登山者情報300号

【1997年07月11〜13日/石転ビ沢〜天狗の庭〜梶川尾根/井上邦彦外調査】
赤滝付近に崩壊中の雪渓がある。石転ビノ出合まで全て登山道である。門内沢・ホン石転ビ沢・北股沢には雪渓が続いているので、迷い込まないよう留意すること。北股沢出合の清水はまだ出ていない。北股沢出合から左岸よりに登る。黒滝には亀裂が入っている。右手の雪渓を過ぎると、正面の尾根の末端に赤いペンキで印が付けられている。中ノ島(草付き)の隣の登山道である。ここから斜め上の中ノ島に雪渓を横断する。中ノ島にはハクサンコザクラ・シナノキンバイ・ミヤマキンポウゲ等の高山植物が咲き始めた。中ノ島途中の水場は使用できる。中ノ島最上部で5m程度の雪渓を横断する。ここから直上する踏み跡があるので登らないように留意する。雪渓を横断して、沢状の道を登り台地(草付きの広場)に出る。さらに雪渓を登り御梅花皮小屋に着く。
梅花皮小屋から烏帽子岳の間は全て夏道。クサイグラ尾根分岐までのトラバースにはシナノキンバイとコバイケイソウが咲いている。尾根を回りこんでハクサンイチゲとチングルマを見て、稜線の西斜面に出るとヒナウスユキソウ・ヨツバシオガマが迎える。下りきって僅かに登ると亮平の池である。この先、御手洗池まではほぼ夏道である。崖状を登り沢状から御手洗の池に出る。逆コースの時、崖状からそのまま下りやすいので留意すること、崖の途中で左にトラバースをするのが正しい。御手洗の池は全て露出しているが、ここから天狗の庭までの間は登山道が残雪で覆われているところが多い。黄色い旗を3カ所設置してきたが、不十分なのでガスられた時、ルート選択に留意すること。途中1カ所注意したい雪の下りがあった。天狗の庭直前、登山道の崩壊が著しい。西側踏み跡を辿り、天狗平の湿地に下る。そこから沢状の踏み跡を登り小さな池に出る。この先は佐藤の報告を参照すること。
梅花皮小屋付近にはチシマギキョウとヒナウスユキソウが盛りである。オヤマノエンドウは終わってきた。ハクサンフウロ・ニッコウキスゲ・ムカゴトラノオ・ヨツバシオガマ・クチバシシオガマ・イワオウギが咲く。
梅花皮小屋から梶川尾根を経て天狗平まで、全て夏道である。天狗平〜扇ノ地紙〜梶川尾根〜天狗平の登山道に覆い被さっていた笹藪等は撤去した。ただし、亮平の池〜天狗の庭の一部雪に覆われているところは残っている。伝え聞くと、オンベ松尾根も大日岳〜御西岳の一部を残し、整備が終了したらしい。
北股岳に登るアカモノ・シナノキンバイ・ツマトリソウ・コケモモ・オノエラン・マルバシモツケ・タカネアオヤギソウに囲まれて、ギルダ原を行く。門内小屋手前のミヤマリンドウ、ヒメサユリとニッコウキスゲの競演がひときわ鮮やかであった。扇ノ地紙から地神山へ向かう旧道を閉鎖、かなり荒れているので入らないこと。梶川峰に向かうと、草原にヨツバシオガマ・チングルマが点在する。ミヤマリンドウ・ニッコウキスゲが素敵だ。ケルンはチシマギキョウがびっしり。標高1,600m尾根の分岐(とっとばの沢源頭)に雪が残っており、融雪水が利用できた。雪渓の下部は一気に切れ落ちているので、雪渓には絶対に上がらないこと。
後は五郎清水も利用でき、特に問題はない。

【1997年07月12〜14日/ダイグラ尾根/佐藤武晴調査】

天狗の庭の先、若干雪で夏道が覆われているが、問題はない。この先、飯豊山まで登山道は全て露出している。御西小屋の水場は使用できる。ダイグラ尾根は、宝珠山の前後に各1カ所雪が残っているが、5m程度で問題はない。千本峰道標付近に倒木が道を塞いでいた。ニッコウキスゲ・ハクサンコザクラが印象に残った。ヒメサユリは終わりかけ。

【1997年07月08日/御西小屋/小椋秀春】


7月8日から管理人が入り、清掃協力費を貰っている。