登山者情報328号

【1998年02月11日〜02月27日/遭難救助訓練/井上邦彦調査】

1998年2月11日、小国町中心部を流れる横川の雪捨て場において、小国山岳会の雪上技術訓練が行われた。講師は、高貝喜久雄・井上邦彦・菅野享一・仁科友夫である。滑落停止・キックステップ・アイゼンワークの基本を復習し、スノーバーを支点としたグリップビレイやスタンデングアクトビレイを確認した。参加者は、齋藤弥輔・羽田義明・平田健治・平田恵子・渡部政信。基礎技術を身体に覚えさすべく真剣に繰り返していた。その後は高橋事務局長宅で食事をしながら座学。高貝流ロープワークは井上にも参考になりました。
1998年02月21日に、小国町りふれで山形県山岳連盟指導員総会が開催された。翌22日、近くの岩石採取場で雪氷技術訓練が行われた。講師は高貝喜久雄を中心とする小国山岳会員。高貝流アイゼンワークは、どんな急斜面でも上半身は鉛直、腰を下ろし蟹股で爪先は下方を向いている。これなら足首が楽だ。始めは下で眺めている長老の方々からの冷やかしを受けていた若手グループだが、しだいに腰が安定し自信に満ちた表情に変わっていった。研修では自分から進んで技術を盗んだものが勝ち!




1998年02月25日から27日まで、蔵王連峰坊平で山形県山岳遭難対策委員会の冬山救助訓練が実施された。
講師は、井上邦彦・菅野享一・仁科友夫・高貝喜久雄の4名。















初日は菅野講師がコンパスの実践的使用方法を講義。昨年の訓練では帰還が夜になった班があり、皆真剣。





午後は仙人沢に移動し、レスキューハーネスを使った吊り上げ吊り下げ訓練。
足元が切れ込んだ川崖で、負傷者を背負っての搬送とあって汗が滴る。

一息つくまもなく、スノーボートに隊員を乗せ、急斜面を滑車利用の搬送。
確保に手抜きを見つけられ、罵声が飛び交うシーンも。

























最終日は雪崩れ救出訓練。実際に生き埋めにされ、身動きできないところをゾンデ棒で刺される。
井上班の卒業試験は、今手元にある装備を使い、一人だけで背負って搬送すること。これには殆どの隊員が悲鳴を上げた。

最後の訓練は、山形県警ヘリ月山による吊り上げ。

かくして、今年の訓練も無事終了した。参加された皆さんお疲れ様。