖かった」と言うことでした。6時5分角楢の一本橋を通過、小林さんも慣れてきたみたいです。6時7分角楢小屋到着、新しい小屋の大きさは前の小屋と同サイズくらいと思われるが、中はストーブが中央におかれ、機能的な山小屋であり、泊まって仲間と飲み明かしたくなる、そんなすてきな小屋でした。6時50分大玉沢到着。一本橋は雪のために落ちているが、下流30mの所に流木が引っかかっているので、そこを渡ることができる。登山口からここまでのコースは、残雪が30〜50cmあるが、ブナの新緑が素晴らしい眺めである。
朝食をとり、7時13分出発する。ここからは一気に登りになる。8時26分蛇引清水到着、ここまでの尾根道は雪はないが、蛇引清水は雪の下であり、この辺りのブナの木はまだ芽が吹き出ておらず、マンサクの花が満開に咲いていた。9時20分森林限界到達、大朝日から祝瓶までぐるりと視界が開けていい眺めである。10時15分祝瓶との分岐通過、蛇引清水からここまでの登山道は雪が残っている。10時30分北大玉(1,460m)到着し2回目の食事休憩を取る。12時5分平岩山頂(1,609m)到着。14時ジャスト大朝日岳山頂(1,870m)到着、北大玉からの下りと平岩の直下の登りに雪が残っていた。記念写真を撮り、小屋へ降りて行くがここにも30m位の間に雪がある。
14時13分大朝日小屋到着。金玉水の所は雪が多く雪原になっている。小屋のお客は我々をいれ8名とちょっと寂しい人数であるが、山大生のパーテイと日本酒で懇親を深める?夜半は風が強く雨も降っていて冷えてきたが体内のアルコールと疲れでシェラフに潜り込みぐっすりと寝ることができた。
5月4日 大朝日小屋07:18→大朝日山頂07:30→平岩山08:15→北大玉08:55→蛇引清水10:00→大玉沢10:42→角楢小屋11:35→大石橋13:07
5時起床、残り物のコーンスープを温めビールで乾杯し、朝食をとり出発の準備に取りかかる。無線でGZKと更新し、朝日連峰のコース状況を聞き宿泊者に情報を流し、安全な山行をお願いする。
7時18分大朝日小屋出発、7時30分大朝日山頂、ガスで視界が30m位しかなく、何も見えない状態である。8時15分平岩山下のトラバースを通過、昨日登る時に立て直していった鉄製の道標が意外と頼りになった。8時55分北大玉山頂到着、ODDと無線交信する。北大玉下の森林限界では、これから祝瓶に登ろうとしている平田さん夫妻UWSとも交信した。10時42分大玉沢通過、11時35分角楢小屋到着、休憩と昼の食事をとるが、昨日平岩山の下でスライドした登山者と再会した。彼の口から「大玉沢からのブナ林の中は、残雪があるとルートが分からないために時間がかなりかかってしまった」ということで、是非とも目印を付けた方が、始めての入山者には必要でないかと思う。一段と雨が強く降り出してきたので、合羽を着て移動を開始する。13時7分大石橋車止めに到着し、着替えをして車を出発させる。途中JM7MXLと無線で交信。明日は倉手山に足慣らしに登り、下山してから恒例の熊祭りを見てくるとのことであった。14時10分自宅に到着した。