登山者情報336号

【1998年05月09〜10日/丸森尾根〜ダイグラ尾根作成中/井上邦彦調査】
大淵で山菜入山券を販売していた。05:53 オオイワカガミの咲く丸森尾根に取り付く。いきなりの岩稜急登にあえぐ。06:10〜16 休憩、ヤマツツジ・ムラサキヤシオ・ショウジョウバカマ・マンサク・イワウチワ・オオバキスミレ。ムシカリに囲まれ、昨日と打って変わった良い天気である。06:37小ピークを過ぎ幾度か上下して06:44ナラの根元に文字の消えた板が置かれている。ノゾキである。胸を突く急坂を超える、しだいに身体がやわらかい山の色に染まってくる。アヅマシャクナゲ・チゴユリが咲いている。滝見場の上に飯豊山と宝珠山が浮かんでいる。07:07〜24朝食を摂る。PWDと交信。いつも声はすれども姿は見えずの鶯が、珍しく目の前の枝で鳴いている。ムラサキヤシオが満開である。尾根が広い雪原となり1030mの水場に出る。取付きから6176歩。水場は当然埋まっている。ひと登りして1070mから再び夏道となる。尾根は平坦になりに杁差小屋がみえた。若干風がでてきてブヨが姿を消す。07:48〜8:00 1110m GZK・UWSと交信、UWSは現在天狗平にてこれから梶川尾根を登るとのこと、梅花皮小屋で会うのが楽しみだ。この付近はシャクナゲが見事だ。

アヅマシャクナゲ
1260mレストポイントより登りとなる。08:25〜30 1315m崩壊地に着く。下部にはダケカンバが倒壊しているが、昨年枝切りしたので問題はない。シラネアオイ・タケシマラン・コヨウラクツツジが咲いている。

崩壊地
潅木帯となり1390〜1420m雪の上。ショウジョウバカマ・コシノカンアオイ・ミヤマカタバミが咲いている。1430mを過ぎると所々雪の上となる。09:03〜22 11064歩 1540m丸森峰の標識。ミネザクラの中で食事。ここから北峰までは全て雪上となるので、ズックからプラスチックブーツに履き替える。残雪の末端では融雪水が可能である。北峰から丸森峰の間は迷いやすいところだ、頻繁に黄布をつけたので参考にして欲しい。

丸森峰から北峰を仰ぐ

1775mに僅か夏道が出ている。最後に10mほど夏道を詰めて、10:04〜16 13,708歩地神北峰着。北へ続く稜線と日本海を見下ろしながらズックに履き替える。ODDと交信。稜線でもミネザクラ・コメバツガザクラ・ハクサンイチゲがほころび始めていた。

北峰から杁差岳 右下はハクサンイチゲ

10:57 17,308歩 扇ノ地紙を通過。稜線の登山道は全て露出していたが、分岐の広場は雪で覆われていた。11:17〜41 19,095歩 門内小屋着。舟窪の雪田から水が流れていたが、天場の雪なので飲む気はしない。小屋付近でもハクサンイチゲ・ミヤマキンバイが咲き始めていた。ギルダ原で酒田の小松さんとすれ違う。12:26〜45 23,777歩 北股岳山頂でUWSやMDEと交信、MDEは温身平付近を石転ビ沢に向かっている。

北股岳から扇ノ地紙
下り始めると60mほど雪の急斜面になる。腐っているのでズックで十分と判断、ピッケルを抜く。12:54 25267歩 梅花皮小屋着。小屋は満員、尋ねると殆どの方が日帰りのこと。皆を見送り、トイレと床・土間の清掃。水場でギンギンに冷やしたビールを飲んでUWSとMDEを待つ。

石転ビ沢を見下ろす 中ノ島が確認できる
翌10日、二日酔いの頭を抱え、04:44に梅花皮小屋を出発。登山道には霜柱が立ち、両側にはヒメイチゲ・コメバツガザクラが咲いている。05:06梅花皮岳、05:23〜25 3635歩 烏帽子岳。

烏帽子岳から御西岳

こちこちの雪面をズックで下る。トラバース部分からクサイグラ尾根分岐は夏道、再び雪道となり、尾根を越えるところから鞍部まで夏道である。以後は全て雪の上となる。09:45亮平ノ池通過。狭い沢状を登り、06:02御手洗ノ池。共に雪に埋もれている。06:24〜38 9529歩 天狗ノ庭、登り一部夏道。天狗岳直前の岩場は急斜面なので滑落注意である。07:15〜19 12759 御西小屋、小屋の周囲は雪がなく、便所は使用できる。

天狗の庭から北股岳

御西の標識は雪の上に出ている。草月平付近は夏道、ニッコウキスゲとハクサンイチゲの芽生えに覆われている。GZK・ODDと交信。07:50〜08:22 16149歩 玄山道分岐の標識は雪に埋もれている。雪を溶かして餅入りラーメンを作る。ここからは全て夏道となる。08:32 17026歩 駒形山通過。ミヤマキンバイが綻び始めている。08:46〜51 18394歩 飯豊山頂。

飯豊山から大日岳
ダイグラ尾根下山を開始する。鞍部は雪となる、ピッケルを抜く。09:20レストポイントの岩を通過。登山道についている雪の状態が悪く、柴を掴んで下降。比較的安定しているところはグリセードで下る。09:30〜42スミレ・ミツバオウレンが咲いている。鞍部の雪を通り、09:51 23194歩 岩稜通過。チムニーの要領で下降。09:55〜59我慢できなくなりズックからプラスチックブーツに履き替える。サイドエッジが使えれば雪の上はこっちのものだ。一気に下り10:07 24050宝珠山の標柱に到着。10:19 1,620m ここまで数箇所薮や壁があるものの殆ど雪の上である。オオバキスミレ・ミツバオウレン・タケシマランイワウチワが咲いている。すぐに雪を越え、1,535mから鞍部までも雪の上となる。10:34〜43 ズックに履き替える。カタクリが一面登山道を覆っている。ムシカリ・タムシバ・ムラサキヤシオ・シラネアオイが咲いている。鞍部2個所に急斜面の雪上横断、雪が柔らかくなってきたので、ズックのままカッテング。

シラネアオイ
11:06〜09 27,454歩、千本峰の岩場。ツバメオモト・エチゴキジムシロ・キクザキイチリンソウが咲いている。飯豊連峰主稜を背景に、新緑が眩いコメツガとブナの林を行く。低木層はムラサキヤシオとムシカリが咲き、林床は一面の花々、特にシラネアオイが何処までも続く。シャクナゲも混じってきた。ピケッルでカッテングし、11:50〜12:21 30,419歩 休場ノ峰で雪を溶かしラーメンを作る。

千本峰から宝珠山

さてここからはひたすらの下りである。タムシバ・ムシカリ・ムラサキヤシオ・ショウジョウバカマ・カタクリ・イワウチワ・シラネアオイ・ツバメオモトが咲いている。12:34 1,150m米栂ノ平を通過。12:49〜57 950m 水場は勢い良く出ていた。オオイワカガミ・アヅマシャクナゲが咲いている。シャクナゲは何時もより多い気がする。13:04オ池ノ平は雪の中から出ていた。カタクリ・オオバキスミレ・イワウチワ・ムシカリ・タムシバ・ムラサキヤシオ・チゴユリ・エゾユズリハ・ヤマツツジが咲いている。13:43〜48 38,135歩 桧山沢吊橋を一本吊橋の要領で渡る。

桧山沢吊橋
温身平付近でUWSと交信、MDEと一緒に今しがた丸森尾根から天狗平に到着したとのこと。14:19天狗平でUWSの出迎えを受ける。42,079歩であった。