登山者情報358号

【1998年07月11〜12日/石転ビ沢〜梶川尾根/高橋弘之調査】


石転ビ沢ルート:入門内沢出合(石転ビノ出合)までは全て夏道を行く。また入門内沢出合のスノーブリッジは、すっかり無くなった。門内沢を飛び石伝いで渡る。増水時は、渡渉困難。石転ビ沢左岸から飛び石伝いで右岸に渡渉。増水時は渡渉困難。右岸の夏道を約300m行くと雪渓になる。ホン石転ビ沢出合のところが陥没し始めた。北股沢出合の水場までは、安定した雪渓が続く。水場を過ぎて約50mほど行くと黒滝が見えてくる。黒滝を左手に見て夏道を行く。門内沢出合・雪渓末端などに目印の黄色い旗を設置している。また、岩に赤いペンキで○印または×印をしているので、ルート取りの参考にしてください。黒滝上部から梅花皮小屋までは全て夏道を行く。
梶川峰ルート:門内小屋周辺がかなり汚れている。登山道に残雪は殆どないが、下山時は要注意。五郎清水はおいしい水が豊富である。

【1998年07月13日/五枚沢〜地蔵山/安達哲也調査】


土砂崩れで長らく通行止めだった谷地峠(赤崩)付近の排土が終了し、何とか通行可能となりました。また、7月11日には五枚沢登山口から地蔵山まで、つが桜山岳会のメンバーにより全線の刈払いが終了しましたので、お知らせします。(私も参加しました。)
URL http://www.akina.ne.jp/~adachi/ e-mail adachi@akina.ne.jp

【1998年07月11〜12日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】


03:31天狗平発。03:46温身平通過。03:55砂防ダム通過。04:14うまい水通過。04:25近大慰霊碑通過。04:38梶川通過、雪は全くない。


石転ビノ出合

04:57〜05:08石転ビノ出合着、梅花皮小屋と交信。門内沢と石転ビ沢の合流点下流には両岸に若干の雪渓残があり近寄れない。門内沢の雪渓も後退しており近づける雰囲気ではない。門内沢を飛び石伝いにジャンプして右岸に移り、他にルートがなかったので嫌嫌ながら雪渓を素早く潜り抜ける。さらに石転ビ沢を飛び石伝いにジャンプして右岸の踏み跡に出る。登山道の道脇にはミヤマキンポウゲが咲いていた。雪渓の状態は、エアリアマップ裏図「8月下旬」に相当する。ただ石転ビノ出合の通過方法は8月中旬のルートのほうが良い。


北股沢出合から石転ビノ出合を見る

雪渓に上がったら右岸沿いに歩く、左岸沿いは陥没の恐れがある、ただし右岸沿いも薄くなっているところがあるから要注意。途中で雪渓が切れている所は踏み跡もないので、適当に川原を進む。右岸から入ってくる小沢を過ぎて再び雪渓に上がる。05:45ホン石転ビ沢の雪渓は合流点上で途切れている。対岸(左岸)の小沢で水を利用する時は、雪渓が薄くなっているので慎重にルートを選ぶこと。岸壁にはニッコウキスゲやオタカラコウが鮮やかに揺れていた。


北股沢出合から黒滝を見る

北股沢にはまだ雪渓が続いているので、ガスられた時など迷い込みやすい。06:10北股沢出合の清水は利用できる。この先は黄旗に導かれて左岸の踏み跡に上がるが、黒滝の雪渓末端は薄くなっており充分に確認してルートを選択すること。黒滝の上で道は二つに分かれるが、直接本流を辿る左ルート(下から見て)は最後の部分にまだ雪が残っており嫌らしい。もう暫く右ルートの方をお勧めする。


草付きのミヤマキンポウゲ

06:21草付き(中ノ島)に上がると、一面のミヤマキンポウゲが汗を吹き飛ばしてくれた。ハクサンボウフウ・シナノキンバイなども咲いている。06:28水場通過、腹が空いてペースがダウンするが、無線でビールを冷やしておいてくれるよう頼んだこともあり、ひたすら我慢。草付き最上部で左の小沢を横切るが、直上する微かな踏み跡もあるので入り込まないように注意すること。草付きの広場から上の雪渓も全て消えた。06:50梅花皮小屋到着、関さんに冷えた缶ビールを出してもらい、お握りを頬張る。
07:09梅花皮小屋発、ツルハシを背負い06:20頃出たと言う本隊を追いかける。07:49烏帽子岳、クサイグラ尾根分岐手前のお花畑は素晴らしい。08:18御手洗ノ池、08:39天狗ノ庭でようやく本隊に追いつく。ここまで2個所ほど雪の上を歩くが、例年に比べ驚くほど少ない。それでも部分的に残雪と夏道の移行部分で転滑落の可能性があり要注意である。


梶川尾根での登山道整備作業


稜線の花
天狗ノ庭〜御手洗ノ池:モミジカラマツ・コバイケイソウ(何故か今年はぱっとしない)・ミヤマキンポウゲ・ヨツバシオガマ・イワカガミ・イワイチョウ・ノウゴウイチゴ・ハクサンコザクラ
御手洗ノ池〜クサイグラ尾根分岐:イワイチョウ・シラネアオイ・ショウジョウバカマ・カラマツソウ・ガクウラジロヨウラク・チングルマ・ハクサンコザクラ・アオノツガザクラ
クサイグラ尾根分岐〜烏帽子岳:ハクサンフウロ・クルマユリ・エゾイブキトラノオ・ミヤマキンポウゲ・オタカラコウ・ヤマハハコ・ハクサンボウフウ・ダイモンジソウ・クチバシイオガマ・イワオウギ・ヤツバシオガマ・シナノキンバイ・マイヅルソウ・クチバシシオガマ・ニッコウキスゲ・ヤマトウバナ
烏帽子岳〜梅花皮小屋:イイデリンドウ・ミヤマコウゾリナ・マルバシモツケ・クルマユリ・チシマギキョウ・ヒナウスユキソウ・タカネニガナ・ハクセンナズナ


今回参加してくれた皆さん

ギルダ原には、シロウマアサツキが咲いていた。梶川尾根トットバ沢源頭の水場は雪がなくなったので使用できなくなった。五郎清水は何時もながら冷たくておいしい。

ありがとうございました

峡彩山岳会(本間和枝さん・伊藤実さん・南山克己さん・松原武司さん)・福島医大山岳部(海野さん・菅野さん)・福島(正木勲さん・加藤道子さん)・小国山岳会(高貝喜久雄・渡部茂雄・関英俊・井上邦彦)