登山者情報309号

【1997年08月09〜11日/石転ビ沢〜ダイグラ尾根/井上邦彦調査】

06:20天狗平で登山者カードを記入、LFDとIIVが登山者指導をしていた。06:53〜07:03水ナシ沢で休憩、07:28ウマイ水で休憩。カリガネソウ・オクトリカブトが咲いている。08:15〜32梶川出合で休憩。じりじりする暑さだ。09:00〜10:07石転ビノ出合でのんびりする。雪渓は亀裂が縦横に入り、緊張する。かなり危ないルートをとっているパーテイもいる。
これからは、門内沢の雪渓を渡り、石転ビ沢の左岸に入り徒渉して右岸の夏道に入ることになる。
今回は梅花皮沢の雪渓をひやひやしながら渡り、梅花皮沢右岸の水場で休み、踏み跡を辿り石転ビ沢の右岸の夏道を進んで石転ビ沢の雪渓に右岸から取り付いた。
雪渓に上がってからまもなく、左岸よりに穴が開いており同心円状に亀裂が入りさらに長い亀裂が走っていた。また右岸からの枝沢付近も薄くなっていた。10:38〜11:00右岸の小さな枝沢近くで休憩し、同行者にアイゼンを装着してもらう。11:20〜40ホン石転ビ沢対岸の枝沢に上がり休憩する。ランニングシャツで雪渓を歩けるほどの高温、尾根道を登った登山者は苦労しているだろうと同情する。12:27〜51北股沢出合の水場で休憩、アイゼンを外す。雪渓を歩き早早に踏み跡に上がり左岸から巻くように黒滝の上に出る。左岸の踏み跡から沢身を登り、中ノ島(草付き)右側(下から見て)の沢を進み左斜めに登り中ノ島に上がる。付近はシナノキンバイとミヤマキンポウゲが満開であった。
13:20〜50中ノ島途中の水場で休憩、ズダヤクシュ・オタカラコウ・オニシモツケ等が咲いている。中ノ島上部で左の沢を横切り、水の流れる登山道を直登し、幕営跡地で梅花皮小屋と対面、雪が消えて間もない踏み跡を登り、14:30梅花皮小屋に到着した。
夕食後、北股岳山頂で新潟祭りの花火を遠望する。
10日は朝から風が強く、雨も伴ってきた。アマハムとラジオで気象情報を収集し、予定より遅く出発。同行者は花どころではない様子。与四太郎ノ池では堅く閉じたイイデリンドウの隣で強風にしゃがみこんで動けないパーテイを追い越す。山形県側の登山道は嘘のように風がない、クサイグラ尾根分岐手前で斜面を覆い尽くしているトリカブトの群落に歓声を上げる。全行程、稜線には残雪はない。御手洗ノ池手前のカール地形に下る踏み跡がある、視界がない時誤って下らないように留意すること、特に逆行程は注意。天狗の庭は刈り払ったネマガリダケが残立しているので足元に気を付ける。天狗岳手前にある二段の道は下部を通過した、足場が細かい岩場のトラバースなので慎重に行動する。天狗岳は山頂を踏まず何時の間にか通り過ぎる、付近にはまだハクサンイチゲも咲いている。御西小屋で一週間ぶりに小椋さんと再開、天候が悪いので大日岳は削除した。
早朝、御西小屋を主発。草月平はタカネマツムシソウとミヤマアキノキリンソウが素晴らしい。弘法清水で水筒を満たし、飯豊山頂で休憩。
残念ながら視界はない。ダイグラ尾根を下る、御前坂は先週LFDが付けた赤ペンキがしっかりしている。下りきったところからダイグラ尾根特有の凹凸が始まる、次々と出てくるピークにうんざりした頃、宝珠山岩稜に到着する。コースは急峻な大又沢側に強引に開いた所が多く、草本の植物が繁り半袖だといやらしいし、足元も飯豊では一番危なっかしいコースだ。今回は雪がないが残雪があると大変デリケートなトラバースを要求される、将来的には桧山沢側にルート変更を検討すべきだろう。ダケカンバ・コメツガ林にブナが混じり始め、やがてミヤマホツツジがホツツジに変わる。休場ノ峰で宝珠山を振り返り、いよいよ急降下が始まる。道脇の柴に捉まり慎重に下る。水場には冷たい水が湧き出ており一息つける。わずかに登り返し御池ノ平から再び急降下、膝が悲鳴を上げ始める頃桧山沢吊橋に到着。