登山者情報382号

【1998年11月04日/胎内口/小国町商工観光課】

奥胎内で崖崩れ発生のため、胎内川第二発電所先の登山道は通行止めとなった。復旧見こみは現在立たず、今年中の工事着工はない。以上黒川村商工観光課より連絡があった。


【1998年11月03日/鏡山/井上邦彦調査】

深夜のトタン屋根を激しく叩く雨音であまり眠れなかった。05:30自宅発、06:00関川村のCVSで食料を仕入れる。06:27(52.1km)R290と分かれる、06:44(69.5km)赤谷分岐、07:34(113.7km)R49からR459に入る。08:06(136.8km)うっかりして弥平四郎まで来てしまい戻る。08:17(142.0km)弥生の分岐、標識はしっかりしている。弥生までの車道は水害の後遺症だろう路肩の欠損が多く、これから冬季の向けて除雪作業を考えると大変だなと感じた。集落に入っていくと、右の沢に下っていく車道と左手の山に登っていく車道を分ける。まっすぐ進みゲート手前左手の家が佐久間さんのお宅である。奥さんと息子さんがナメコ加工に忙しく働いていた。08:27(145.5km)鍵を外していただき、ポストの登山者カードを記入する。沢沿いの砂利道を何処までも入って行く。やがて沢は小沢となってサワグルミやブナの河床の左岸を進むが、車道の状態が悪くなってきたので四輪駆動をかける、車高の低い車にはきついだろう。舗装道路になってほどなく終点に着く。最奥に転向場があるが駐車スペースはなく、道脇に縦列駐車となる。既に止まっている先行車は3ナンバーのワゴン車が多く、通れるようにするのが大変であ った。登山口の標高は785m沢が二つに分かれる合流点にある。08:58左の沢沿いにも道はあるが、正面尾根のブナの木に「鏡山登山道」と標識があるので、水筒に水を汲み取り付く。

左の橋ではなく、正面の尾根に取り付く

尾根に上がってすぐナメコが菌打ちされた丸太が転がっている。故意か過失か天然と栽培の区別がつかない者がいるので、ゲートで車止めをせざろう得ないのだ。 09:03、860m、右にトラバースする踏み跡がある。一気に高度を稼いだ後に道は傾斜緩くなる。ブナは既に冬の装いであり、カエデの紅葉とタムシバの黄葉が艶やかだ。09:11、950m、1,142歩、標識があり弥平四郎からの登山道を合わせる。ここまでは車が走れそうに広く道刈りがなされている。

弥平四郎(四ツ沢口)との合流点

09:19、1,020m、1,782歩、「清水あります」の標識。片道30秒程左手に下ると小沢の源頭に水が流れていた。

清水の分岐点

道は本当に広く刈ってある、ジグザグになっている部分もある。ブナの林が続き傾斜も緩い、末っ子を連れてきても十分だったなと思う。1,135m左手が刈り払われていた、水晶尾根だろうか巨大な尾根が見えるが上部は雲がかかっている。

ブナ林の登山道

登山道が丸みを帯びて山頂が近いことを示している。09:34、1165m、2,889歩、二つ目のピークの方がやや高い。これが七森峰だろう、地形図の高度が1,168mだから高度計は僅か3mの誤差である。シャリバテ症状がでてきたので、ここで朝食とする。

七森峰から鏡山

09:49発。 1,130mまで足場を注意しながら一気に下る。次の1,190m峰は巨大ブナに見とれている間にそれとなく過ぎてしまった。このコースは松が殆どなく終始ブナに覆われている。こんなコースは飯豊の中でも始めてだ。最後の登りで下ってくるパーテイとすれ違う。10:12、1335m(地形図1,338.9m)、5,163歩、鏡山山頂に到着、正木さんに会う。山頂には他に1パーテイ。山頂は見事に刈り払われ、素晴らしい展望地となっている。残念ながら種蒔山付近から上は雲の中である。正木さんから先ほどすれ違った方が会津大学の教授で、彼がパソコンで作成したという展望図を見せていただいた。一級の展望地である。正木さんパーテイに缶ビールと餅入り鍋をご馳走になる。

鏡山山頂

10:57、鏡山山頂発。道刈りの程度は落ちるが充分歩ける。11:01、1,220m鞍部。11:10、1,255m、7,452歩、上ノ越(カミノコシ)分岐着、11:15戻る。

上ノ越分岐点

11:23、1,295m峰を通過。11:28、1,225m、最低鞍部、ここが中ノ越(ナカノコシ)であろう。上ノ越と中ノ越は草があり、中ノ越にも弥平四郎方向に道状の水路があり似ているが、上ノ越の方がスケールは大きく、標柱を確認すれば間違うことはないだろう。 11:43、1,345m、9,852歩、鏡山通過。

鏡山山頂より疣岩山

11:54〜58、正木さんパーテイに追いつき休憩。

正木さんパーテイ

ブナ林の中にドウダンだろうか、まるで花が咲いたような黄葉が浮かんでいる。新緑のブナ林と錯覚しそうだ。12:04、1,160mピーク通過。1,130m、11,522歩、展望地通過。12:11、1,20m清水通過。1,015m弥平四郎側の展望地通過、この辺りから下部が紅葉している。

紅葉の登山道

12:17、950m、12,954歩、弥生との分岐。尾根を左に巻いて、へつるように下り始める。920mへつりを終えて比較的広い尾根の上のブナ林、登山道が苔で覆われている。結構昔からあった道で現在はそれほど使われていないということだろうか、道刈りはしっかりしている。12:25〜32食事。私は山頂で山を眺めているより、ブナ林の中が落ち着く。720mで尾根上に出る、ここまで尾根の右側を回ってきたことになる。

紅葉の尾根

650mから一気に高度を下げ、最後は最近手入れされたジグザグ道で、12:45、590m、1,5469歩、長松沢に到着する。合流点の上で丸太橋を左岸に渡り、振り向くと「鏡山登山コース」の標識があった。

長松沢の取り付き

トチノキ林の河床を進み、12:51、570m、15,749歩、左手に登っている明瞭な道を分ける、登り時に迷わないよう「鏡山登山コース」の標識がある。沢幅が狭くなり、12:53、15,974歩、右岸に渡る。川原の中に作られた道を歩く、増水時には通行できないだろう。12:54、16,110歩、三重滝沢合流点下で左岸に移る。12:59、16,434歩、川原には菌打ちされた丸太が目立つ。13:00、16,576歩、杉林となる。13:02、16,792歩、右手から小沢を入れる。杉林を抜ける直前に「鏡山登山コース」の標識がある。右からの小沢を越えると、13:05、480m、17,088歩、砂防ダムに到着。軽自動車が1台止まっていた。

砂防ダムの登山道

13:11、歩き始める。13:19、18,202歩、弥平四郎集落最奥に到着。祓川への車道との合流点すぐ下の四ツ沢に架かる橋の袂にゲートが設けられていたが、ゲートは開けられていた。

弥平四郎登山口

13:20、戻る。すぐに右手に道を分けるが、鳥居が見える所を見ると尾根上の神社への道だろう。四ツ沢沿いに進み、13:31、19,356歩、砂防ダム着。6台程度の駐車が可能である。標識に従って右岸からダムを越え杉林に入る。左手の低く長い尾根が特徴であり、トチノキの素敵な林に、菌打ち丸太が多い。

トチノキの川原道

13:43、20,465歩、三重滝沢出合で右岸に移る。長松沢を進み13:45左岸に移ると再び川原が広くなる。13:47、20,809歩、分岐の標識に従いそのまま川原を進む。13:51、21,137歩、沢を渡り尾根の取り付きでラーメンを煮る。14:15、590m、尾根を登り始める。625mでジグザグから直登になり、645mで傾斜が落ちる。この僅かな区間だけが飯豊らしい。14:30、720m、22,211歩、左に下る明瞭な道がある。水場かと思い確認のため下りかけるが、道をさえぎるように置かれたブナの枯れ枝に「×旧道」と書かれていた。 750mから尾根の左側を巻くように登る。835m平らになるがまだ左側、この辺りが苔むしている。870m右へ斜上し始める。このコース上には倒木が2本あった。14:52、905m右側の展望が開ける、フィルムチェンジ。登山道は雪触植生の急斜面を棚状に切り込んで斜上している。後方に平野部が見えた、喜多方であろうか、よくは確認できない。940mで下り気味になり、軽く右を巻き、14:58、945m、23,959歩、弥生との分岐に到着する。広々とした尾根を弥生に向けて下る。隣の尾根に柱状節理が露出しているかと思ったら、ブナを輪切りにした丸太の塊であった。840mでトラバース道を左に分ける。15:09、770m、25,184歩、林道終点に到着、既に車は1台もない。弥生で佐久間国男(西会津町弥生187)さんに鍵を開けていただく。「鍵が必要な方は、前日の夕方まで佐久間さん(tel=0241-49-2222)に連絡をすること」を確認し、エアリアマップ1999年版に掲載させていただきたい旨をお願いする。林道終点から8.2kmで弥平四郎からの車道と合流、10.3kmで極入。16:21、26.4km、R49に出て、18:35、141.7kmで自宅に戻った。